【完結】婚約破棄された令嬢が冒険者になったら超レア職業:聖女でした!勧誘されまくって困っています

如月ぐるぐる

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8.冒険者 パーティー

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 扉を開けた入ってきたのは、豪華な鎧を纏った剣士ソードマン格闘家グラップラー魔法使いウィザード射手シューターの4人でした。

「ブルースさん、アンタの頼みだからわざわざ戻ってきたのに、聖女様は来てくれないのか?」

「すまんみんな、どうやらそうなってしまった様だ」

 ブルースさんが冒険者に頭を下げています。わたくしが悪いわけではないのでしょうが、少々複雑な心境ですね。
 4人の冒険者はとても装備が整っています。

 剣士ソードマンは背が高い男性で、長い剣と背中にかついだ大型の盾、鎧は部分鎧ですが、とても強度がありそうです。
 格闘家グラップラーは剣士よりも少し背が高い男性で、籠手こてがとても大きいです。鎧は革や布製ですが、見た事のない生地です。
 魔法使いウィザードはシンプルな大きく黒いローブをまとい、フードはかぶっていませんが、あちこちにアクセサリーを付けた女性。
 射手シューターは小柄な女性ですが、背中に背負った弓は自分の背丈ほどもあり、弦が赤色をしています。

 装備を見ても分かります、この方々は、わたくしなどとは比べ物にならない程の経験を積んでいます。
 やはりお断りして正解でした。足手まといにしかならないでしょう。

「わざわざ遠くからお越しいただいたようですね。残念ですが、わたくしとあなた方とでは実力が違いすぎると存じます。この度はお手数をおかけして申し訳ございません」

 わたくしが悪いわけではありませんが、わたくしの事でお時間を取らせてしまった事に間違いはありません。謝罪くらいはしておいた方が良いでしょう。

「ほほぅ、聖女様はワシらなんぞより強いから? ワシらなんぞとは組めない、そういう事か?」

「こらタイラー、そういう意味じゃないでしょうが。逆だよ逆。聖女様はまだ駆け出しだぞ」

 格闘家グラップラーが勘違いをしたようですが、魔法使いウィザードが訂正してくださいました。
 わたくしの説明が悪かったでしょうか。

「ネオ、聖女様と知り合えた、今回はソレだけで勘弁してくれ」

「しょうがないですね。ブルースさんがそう言うなら、それで諦めるよ」

 ネオ、そう呼ばれた剣士ソードマンがリーダーでしょうか。

「さてと、じゃあ聖女様? 俺はネオ、剣士ソードマンだ。このパーティーのリーダを務めている」

「ワシはタイラー、格闘家グラップラー

「私はリプリー、魔法使いウィザードだよ」

「ポピンズ、射手シューター

「これはこれはご丁寧に。わたくしはフランチェスカ、ウィザー……聖女です。そしてこちらが」

「ま、マットです! 剣士ソードマンやってます!」

「僕はロビー、同じく剣士ソードマンです」

「私はケイ、聖職者クレリックやってまーす」

 半ば強引に、3人にも自己紹介してもらいました。
 そうしなければ、わたくしだけが特別扱いされているようで、居心地が悪かったのです。
 少々緊張気味でしたが、3人とも自己紹介できたので、わたくし達4人パーティーとして認めてもらえたのではないでしょうか。

「聖女様が仲間にならなかったのは残念だが、知り合えた上に、こんな可愛らしい後輩とも知り合えたんだ。上出来だ」

「ネオ……ショタ?」

「なんだ知らなかったのか? ポピンズ。ネオは男色だ」

「違う! またお前らは勝手なことばかり言いやがって!」

「はいはい、いい加減にして。ネオはロリコンなだけだから」

「リプリー!? お前まで何を言っているんだ!?」

 この方々は……とても仲がよろしいようですね。
 そして、見覚えのない行動を取り始めました。
 それぞれが武器を抜いて逆手に持ち、わたくし達に見せつけてきます。

「これは冒険者の挨拶の様なものだ。君たちも武器を抜いて、互いの獲物を触れさせるんだ」

 マット達が目を輝かせました。
 どうやらとてもいい行動のようですね。
 なのでわたくし達も武器を抜き逆手持ちし、武器の腹同士を順番に触れさせていきました。

「お、お、お、おれやってみたかったんだコレ!」

「そう言えば僕たちでもやって無かったね」

「わぁ~、冒険者の仲間だ~」

「ふふふ、それではわたくし達も、さあ、マットから」

「おう!」

 わたくし3人も武器の腹を触れさせ合いました。
 微笑ましいですね、これでわたくし達も更に親睦が深まったでしょう。

「じゃあ俺達は行くよ。どこかで会ったら、その時はよろしくな」

「はい。その際はよろしくお願い致します」

 ネオさん達は手を振りながら部屋を出て行きました。

「ふいぃ~。残念ですが、聖女様が選んだ道なら、それが良いでしょう」

「はい、ありがとうございます。きっとこのパーティーで、ご希望に添える成果をご覧に入れます」
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