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2. かわいいは正義
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「ちょっと、そこの貴女」
「は、はい。なんでしょう」
私が呼び止めたのはこの学園で1番小さくて可愛らしいメイ・ギャレットさん。いわゆるドジっ娘で、よくトラブルを起こしている。
「ちょっとお聞きしたいのだけど、あのクソ…失礼、王子様のことどう思ってらっしゃるかしら」
「えぇと、とてもかっこよくて勉強もできて…素晴らしい方だと思いますわ」
危ない、日頃のくせが出るところだった。しかし、メイさんからクソ野郎の好感度はまあまあ良い方なのを確かめられてよかったわ。
「そうなのね~。あ、そういえばドーキンス先生が貴女のこと呼んでたわ。たしか職員室に来て欲しいみたいよ」
「?わかりました」
よし、なんとか2人が出会う状況を作れた。もちろん先生が呼んでいたなんて嘘である。
作戦はこうだ。
まず、メイさんが階段でコケる。あの子のドジ具合ならいけるでしょ。昨日もコケてたし。
次に、そこに王子が現れる。昼のこの時間は王子が図書室に行く。普段私たちがいる講義棟から図書室と職員室がある教育棟に行くには、渡り廊下を通ってこの階段を登らなくてはいけない。メイさんは教育棟の3階から1階の職員室へ、王子は講義棟1階から教育棟3階へ。絶対にすれ違う。
最後に、王子がメイさんを助けて恋に落ちる。メイさんが王子にときめいたら、あとは私がいい感じにしてくっつけさせれば勝ち。
なんて完璧な作戦なの?!!天才よ私!!
私は急いで走っていったメイさんの後を追う。
「急がないと…って、きゃあ!!!??」
案の定、つまづいて階段から落ちた。よしここで下に王子がいれば…っていない!嘘でしょー!!このままじゃあの子が…ええいままよ!
「床よ!柔らかくなーれ!」
私はとっさに魔法でメイさんの下の床を柔らかくした。この前実習で柔らかくする魔法を学んでてよかったぁ。まあ一瞬柔らかくなるだけなんだけど!
「メイさん大丈夫かしらって、ぎゃあああああ!!!」
「イリナ様!!!」
今度は私が滑って落ちてしまった。何でここだけ滑りやすくなってるのよ!また魔法を…
「ゆ、床よ!!…あれ?」
魔法をかけた訳では無いのに、何か柔らかいものに包まれている。てか、浮いてる!?え、なんで???
「まったく、イリナは危なっかしいですね」
この声は……王子!!!どうやら王子が魔法で助けてくれたようだ。てか、来るの遅いんだけど!メイさん落ちちゃったし。いやまぁ、助かったんだけども。
私はぷかぷか浮かびながら王子の腕の中に収まった。お姫様抱っこはいいから下ろしてくれ。
「あの王子…。下ろしてくださいませんか?」
「また転ぶかもしれないでしょう?あと、念の為保健室に行きましょうか」
おいおいまじかよコイツ。このまま連れていく気かよ!
「いえ、足は痛くないし捻ってないので大丈夫です。下ろしてください」
「…」
「聞いてますか?下ろしてください、ちょ、下ろせって!おいクソ王子!!」
私の「下ろせぇぇぇ!!」という声が断末魔となって建物中に響き渡った。作戦は失敗。次こそ必ず…!
「は、はい。なんでしょう」
私が呼び止めたのはこの学園で1番小さくて可愛らしいメイ・ギャレットさん。いわゆるドジっ娘で、よくトラブルを起こしている。
「ちょっとお聞きしたいのだけど、あのクソ…失礼、王子様のことどう思ってらっしゃるかしら」
「えぇと、とてもかっこよくて勉強もできて…素晴らしい方だと思いますわ」
危ない、日頃のくせが出るところだった。しかし、メイさんからクソ野郎の好感度はまあまあ良い方なのを確かめられてよかったわ。
「そうなのね~。あ、そういえばドーキンス先生が貴女のこと呼んでたわ。たしか職員室に来て欲しいみたいよ」
「?わかりました」
よし、なんとか2人が出会う状況を作れた。もちろん先生が呼んでいたなんて嘘である。
作戦はこうだ。
まず、メイさんが階段でコケる。あの子のドジ具合ならいけるでしょ。昨日もコケてたし。
次に、そこに王子が現れる。昼のこの時間は王子が図書室に行く。普段私たちがいる講義棟から図書室と職員室がある教育棟に行くには、渡り廊下を通ってこの階段を登らなくてはいけない。メイさんは教育棟の3階から1階の職員室へ、王子は講義棟1階から教育棟3階へ。絶対にすれ違う。
最後に、王子がメイさんを助けて恋に落ちる。メイさんが王子にときめいたら、あとは私がいい感じにしてくっつけさせれば勝ち。
なんて完璧な作戦なの?!!天才よ私!!
私は急いで走っていったメイさんの後を追う。
「急がないと…って、きゃあ!!!??」
案の定、つまづいて階段から落ちた。よしここで下に王子がいれば…っていない!嘘でしょー!!このままじゃあの子が…ええいままよ!
「床よ!柔らかくなーれ!」
私はとっさに魔法でメイさんの下の床を柔らかくした。この前実習で柔らかくする魔法を学んでてよかったぁ。まあ一瞬柔らかくなるだけなんだけど!
「メイさん大丈夫かしらって、ぎゃあああああ!!!」
「イリナ様!!!」
今度は私が滑って落ちてしまった。何でここだけ滑りやすくなってるのよ!また魔法を…
「ゆ、床よ!!…あれ?」
魔法をかけた訳では無いのに、何か柔らかいものに包まれている。てか、浮いてる!?え、なんで???
「まったく、イリナは危なっかしいですね」
この声は……王子!!!どうやら王子が魔法で助けてくれたようだ。てか、来るの遅いんだけど!メイさん落ちちゃったし。いやまぁ、助かったんだけども。
私はぷかぷか浮かびながら王子の腕の中に収まった。お姫様抱っこはいいから下ろしてくれ。
「あの王子…。下ろしてくださいませんか?」
「また転ぶかもしれないでしょう?あと、念の為保健室に行きましょうか」
おいおいまじかよコイツ。このまま連れていく気かよ!
「いえ、足は痛くないし捻ってないので大丈夫です。下ろしてください」
「…」
「聞いてますか?下ろしてください、ちょ、下ろせって!おいクソ王子!!」
私の「下ろせぇぇぇ!!」という声が断末魔となって建物中に響き渡った。作戦は失敗。次こそ必ず…!
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