召喚勇者と関西弁エルフ

えびまる

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本編

プロローグ

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 ――俺はある時、足元に現れた大きな魔法陣によって異世界に召喚された。

 問題のある両親の元でネグレクトを受けていて、気が付いた近所の人の通報で施設に引き取られて育った。
 18歳になる前に施設を出る準備も終えていた。
 そんな18歳を迎える年の3月、施設の皆に別れを告げ、新しい自分の家に向かう道中だった。

 バイトの合間に勉強のため通った図書館で、息抜きに読んでいた異世界召喚物の中には悪い国に召喚されてしまう物もあったけど、話を聞く限りこの国は善良な王が最終手段で異世界からの勇者を召喚したようだった。

 眩い光の中目を開けると早々に、この国の宰相を名乗るイケおじに簡潔だが丁寧に国や、今の俺の状況の説明を受けた。魔族に滅ぼされそうな世界を救って欲しいらしい。これまたよくあるんだかないんだかな感じだ。
 最後に王と名乗ったイケおじが目の前に現れ

「貴殿には本当に申し訳無い事をしているとは、わかっている……。だがっ、私たちにはもうこれしかないのだ、どうか、どうか……っ!」

 と床に額を擦り付ける勢いで頭を下げた。
 すると後ろに控えていた王妃に王子、お姫様、宰相や騎士と思われる人々、俺以外の全ての人が俺に向かって頭を下げたのだ。

 あまり物事に動じるタイプではない俺もさすがにビビったのですぐに頭を上げてもらったのだが、改めてよく見ると王をはじめとした皆の顔は、隈が酷いし頬もコケている。
 皆が皆疲れ果てているところ、召喚儀式のために身なりを整えたであろう事が推測出来た。

 とりあえず悪い国に利用される……という感じでは無さそうだ。
 悪い国の王は魔族に攻められて困っていると言う割に、王族だけはでっぷりと肥え、装飾にはギラギラの宝石がー、というのがテンプレだったように思う。
 そんな感じは一切しないし、そう見えないようにこの場だけ取り繕っているようにも見えなかった。

 どうせもう、元の世界には戻れないし、こんな魔族が攻めてくる所に住んでいても平穏に生きていけるかわからないなら、最低限の努力はしてもいいかもしれない……、と必死で頼み込んでくる人達を見て思ってしまったので魔族討伐の依頼を受けることにした。

 最低限の2ヶ月の戦闘訓練を受け、頼もしい仲間を付けてくれるとのこと。
 本当は騎士団を丸ごと付けたかったらしいが、そうなると食糧や荷物が大変なことになってしまうし、攻め込まれて来た時に、太刀打ち出来なさすぎても困るとのことで(そりゃそうだ)RPGなんかでもおなじみの少数精鋭パーティになりそうだ。


 そんな感じで俺の新しい人生は幕を開けたのだった。

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