召喚勇者と関西弁エルフ

えびまる

文字の大きさ
2 / 80
本編

マッチョに合法ショタ、そしてエルフ

しおりを挟む

「いやぁー、さすが勇者様だな!ハヤト!2ヶ月ぽっちでこんなに戦えるようになるとは!」
「はぁっ、はぁっ……いや、みんなの教え方がいいんだよ」

 身長と同じぐらいの長さと胴体ぐらいの幅のある剣を、どしん!と地面に突き刺し、なんとか戦える様になったものの、体力の無さから息が上がる俺を見下ろしながらハッハッハ!と豪快に笑っているのは騎士団長であり、旅の仲間1人目のゴウシュ。28歳。

 180cmある俺よりもさらにデカく、身体もムキムキマッチョなゴウシュは、赤く燃えるような色の髪は後ろに豪快に撫で付けられていてライオンみたいだ。
 見た目も中身もワイルドで豪快で、だけど頼りになる兄貴肌。男が憧れる男、いや、【漢】という感じ。
 金色の瞳は訓練中は鋭く隙がないが、それ以外の時は太陽の様に覇気のある輝きがある。

 事ある毎に俺を気にかけ、声を掛けて輪に入りやすくしてくれたり、戦闘の訓練はもちろん、2ヶ月しかいないとはいえ城内で肩身が狭いことのないようにさりげなく気を配ってくれたのはゴウシュだ。

 最初の頃は敬語を使っていたのだが、
「長ぇ旅の仲間になるんだ、そんな堅苦しいのはやめろ!お前は勇者なんだ、上も下もねぇよ!」
 と敬語を使う度に言われたので、年下だし、教えてもらう立場ながらタメ口を使っている。

「いやはや、我もハヤトはさすが勇者サマだと思うぞ?魔法がない世界から来たとは誰も思えんセンスよ」

 そう言いながらゴウシュにおぶさりひょこっと顔を出すのは、魔法使いのミーグ。
 腰まである紺色のローブに膝が丸見えの短パン。
 水色のサラサラの髪がキュートなどう見ても中学生ぐらいの男の子なのだが、妖精族という種族は成人してもしばらくは幼い容姿のまんまの様で、ミーグはなんと120歳。人間に換算しても30歳位にはなるらしい。
 喋り方はまんまおじいちゃんなのに、合法ショタとはこの事か……と最初に出会った時はすこし感動した。のじゃショタ……?ミーグは魔法使いを纏めている魔塔の長で国1番の魔法使いらしい。

「フィーネもそう思うであろう?」

 そう、感動したと言えば、もう1人。
 ゴウシュの斜め後ろで控えめに微笑んでいるその人は、絹の様なキラキラと光る金色の腰まである髪、新緑の様なキラキラとした瞳。
 まさに歩く芸術品。美しさの塊。そしてファンタジー好きなら絶対に知っている尖った耳が特徴の種族、Theエルフ。フィーネだ。

「うん、ハヤトすごい」

 にこにこと笑って頷くフィーネは、まんまファンタジー作品に出てくるようなエルフで、治癒魔法や弓が得意だ。
 性格はほんわかしていて控えめで、作品でよくみるエルフみたいに他の種族を見下していたりとかは全然ない。
 最初に挨拶をした時は本当に存在するんだ……!とひどく感動した。

 後から聞いたら緊張していただけらしいが、真顔でこちらを見ているフィーネを見た時は
「これだから短命種族は……」とか「必要以上に話しかけないでください、世界を救うために仕方なく下等種族に手を貸しているだけなのですから」とか言っちゃうタイプのエルフかと思ってドキドキしてしまった。

 でもまったくそんな事はなく、口数は少ないが友好的でにこやかなほんわか美人だ。フィーネはどこに所属しているとかではないらしいが、ミーグの古い友人みたいなものでミーグの頼みでこのパーティを手伝ってくれることになったそうだ。
 歳は110歳。地球で施設の隣に住んでいたじいちゃんは83歳と言っていたので年齢を意識すると頭がこんがらがってしまう。

 そんな凄い3人と俺の4人でパーティを組むことになった。
 この2ヶ月俺はせめて足を引っ張らない様に必死で勉強も訓練もしたのだった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

趣味で乳首開発をしたらなぜか同僚(男)が近づいてきました

ねこみ
BL
タイトルそのまんまです。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

大好きな兄ちゃんにアナニーをみせる弟!

ミクリ21
BL
お兄ちゃんにアナニーをみせる弟の話。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

処理中です...