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本編
スパルタ師匠ズと癒しの天使(エルフ)
しおりを挟むみっちり2ヶ月扱いてもらい、ゴウシュとミーグに合格点を貰ったのでそろそろ旅に出ようか、ということになった。
フィーネにも息抜き程度に弓を教わっていたのだが、実際俺に合う武器は剣と攻撃魔法だったのであまり直接関係がなかったが、訓練を見たりしてくれていたので合格点か確認してみたら、ふんわりと微笑みながら頷いてくれた。
国から補助金と装備一式をそれぞれ誂えてもらい、準備も整ったのでいよいよ旅が始まる。
――
王都から魔王が潜伏しているだろう城までは、約半年~1年程はかかるだろう、との見立てだった。
モタモタしている暇はないが、魔獣の被害にあった街や村も少なくは無い。
被害状況の確認と情報収集もかねて、近くの街や村に立ち寄りながら進んでいく方向に決まった。
王都から離れて暫く経つと、ちらほらと魔獣が出てくるようになった。
あまり強くない魔獣の時は、ゴウシュとミーグに指示して貰いながら1人で戦っている。
「ハヤト!気を抜くな!」
「右からもう1匹くるのだ!!ほれ!そやつは火が苦手だぞ!」
「ファイアーボール!」
「おぉー、コントロールばっちりじゃねぇか!」
「なかなかよかったではないか、ハヤト」
「はぁっ、はぁ……」
この日は額から角が生えたデカイうさぎみたいな魔獣を一気に5匹相手にさせられた。
ゲームだとこちらのターンが終わるまで待っていてくれるが、現実ではそうはいかない。
集中力を切らさないようにしながら1人で5匹相手にするのには、まだまだ余裕が足りなかった。
魔獣はトドメを刺すと、紫の霧のようになって消える。その時に何故か皮や角などのゲームでいう素材だけが残る仕組みになっていた。
解体したり、血の匂いにつられて他の魔獣が寄ってきたり……という事がないらしいのは有難い。
騎士団長と魔塔の長はスパルタなので、この位の魔獣相手ではマジで手を出して来ない。
本当にピンチになったら助けてくれるのだとは思うけど……。多分。
でも騎士団長と魔塔の長、エルフ。
この3人に並び立つには俺は圧倒的に経験値不足だと分かっているので、歯を食いしばって食らいつくしかない。
根性を入れ直すように短く勢いよく息を吐き出し、顔を上げると、眉毛を八の字に下げたフィーネがこちらを見ていた。
「……ハヤト、大丈夫?」
「うん、大丈夫。はぁー、俺もまだまだだよな。この位で息切れなんかして」
「ううん、ハヤトはよく頑張ってる。経験は積まないことにはどう……どうしようもないから」
「うん、ありがとう」
こうして優しく微笑みかけてくれるフィーネは、何となくだけどたまに話しづらそうに口をモゴモゴさせる。
遠目で見掛ける限りでは、ゴウシュとミーグとは普通に楽しそうに話してるのに。だ。
嫌われてるのかな、とか一瞬思ったけどそれにしてはにこにこと笑顔は向けてくれているし、もしかしたら少し人見知りなのか、それか俺が不甲斐なさ過ぎて言葉を選びまくってくれているのかもしれない。
……そうだとしたら申し訳なさ過ぎる。
ゴウシュやミーグは師匠的立場なのでとりあえず置いておいて、フィーネには頼りになると思われたい。
フィーネが俺を見ていてもハラハラしないようにするのが当面の目標になった。
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