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本編
ふわふわエルフと轟く爆音
しおりを挟む昼食を取ったあとは魔道具探しだ。
「んー、マナキャンディと浮遊ランタン……防御力や魔力補助の道具とかも必要かのぉ……」
「俺は団で支給される魔道具以外はさっぱりだからなぁ」
「ハヤトは?なんか欲しいやつある?」
「うむ!ハヤトには素早さを上げる魔道具とあとはまだ魔力が不安定な時がある故、一応安定の腕輪が必要じゃな!」
フィーネが俺に話を振ってくれたが、何故かミーグが返事をした。
ミーグはグラズに入ってからずっとテンションが高い。魔法使いだし、やはり魔道具も好きなんだろうか。
「俺はよくわかんないからミーグに任せるよ」
「うむ!まかされたのだ」
得意げな顔で頷くミーグにフィーネもふわふわと笑って頷いた。
――
賑やかな通りを歩いていると、ケモ耳やしっぽの生えた人、角や羽根がある人、色んな人がいて、やはり異世界なんだな、と実感する。
匂いや音なんかも日本とは違っているが、生活をしている人がいるのは変わらない。
笑っていたり、怒っていたり。
俺からしたら異世界だけど、夢やゲームなんかじゃない、ちゃんと現実だ。
守らないと。
……そんな異世界代表的存在で俺の隣を歩くエルフ様は、昼食中からなんとなく様子がおかしい。
目が合うとパッと逸らされるのに見られてる感じはするし、話し掛けると声も上ずっている気がする。
箸もあまり進んでなかったような……?
(なんかあったっけ……)
今日の移動は距離はあったが、そんなにハードじゃなかったしバテてる感じでは無い。
けど、なんか変だ。
いつもふわふわほわほわしているけど、今日はさらにふわふわしている。心ここに在らず的な。
案の定、人が多くなった通りで前から来た人にぶつかりよろけていた。
「大丈夫?」
咄嗟に手を伸ばして腕を取る。
「あっ、う、ん……ありがと……」
その声はやけに小さくて、少し顔が赤く見えた気がした。
今日はやけに顔が赤いし、熱があるとか?
「ひっ……」
フィーネのまあるくて綺麗なおでこに手を当てても熱があるようには感じなかったが、更に顔が赤くなっている。
「熱は無いけど……暑い?疲れた?」
「うっ、ううん!めちゃくちゃ元気……!」
「そう?」
フィーネが元気ならいいんだけど、何なんだろう。
もしかしたら本人も分かってないかもしれないし、新しい街でそわそわしているだけなのかもしれない。
再び手を取り歩き出し、何気なく隣を見ると、口元を押さえながら嬉しそうに笑っていた。
楽しいならいいか。
――
色んな店を覗きながら街を探索していると、奥の方から突然『ボンッ!!』と派手な音が響いた。
その音はやがて連続し、大きく響きはじめる。
「なんなのだ?!」
「爆発か?」
4人で視線を合わせて音の方に駆け出していくと、前方から逃げてくる人々が叫んでいる。
「魔道具の暴発だ!!」
「早く逃げろ!!」
その中でゴウシュが1人の青年に声をかけた。
「暴発だって?」
「そうだ!今技師っぽいやつが抑え込みに行ってるがどうなるかわからねぇ!アンタらも早く逃げろ!」
「わかった、ありがとな!」
わかった、とは言っても、当然逃げる訳にはいかない。人がいるなら尚更だ。
前から必死で走って来る人々を避けながら足を早めた。
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