召喚勇者と関西弁エルフ

えびまる

文字の大きさ
56 / 80
本編

昇愛の階段4

しおりを挟む

 何度もちゅっ♡ちゅ♡とキスをされているうちに、今いる段の高さはまた上がっていたのだが、ハヤトが中々離してくれない。

「んはッ、ハヤト……!」

 フィーネは、口が離れたタイミングでやっとの事で声を掛けた。

「あー、ごめん」

 ハヤトは決まりが悪そうにフィーネから少し距離を取る。

「や、あの……キスが嫌とかじゃないから……」
「うん、ありがと」

 ニコッと笑ったハヤトの顔に、フィーネは自分の胸にハートの矢が刺さった幻覚が見えた。

 (かわいいのんはどっちやねん……!)

 そのまま再び2人で段を上がる。
 次は4段目、段が上がると共に濃度が上がっていく指令に2人は少し緊張しながらも、心のどこかでは何かを期待してしまっている。

 キスのし過ぎで、熱を感じる唇を意識し過ぎないように、2人は神妙な面持ちで指令を待った。

 その時。
 
 プシュー!!!!

 頭上からピンク色の霧が噴射され、完全に油断しきっていた2人は思いっきり吸い込んでしまった。

「ゴホッゴホッ……!ほんまさいあく……!」
「くっ……そ、油断してた……ッ」

 咳き込みながら無理矢理目を開けると、再び指令が浮かび上がっていた。

 『深く唇を交わし、愛を確かめよ』

 フィーネがその言葉を噛み砕く前に、ハヤトの手がそっと頬に添えられる。

「……フィーネ、目、閉じて」

 触れられた頬も、ハヤトの手も熱い。
 少し低くなったハヤトの声に背筋がゾクッと震え、自然とまぶたが降りてくる。
 次の瞬間、そっと唇が重なった。

 ハヤトの舌がそっとフィーネの唇をなぞる。
 それに従って薄く口を開けると、ぬるりとハヤトの舌が口内に入ってきた。

「っ……」

 思わず逃げるように引っ込めてしまった舌は、すぐハヤトの舌に捕まり、優しく絡みつかれる。

「んぅ、ん……っ♡」

 くすぐったいような、とろけるような感触に、フィーネの息はどんどん甘くなっていく。
 歯の付け根や、上顎、そして舌の先。全てにハヤトの舌が触れていく。
 身長差のせいで流し込まれた飲み込みきれなかった唾液が、フィーネの口から零れていた。

「ふぁ♡ん、んちゅ♡……んっ♡んぅ♡♡」

 フィーネは必死に息継ぎをするが、キスはどんどん深く、激しくなっていく。
 ガクガクと震える足、勝手に跳ねる身体、頭に響くいやらしい水音がフィーネの理性をどんどん溶かしていった。

 ハヤトもハヤトで、フィーネの反応を見ながらも、どんどんキスに溺れていった。
 勇者補正なのだろうか、フィーネが感じる場所が手に取るようにわかる。
 背中に回していた手が自然に降りていき、背中から腰へ、そして柔らかく丸いお尻まで静かに撫ぜていた。

「あっ♡はぁっ♡……んちゅ♡はやとぉ♡♡」

 フィーネは喘ぐような声を抑えられず、ハヤトの胸元の服をキツく握りしめている。

 その時プシュー!と再び霧が2人の上から降り注いだ。
 1度着いた火に燃料を注ぐように、身体の中の熱は更に大きくなる。

「あっ♡やぁ♡これ、もぉむりぃ……っ!♡」

 足が崩れ落ちそうになるフィーネを、ハヤトはしっかりと支えた。
 見下ろす瞳はギラギラと熱を帯びていて、その視線だけでもフィーネは腰を震わせる。

「……大丈夫?」

 言葉は優しいはずなのに、キスは止めてくれなかった。舌が再び絡み合い、もう何も考えられない。

 (たべられちゃう)

 それでも怖くなかった。
 むしろ、ハヤトに全てを明け渡したくなってしまう。
 フィーネはハヤトに甘えるように身体を擦り寄せた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

趣味で乳首開発をしたらなぜか同僚(男)が近づいてきました

ねこみ
BL
タイトルそのまんまです。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

大好きな兄ちゃんにアナニーをみせる弟!

ミクリ21
BL
お兄ちゃんにアナニーをみせる弟の話。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

処理中です...