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交渉
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俺は今猛烈に疲れてます。それは遡ること数日前…
「それじゃあ魔人の住処に行ってみましょうか。因みに例の話の準備って終わってますか?」
「あぁ。既にマスターには伝えている。だが本当に大丈夫なのか?これで交渉になるとは思えないのだが…」
「だからこそ向こうのほうに出向くんですよ。交渉を成功させるためにね。いいですか?まず人がアクションを起こす時必ず動機が存在します。つまり、その動機を探してそれに適する解決案を出すことが出来れば交渉は成功しやすくなります。つまり、交渉をするならまずは相手を知ることが肝心なんです。」
「なるほど、だから魔人の住処に行くのだな。だがどうしてそのようなことを思いついたのですか?」
「たまたまです」
たまたまといえばたまたまだけど…これは実際には向こうの世界で学んだことを引っ張り出しただけ。まさか母親に騙されないように学んだことがこんなところで活躍するとは思いもしなかった。まぁ…ナイス!昔の俺!
「そうですか。あ、あそこが魔人の住処です。少し一昔前の村に似ています…」
「そうですねぇ…藁と木でできた家に…整ってない街道…確かにそうかも知れないですね…」
「何者だ!ここへ来た目的はなんだ!」
「ゆ、悠人さん!魔人です!俺の後ろに!」
「大丈夫です。そのための準備でしたから。こんにちは。魔人さん。よければここの長と話がしたいのですが?よろしいでしょうか?」
「長なら俺だが。お前たちは何をしに来た。ふざけた事をぬかせばお前たちの首を切るぞ?」
「果たしてそれができますか?我々を殺せば討伐隊が出向いて来るでしょう。つまりあなたの決断次第でここにいる全ての魔人が討伐される訳です。あなたなら分かるでしょう?我々を殺しても得がないことは。ですから普通に話し合いをしませんか?」
「貴様!…だが貴様の言うことは正しい…仕方ないお前たちとの話し合いに応じよう。で、何が目的だ…貴様」
「取り敢えずお互い先ずは挨拶をしましょう。話し合いの場で名前が分からないのは不便ですから。では先ず私から。私は蒼野悠人です。今日はあなた方との話し合いに参りました。」
「俺はこの近くの商業の町のギルドマスターをしているディズだ。」
「変わった事を気にするな…まぁいい。俺は魔人族の長ハルヘナだ。それで、商業の町ってことは…ここからの退去を命じる気か?」
「家。違いますよ。してほしいことはこの紙にサインしてほしいんです。内容はそちらで確認してみてください。」
「あ、あぁ。…これはどう言うことだ?町への不可侵条約…だと?」
「えぇ。まぁ、正規に来ていただくのは構いませんよ?但し、問題を起こさないこと。これは守っていただきますが。そして、ここからが本題です。もしこちらにサインしていただけるなら貴方方に働き口の紹介…勿論給金も出ます。それから、食料の提供もしたいと思うのですが」
「…なるほど…それなら我々でも出すことが可能だな。ハルヘナさん…だったか?これは俺からも約束しよう。あともう一つつけよじゃないか。我らの町の通行証をここ全員に配ろう。そうすれば食だけでなく家も提供できるぞ。今魔人族もそんなに多くないだろう?」
「なぜこんな高待遇を?それに俺たちが食と住居に困っているとなぜわかった?」
「住民の体つきかな。もう一つは知能があるのに家が外から見た時旧式だったから。だからこそ困ってると判断しただけです。」
「その条件だと俺たちだけが得しているだけの様に聞こえるが?」
「それは違いますね。少なくともこっちは人が来なくて困ってたんだよ。だから絶対安全な町尚且つ商業が発展してるとなればうちには最終的には利益がある。まぁそんな話です。」
「案外したたかな野郎だな。あんたは。だがその話は乗らせてもらう。こんなにいい話は無いからな。」
「じゃあ人数教えてもらっていいですか?」
「生き残りは俺を含めて16人だけだ。」
「なら大丈夫そうですね。」
こうして話し合い派終わったのだが問題はそのあとだった。ギルドマスターを通して住民に話をしたところ魔人族と言う人材は引く手数多だった。つまり誰をどこに入れるかで迷いに迷ったのである。そして、長はと言うと…
「悠人さんお疲れ様です。こちら紅茶と本日のおやつのベアーズクッキーのバタークッキーです。…どうかされましたか?悠人様」
「いや…なんであんただけうちで従者?なんかしてるのかな…と」
「それでしたら私はあなたに恩を感じてますから。それで、ですね。我々は貴方に大変感謝しています。まさか我々の事を認めそれに衣食住全てを提供してくださったのですから」
そう…なぜか本当に不本意だけど長のハルヘナは俺のお目付役…違うな…あぁ。お世話係を名乗り出たのだ。その希薄に負けOKしてしまったのだ…だけど…
「紅茶が美味い…」
彼は紅茶を淹れるのが上手かった…。それで辞めさせられず今に至るわけです。けどそのお陰か今町は活気にあふれている。けどまだ足りない…父さんならもっと上手い手を考えるはずだ。早く次の手を打たないと。そう思うと気が気でない。
「悠人様はまだこの町の発展の事を考えてらっしゃるのですか?」
「まぁここを発展させていつかはもっと栄えているところに負けない様な場所を作りたい。そう思ってるからね。ハルヘナ。美味しい紅茶ありがとう。すごい美味しかったよ。また淹れてくれると嬉しいな」
「はい!また淹れます!」
かくして我が家に新しい人が増えた。今回は成功したと言える。さて次はどうやってこの町発展させようかな…
『ところでお前最近学院どうした?』
「あ…」
へんなところでしまらない悠人なのであった。
「それじゃあ魔人の住処に行ってみましょうか。因みに例の話の準備って終わってますか?」
「あぁ。既にマスターには伝えている。だが本当に大丈夫なのか?これで交渉になるとは思えないのだが…」
「だからこそ向こうのほうに出向くんですよ。交渉を成功させるためにね。いいですか?まず人がアクションを起こす時必ず動機が存在します。つまり、その動機を探してそれに適する解決案を出すことが出来れば交渉は成功しやすくなります。つまり、交渉をするならまずは相手を知ることが肝心なんです。」
「なるほど、だから魔人の住処に行くのだな。だがどうしてそのようなことを思いついたのですか?」
「たまたまです」
たまたまといえばたまたまだけど…これは実際には向こうの世界で学んだことを引っ張り出しただけ。まさか母親に騙されないように学んだことがこんなところで活躍するとは思いもしなかった。まぁ…ナイス!昔の俺!
「そうですか。あ、あそこが魔人の住処です。少し一昔前の村に似ています…」
「そうですねぇ…藁と木でできた家に…整ってない街道…確かにそうかも知れないですね…」
「何者だ!ここへ来た目的はなんだ!」
「ゆ、悠人さん!魔人です!俺の後ろに!」
「大丈夫です。そのための準備でしたから。こんにちは。魔人さん。よければここの長と話がしたいのですが?よろしいでしょうか?」
「長なら俺だが。お前たちは何をしに来た。ふざけた事をぬかせばお前たちの首を切るぞ?」
「果たしてそれができますか?我々を殺せば討伐隊が出向いて来るでしょう。つまりあなたの決断次第でここにいる全ての魔人が討伐される訳です。あなたなら分かるでしょう?我々を殺しても得がないことは。ですから普通に話し合いをしませんか?」
「貴様!…だが貴様の言うことは正しい…仕方ないお前たちとの話し合いに応じよう。で、何が目的だ…貴様」
「取り敢えずお互い先ずは挨拶をしましょう。話し合いの場で名前が分からないのは不便ですから。では先ず私から。私は蒼野悠人です。今日はあなた方との話し合いに参りました。」
「俺はこの近くの商業の町のギルドマスターをしているディズだ。」
「変わった事を気にするな…まぁいい。俺は魔人族の長ハルヘナだ。それで、商業の町ってことは…ここからの退去を命じる気か?」
「家。違いますよ。してほしいことはこの紙にサインしてほしいんです。内容はそちらで確認してみてください。」
「あ、あぁ。…これはどう言うことだ?町への不可侵条約…だと?」
「えぇ。まぁ、正規に来ていただくのは構いませんよ?但し、問題を起こさないこと。これは守っていただきますが。そして、ここからが本題です。もしこちらにサインしていただけるなら貴方方に働き口の紹介…勿論給金も出ます。それから、食料の提供もしたいと思うのですが」
「…なるほど…それなら我々でも出すことが可能だな。ハルヘナさん…だったか?これは俺からも約束しよう。あともう一つつけよじゃないか。我らの町の通行証をここ全員に配ろう。そうすれば食だけでなく家も提供できるぞ。今魔人族もそんなに多くないだろう?」
「なぜこんな高待遇を?それに俺たちが食と住居に困っているとなぜわかった?」
「住民の体つきかな。もう一つは知能があるのに家が外から見た時旧式だったから。だからこそ困ってると判断しただけです。」
「その条件だと俺たちだけが得しているだけの様に聞こえるが?」
「それは違いますね。少なくともこっちは人が来なくて困ってたんだよ。だから絶対安全な町尚且つ商業が発展してるとなればうちには最終的には利益がある。まぁそんな話です。」
「案外したたかな野郎だな。あんたは。だがその話は乗らせてもらう。こんなにいい話は無いからな。」
「じゃあ人数教えてもらっていいですか?」
「生き残りは俺を含めて16人だけだ。」
「なら大丈夫そうですね。」
こうして話し合い派終わったのだが問題はそのあとだった。ギルドマスターを通して住民に話をしたところ魔人族と言う人材は引く手数多だった。つまり誰をどこに入れるかで迷いに迷ったのである。そして、長はと言うと…
「悠人さんお疲れ様です。こちら紅茶と本日のおやつのベアーズクッキーのバタークッキーです。…どうかされましたか?悠人様」
「いや…なんであんただけうちで従者?なんかしてるのかな…と」
「それでしたら私はあなたに恩を感じてますから。それで、ですね。我々は貴方に大変感謝しています。まさか我々の事を認めそれに衣食住全てを提供してくださったのですから」
そう…なぜか本当に不本意だけど長のハルヘナは俺のお目付役…違うな…あぁ。お世話係を名乗り出たのだ。その希薄に負けOKしてしまったのだ…だけど…
「紅茶が美味い…」
彼は紅茶を淹れるのが上手かった…。それで辞めさせられず今に至るわけです。けどそのお陰か今町は活気にあふれている。けどまだ足りない…父さんならもっと上手い手を考えるはずだ。早く次の手を打たないと。そう思うと気が気でない。
「悠人様はまだこの町の発展の事を考えてらっしゃるのですか?」
「まぁここを発展させていつかはもっと栄えているところに負けない様な場所を作りたい。そう思ってるからね。ハルヘナ。美味しい紅茶ありがとう。すごい美味しかったよ。また淹れてくれると嬉しいな」
「はい!また淹れます!」
かくして我が家に新しい人が増えた。今回は成功したと言える。さて次はどうやってこの町発展させようかな…
『ところでお前最近学院どうした?』
「あ…」
へんなところでしまらない悠人なのであった。
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