家出少年だったけど異世界では割と有名らしいから悠々自適に暮らそうと思う

アサ

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商業都市を改革せよ!

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入学式の後日。今日は初の登校日である。悠々自適に暮らそうと思っていた少年は何故か全然悠々自適には暮らせていない。それどころか自ら問題に足を突っ込んでいる。所謂某『体は子供中身は大人な名探偵』のように行く先々で色々なものに巻き込まれる。果たして彼に平穏な生活は来るのだろうか……。今日はそんな彼のお話である…………。
皆さんこんにちは……何故か最近忙しい悠斗です。まぁけど同年代の友達が出来たのは嬉しいですけどね!
実はあれからエリト以外にも友達ができたんです!で、それでわかった話がこの街には貴族がいないってこと。あと冒険者ギルドの本部?のようなものがここにあるってこと。実際はこれしか分かってないけど…見てて思ったことを合わせると…何故か商人の街と言う割にはそこまで栄えて無い。つまり父さんが来るまではこれより酷かったってことになる…いったいどうやったらそうなるんだろうか……全く想像がつかないけど…実は今日冒険者ギルドに呼ばれているんだ。冒険者ギルドもそこまで大きい訳では無いっぽいけど…けど俺がなんで冒険者ギルドに呼ばれたんだろ…それより今日学校あるんだけどな…まぁ学校行って説明してから来たからいいけど…。
「ここが冒険者ギルドかな?…大きいわけじゃないと言うけど…大きくない?」
そう。小さいと言う割に大きいのだ。だいたい…前の世界で言う東京駅ぐらいの大きさはありそうだ。確かに学院に比べたら小さいかもしれないけど…他に比べれば格段に大きい。
「まぁいいか…これって入って大丈夫だよね?入った瞬間なんかありましたとか嫌だよ?って言っても入らなきゃいけないのか……はぁ……まぁいっか。失礼します…」
そう言うと扉を開け………
「ん?開かない…何この扉…重っ!」
そう。この扉は重かった。そのせいか俺は腰をやった。
「痛っ……やったやった……腰やったって……マジでやらかした……腰はダメでしょ腰は」
「坊主。どうかしたのか?そんな所でうずくまってるが」
「少し腰をやってしまって……」
「あぁ。その扉か。ここ来たの初めてか?」
「えぇまぁ。この扉何なんですか?」
「それは俺たち冒険者が入る為の入口さ。来客用は隣だ」
「……そうなんですか…これどういう仕組みですか?」
「仕組みも何も無ぇな。これ単純に力があれば開けられるぞ」
「え?つまり俺貧弱ってこと?」
「どうだろうなぁ…この扉40kgぐらいあるからな」
「すごい重いですね……まぁ次は油断しません…よっと……」
そう言うと普通に開けられた。
「……へ?坊主すげぇな!?そんな貧弱そうな身体してるのによ!」
「なんかそも言葉傷つくなぁ。まぁ確かにつきにくい身体なんだけど…え?これ頑張れば開けられるやつじゃないの?」
俺は普通に身体は鍛えてはいたんだけど、どうやら本当に筋肉がつきにくいらしく周りからは「剣道やってるくせに体がヒョロイよな」とよく言われていた。それをまさか異世界に来てまで言われるとはおもいもしなかった。
「普通開けられねぇよ!あ、だが学院のやつなら開けられるかもしれねぇな…おめぇもしかして学院生か?」
「今年入ったんですけど一応学院の生徒ですね」
「そりゃすげぇな。エリートってわけかい」
「どういうことですか?」
「まぁ簡単に言えばな?あそこの学院に合格できなかった奴らは大抵ウチらのギルドがやる冒険者育成の学校に入るんだよ。で、まぁほとんどがこっちに来るって訳だ」
「なるほど…だからエリートって言ったんですか。あのもし良ければなんですが…ギルドマスターに会いたいんです。その方に呼ばれてるので…」
「ん?俺がギルドマスターだが……あんたもしかして……蒼野悠斗か!?」
「そうだけど…なんで呼ばれたんでしょうか?」
「よく来てくれた!さ、中入ってくれ。俺の部屋に案内させてもらう!話はそれからだ」
「あ、はい。分かりました」
そう言うと俺は普通に部屋に通された。けどホントになんで呼ばれたんだろう……んー…父さん関係の話かな?そう思っていると……お茶がでてきた。どうやらもてなされているようです…。
「さ、まぁゆっくりしていってくれ。まぁボチボチ話に入っていこうか。まぁ一応名乗らせてもらうな。俺はギルドマスターのディズだ。よろしく頼む」
「あ、はい。俺は悠斗です。よろしくお願い致しますディズさん」
「じゃあ本題に入らせてもらうぞ。貴方ははあのマサユキ様のご子孫なのか?」
「確かに昌幸は俺の父親ですが…父さんはここで何をしたんですか?」
「本当にご子孫だったのか!だが貴方は昌幸様の功績を知らないのですか?」
「まぁそうですね…全く知らないです。なんたって俺が5歳の頃には父さんはいなかったので。そんなこと知る由もないです。あと、貴方とかそういうの辞めてください。普通に悠斗って呼んでくださいあまりそういうものに慣れてないので…」
「貴方がそれで良ければそう呼ぶが…」
「はい。それでお願いします。それで話とはなんでしょうか?」
「あぁ。そうだったな。実はあんたがかの昌幸様のご子孫である事を見込んでこの街の発展に助力して欲しいって話しだ。」
「……なるほど…ですがここって商業の街って呼ばれるぐらいですよね?」
「そうだな…まずはそこから話すとするかね。確かにこの街は商業の街って呼ばれてるがな?それは西の大陸限定の話だ。他の大陸を含めばこの街より栄えた場所なんてごまんとある。そういうわけでこの街は実はそんなに金がない!」
「え?それならどうやってあの学院の特待制度賄ってるんですか!?」
「流石にそこをまわすだけの資金はあるんだがな?観光客とかが来ないもんでな?資金は増えないんだ」
「あぁ…なるほど、そういう訳ですか。なら何でここに観光客が来ないのですか?」
「理由は簡単だ。実はこの街の近くに魔物が住んでいてな…それで恐れて来ないって訳だ」
「……あのここって自由組合ギルド本部があるんですよね?なら討伐すればいいだけでは?」
「それは無理だな」
「何故ですか?」
「何故って…相手が魔人族だからだ」
「魔人族?それってそこまで危険なんですか」
「当たり前だ!」
どうやらまた俺とこの世界の人との認識の違いがあるらしい。
「すいません。あまりそういう基準が分からないのでまずそこから説明願えますか?」
「そういうことかい。なら説明してこう。まず魔物にはランクがある。一重に知能の高さ、もしくは、単純な強さだ」
「なるほど…」
「それでだな。一番下のランク…つまりCに該当するのがゴブリンといった知能を持たない魔物だ。で、次のランク…つまりBランクだが、例えばゴブリンの長…ゴブリンロード…などと呼ばれることが多い魔物。それとオークやオーガ、下級悪魔といった単純に力が強い魔物だな。そしてここからが危険とよく言われるAランクの魔物だ。ここに魔人族は属している。それと中級悪魔だ。まぁまだ上はあるが。一応説明しておこう。まぁ最後はSランク、上級悪魔や過去に存在していたとされる魔王、そして竜種がそこに該当するな」
「なるほど……知能があり力もあるのがSランク、それよりは劣るけど知能、力があるのがAランクってことでいいんですか?」
「まぁそう捉えて貰って構わない。ただし、魔人族に感じては知能はSランクよりも上だ。だから巷では魔人族はA+ランク等と言われたりするがな」
「なるほど…じゃあそこをどうにか出来れば…人は増えそうですね」
「それはそうだが……一体どうするつもりなんだ?」
「元々頭がいいならこっちを襲ってくることはない。けどそんなこと言っても魔物の住処が近いだけで恐れられる対象になる。それならいっそのこと彼らに話を持ち込めばいい。もちろん相手にとっても都合のいいような話をつけてね。あとここを通る料金を無くしましょう。あと商人に競争意欲を持たせるようなものが作れればいいんですけどね…どうかしました?」
「いや…やはり貴方はあの方のご子孫なのだと思っただけだ…だが魔人族の者と話すのは流石に不可能だろう?」
「貴方は魔人族は頭がいいと言いましたよね?それなら話すことは可能だと思います。彼らも俺らを襲うことのデメリットは分かってるでしょうし。それにもしその話し合いが上手く行けば確実にこの街は発展します」
「……そうか…」
「それに。貴方が嫌なのでしたら俺が行きますし」
「それは………いや俺も行こう。貴方に任せっぱなしなのも悪い」
「そうですか。では今すぐ行きましょう!」
「今か!?」
「はい。取り敢えず善は急げってやつです!」
「それに関しては少し待ってくれないか?」
「理由を聞いてもいいですか?」
「ひとえに彼らと話すにもこちらも準備が必要なのだ。俺よりも上のマスターに伝えないといけなかったりな」
「分かりました。それじゃあ行く日程を決めませんか?」
「それもそうだな。では3日後はどうだろうか?」
「そうですね…ではその日にまたお会いすると言うことで。それでは今日はこれで失礼します」
「あぁ。今日は助かった。ではまた3日後に」
こうして俺とギルドマスターと俺の話し合いは終わりやっと学院に行ける!そう思い俺はすっごい気分が浮かれていた。それから数分歩き学院についた。うん。近いっていいね!前の学校なんて行くまでに1時間もかかったからね。ほんとに近いっていいよ。都会の人波とかがないからね。そんなことを思いながら歩いていると自分の教室まで着いた。その直後俺の耳元にとんでもないほど大きな爆発音が聞こえた。
「耳壊れそうだった…何事なの?てか何してるの?そんなに危ないことをしてるのかな?まぁいいか…取り敢えず中入ろ…失礼します」
「お?これでこのクラス全員揃ったか。さて早速で悪いが自己紹介兼ねて一発魔法を打って貰おうか」
…どういうこと?え?何それ怖い
「それって絶対なんでしょうか?できればあまり打ちたくないのですが…(まだそんなに打てないから)」
「あぁ絶対に打ってもらっている。例外は認められないな」
「そうですか分かりました。それじゃあ一応自己紹介からさせていただきますね。俺は蒼野悠人です。で、魔法でしたよね…取り敢えず…(抑えめな魔法を…そうだ、普通の魔法で行こう)」
そうして俺が選んだのは炎系初期魔法の『フレア』である。そしてこの世界では無詠唱の方が威力が出やすいらしく、イメージが強ければ強いほど威力が増すらしい。そのため今回はある程度離れたところでまぁまぁな威力で燃えて終わらすことができた。が、しかし、先生?からの印象は良くなそうです…
「蒼野。お前手加減をしているか?無詠唱の割には威力が弱いと思うが?」
「はい。加減はしています。しかし一度試したところ広範囲が燃えてしまったのでそれを考慮して威力を抑えました。」
「そうか。それならいいが、実技の時などはあまり手加減をせず全力でやれ。いいな?」
「分かりました。今後は気をつけます」
そんなこんなで学院生活と町の発展をやることになった訳なんだけど、これからも自分のやりたいようにこの世界の生活を謳歌したいね。そしていつかはいるであろう俺の父さんを探したい。けどいつか会えるだろう案外世の中は狭いから。
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