ワンダリング・ワンダラーズ!!

ツキセ

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一章

セドナの中央部(2)

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 ゲーム開始目5日目になって、俺たちはようやくセドナ中央部の丘陵地帯に足を踏み入れることになった。
 まずは、遠くに見える5mほどの断崖の高台に昇ってみようか。
 左側から回り込むように行けば、歩いて辿り着けそうだ。

 カノンとともに、草花の茂る草原に足を踏み入れる。

「……なんか、土壌がやわらかいな。……砂地、なのか……?」
「土の色もあんまり濃くない、ね」
「ああ。腐葉土と混ざってるからわかりにくいけど、土自体は……白いな」

 まるで砂浜の砂のような。
 幾層もの腐葉土と混ざりあい、植物の根が張り、いわゆる土壌にはなっているけれど。
 恐らくは微生物が活動し、栄養を循環させているのだろうけど。
 それでもその乾いた土は、どこかふかふか、さらさらしているように思う。

「崖のところに見える岩も、白いよね」
「この地面の土のもとは、あの岩石層が破砕したやつなのかな」

 発見した玄武岩や花崗岩について現実で調べていたときに、ついでに見かけた岩石の名前。
 白い岩石と言えば、流紋岩、だろうか。
 もとは花崗岩と同じ酸化ケイ素を多く含むマグマで、生成されたプロセスによって組成が変わるらしい。
 地表で急速に冷え固まると流紋岩になり、地中でゆっくりと冷え固まると花崗岩になる。
 思うに、遥か昔、俺たちの拠点の南に広がっていた花崗岩の岩場の上には、流紋岩の岩石層があったのではないか。
 そしてその層は、長い年月をかけて、セドナの岩壁の向こう側へと剥離した。
 ゆえに高地であるセドナの果てでは、花崗岩の層が表出している。
 一方このあたりの中央部には、いまだ流紋岩の層が残っているということだ。
 流紋岩の岩石層が見られるこの丘陵地帯を垂直方向に掘削していけば、花崗岩層に突き当たるのではないか。
 また玄武岩層があったということは、その下には斑糲はんれい岩層がある可能性も高い。

 ……もしやこのセドナは、火成岩の一大産地と化しているのではないか。
 代表的な三種類が確認できたわけだし、たぶん斑糲岩も安山岩も閃緑岩もどこかで見つかるだろう。
 もちろん、火成岩はその6種だけではない。
 キンバリー岩やらデイサイトと呼ばれる様な火成岩も見つかるかもしれない。
 岩石素材のバリエーションが豊かになりそうな気配がする。


 *────


「この花、綺麗だね」

 高台に向かってのんびりと歩いている最中。
 ふいにうずくまったカノンの視線の先にあるのは、まわりの草花よりも少しだけ背の高い、薄荷の金平糖のように星型に花開く、薄く透き通った小さな白い花。
 その花を支える一本の細い茎は、なにやらがさがさと荒れており、葉は……あれ、葉はどこだ?
 地中に埋もれているようにも見えないし、まさか葉がないなんてことは……

「……うわ、よく見たらこれ茎じゃないし」
「えっ、……あっ、これ葉っぱが巻き付いてる?」

 小さな花の下にある一本の細い茎には、無数の葉が、まるで葉巻のように巻き付いている。
 その巻き付き方は粗く、それで茎自体ががさがさと荒れているように見えたのだ。

「え、でもこれ光合成的にどうなの」

 植物が葉っぱを広げるのは光合成のためだ。
 より多くの日光を受けるために、より多く、より広い葉をつける。
 葉があってもこれでは……。

「……もしかして、ここから開く、のかも?」
「開くって、この葉が?」
「うん、オジギソウ、みたいに」

 マジで。……ああ、今は曇ってるから閉じてる、と?
 でもなんでそんなことする必要があるんだ。
 最初から葉っぱを広げておけばいいだろうに。
 このあたりの環境に、そうせざるを得ない原因が……?

 ……。

 ――はっ。いかんいかん、ついりんねる=マキノ的思考に呑まれかけた。
 いや、足元にも及ばんけども。知識量がちがいすぎる。
 マキノさんがこの場に居れば……いやでも、ここで講義が始まって1時間くらい続きそうだな。
 しかもこの花1本についてだけで。
 この周囲にはまだまだ無数種類の草花があるのに。

「……うん、綺麗だな。カノン。かわいい上に綺麗な花だ」
「うんっ」

 へんてこな茎に目が行ってしまったが、よく見ればその花弁も特徴的だ。
 薄荷飴のような色の、清楚な白を湛える放射状の花弁。
 星型に開いた細い針のような花弁からなる花は、まるで金平糖のよう。
 1本だけ頂いて、押し花にでもしてみたくなるが――まぁ、今はいいか。

「……。」

 しげしげと、興味深げにその花を見つめるカノン。
 カノンの興味を引いているその花は、たぶん現実のどの種とも異なる花だろう。
 なにせ、この惑星で新たに芽吹いた生命だ。
 地球の種と一致するような奇跡は、そうそう起こるまい。
 ゆえにその花がもたらしてくれる感動もまた、まったく新しいものだ。
 出逢う未知の数だけ驚きと感動がある。
 感性が豊かな人ならば、一生分楽しむ余地があるのがこの世界だ。
 ここは、もう一つの世界なのだから。

「……んっ、ありがと、フーガくん。行こっか」
「おう。面白そうなの見つけたらどんどん教えてくれ」

 立ち上がったカノンとともに、再び高台へと向かって歩みだす。

「……あの花、慣用名を付けるなら、どんな感じだろうな」
薄荷はっか草、とか」
「お、カノンもやっぱり薄荷のイメージ?
 あの薄い白色を見るとどうしてもハッカ飴の――」
「でも、はっか草って、他にもうあったかも」
「まじで」

 植物関係はほんとだめなんです。
 許してください。


 *────


 樹林帯を抜けたところから遠くに見えた、高さ5mほどの断崖の上へ辿り着くのに、左側からぐるっと回って500mほど。歩いても数分だ。
 革のブーツ越しに脛を撫でる草木を愛でながら、丘陵の高台に続く緩やかな傾斜を上る。

 そして遂に――

「おおーっ、見晴らし良いぞ」
「遠くまで見える、ねっ」

 5mほどの高さの断崖の上に辿り着く。
 ここは地面がずれてできた、ちょっとした大きさの崖になっている。
 セドナの南の岩壁の先の断崖絶壁に比べれば、1/200サイズの実にミニマムな崖。
 というか岩壁そのものの高さに比べても半分もない。
 だがそれでも5m、下手に落ちれば命も奪われかねない高さだ。

 そんな5mの高さの断崖は、このあたりでもひと際高い場所であるようで、北を見れば、このセドナ中央に広がる断崖丘陵地帯を一望することができる。
 幾つもの段差状の起伏からなる実に凸凹とした平野部は、視界の遥か先、目測10km弱ほどは続いている。
 仮想端末のマップで確認できる広さと概ね同程度だ。
 マップでも確認できる通り、その先には再び樹林帯が広がる。
 そして――

「セドナの北は、完全に山岳地帯だな」
「けっこう、高そう?」
「このセドナが1,000m級の高地だとして……そっから更に高くなるのか。
 ここから見えるあたり、一番高いとこは平気で2,000mくらいはありそうだよなぁ」

 北の樹林帯の向こうには、山の稜線が見える。
 どうやら山岳地帯であるようで、山肌のあちこちに植物の緑が見える。
 つまり、あそこにあるのは岩場ではない。ちゃんとした山だ。
 セドナの南は岩壁で区切られている程度だったが、セドナの北は東西に連なる山脈で完全に遮断されているようだ。
 恐らくこのセドナは、北の方が平均的な標高が高く、南の方が低いのだろう。
 だからセドナ川は、北から南に向かって流れている。
 あの山脈の向こう側が、セドナ南のような断崖絶壁なのか、それとも山の斜面のようになっているのかはわからないが、あちらもあちらでなかなかすごいことになっていそうだ。
 いつかは行ってみたい。
 なにせ、見えている場所には文字通り全部行けるからな。
 あの山肌に立つことも、その向こう側へ行くこともできるわけだ。

 山脈が見える北の端から東へと視線を回せば、山の稜線は次第に下がり、セドナ東の広葉樹の樹林帯の中に没している。
 東の果ては未だ謎だが、恐らくは南と同様の断崖絶壁なのではないだろうか。
 東の樹林の果てがマップに映っていない以上、どのくらい歩けば果てに行き着くかはわからないが……。

 西の方も概ね東と同様、樹林が広く広がっているが、西の果てには山の稜線が北からぐるりと回り込んでいる。
 北部同様、山岳地帯になっているらしい。
 その果ては山脈の向こう側だろう。簡単には辿り着けなさそうだ。

「……このセドナから出ようと思ったら、どっちに行くべきなんだろうな」

 南は1,000m級の断崖絶壁。
 北と西は2,000m級の山岳地帯で、その先どうやって降りられるのかは謎。
 東の果ては見えない。
 もしかして南の断崖絶壁を降りるのが一番楽なのでは?
 ただ、降りたところで戻って来られないのなら資源採取的には意味がない。
 ちゃんと自力で生還しないと採取した資源は持ち帰れないからな。
 つまり、往路と復路の両方の手間を考えたうえで、もっとも他の地域に向かいやすそうなのは……どっちだろ。

「南の崖を昇り降りするよりは、北の山の斜面を昇り降りする方が、楽かも?」
「そりゃそうだ」

 物を抱えて移動しなきゃならないわけだからな。
 大量の資源を抱えて崖を昇るのは不可能に近いだろう。
 でも垂直のエレベーターみたいな機構を作ることができるなら、南の崖の上と下で資源をやり取りするのはけっこう行けそうじゃないか?
 水平方向に運ばなくていいぶん、仕事量的に無駄がない。
 なんなら巻き上げ機でも作れば、人力が不要になるかもしれない。

 ……あれ、そもそも。
 それができるなら、その昇降機に乗れば人間も南の断崖絶壁を簡単に昇り降りできるのでは?
 夢が広がりんぐだが、流石に数か月単位で時間がかかりそうだ。
 有志を集えばこのセドナの一大プロジェクトになるかもしれない。
 南方面からの開拓可能性については頭の片隅に入れておこう。


 *────


 セドナの各方面について思いを馳せていると、ふとカノンが思いついたように呟く。

「きょーじゅがこの平野のどこかにいるなら、ここから見えないかな」
「……難しそうだな」

 たしかにこの高台からは、この断崖丘陵地帯の果てを越え、セドナの四方を見渡すことができる。
 だが、この丘陵地帯は起伏が激しすぎるのだ。
 この高所からは、丘陵の高台部分、でこぼこの凸の部分しか見えはしない。
 たまたまりんねるが高台に昇ってでもいなければ、俺たちの視界に入り込むことはないだろう。

「でもたぶん、このあたりにはいるんだろうな」
「草とか花とか、たくさんあるもんね」

 りんねるからしてみれば、このあたりは垂涎の調査対象地域だろう。
 あるいはりんねるは、この丘陵地帯のどこかに自分の拠点を移しているかもしれない。
 マップで確認できる、この丘陵地帯にまばらに散らばる他のプレイヤーの拠点を示す光点のどれかが、りんねるの拠点である可能性はある。

 でもあの人ずぼらだったからなぁ。
 たぶん移動させてないんじゃないかなぁ。
 完全に人読みだが。
 それよりはモンターナの情報にあったように、この丘陵地帯の南東部のセドナ川沿いである「セドナ川下流域湾曲部付近」を捜すほうが確率が高い気がする。
 ……うん、その方針で行こうか。

「よし、カノン。このあたりの地形についてはだいたいわかった。
 あとはモンターナが教えてくれたあたりをふらつきながら、食料探しとりんねる探しをしようか」
「んっ。いい、……よ」

 俺の提案に頷くカノンは、しかしどこか、なにか言いたげな様子に見える。
 カノンは俺と意見が食い違った時、自分の提案を言い淀むタイプではないが……。

「なにか気になることでもある、カノン?」
「……ぃや、大丈夫。きょーじゅ、探そっか」

 その革グローブに包まれた左手は、なぜかぎゅっと握られており。
 流石にその仕草を見逃すほど、彼女の機微に疎くはない。

 それに――今日の俺は、いろいろ覚悟が決まっている。
 俺のわがままに彼女をつき合わせてしまっている以上、彼女にも、この時間を楽しんでもらいたい。
 そのためならば、なにを躊躇うこともない。

「……っと、そういえば。
 ここまでずっと歩き通しだったし、ここでちょっと休憩してくか。
 ここからりんねる探しをするとなると、しばらくまた歩くことになりそうだし」
「えっ。……たしかに、そうだね?」
「この高台、けっこう見晴らしがいいし、セドナ川の湾曲部付近も視界に入る。
 ここで休憩してれば、そのあたりを移動するりんねるが見えるかもしれん。
 水分補給と軽食がてら、ここでちょっとゆっくりしていこう」
「んっ。そうしよっか」

 そうして、この高台の地面、やわらかな草地に腰を下ろす。
 湿っているわけでもなし、コートを敷いたりはしなくてもいいだろう。
 座ったまま、カノンに向かって右手を差し出す。

「ほら、カノンも」
「……ぁ」

 どうやら、俺の意図は伝わったようだ。
 そっと載せるように俺の手を取るカノンの手を軽く引き、傍らに寄せる。
 東に流れるセドナ川を見下ろすように、二人並んで腰を下ろす。
 ここからなら「セドナ川下流域湾曲部付近」に出没するレアキャラクター・りんねるを目撃できる確率も高いだろう。

「水、飲みたいな。……ある?」
「……っぁ、あるっ! あります」
「ありがと、じゃあ俺のも、はい。存分に飲むがよい」

 持ってきた携行水をカノンと交換する。
 交換する必要は、相変わらず特にない。
 必要はないが、意味はある。
 カノンから手渡される携行水を、空いた左手で受け取り。

「これで天気が良かったら……いや、晴れてたら、また別の景色が見れたかもな」
「……。」

 草原を渡る風を全身に感じ、照り付ける陽ざしの暖かさに包まれ。
 絶好のピクニック日和だっただろうに。
 今日の天気は曇天で、あいにくどちらも欠席だ。
 とはいえ高台からの良い景色は残っているので、決して悪くはない。

 携行水のパックを握り潰し、中の水を絞り出す。
 そういえば、水を携帯するための容器が欲しいな。
 セドナ川の水から飲料水を精製できるのはいいが、持ち運ぶための容器がない。
 カノンの魔法瓶は液体資源の採取のために開けておきたいし。
 プラスチックが使えない今、一番軽量で、そこそこ丈夫な容器はなにが作れるだろうか。
 割れてもまた作ればいいと考えると、花崗岩を極薄に削って貰って水筒状にするとか。
 いや、流石に割れやすすぎるか。
 カオリマツの木から容器を削り出す?
 今のところそれが一番安牌かな。重さもそれほどではないだろう。
 割れて水漏れする可能性があるのが怖いが……。

 革袋に入れてきた携帯食料に手を伸ばしつつ、ちらりと右手を見れば、カノンはまだ携行水にも手を付けていない。
 このセドナは涼しいし、そうやすやすと脱水症状になるということはないだろうが、それでも人体は活動するたびに少しずつ水分を失っている。
 ここまで歩き詰めだったし、水分を摂っておいた方がいいだろうが――

「――っ♪」

 まぁ、いいか。
 そもそも水分補給のために休憩したんじゃないしな。


 ああ。

 ――実に、贅沢な時間だ。
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