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一章
異変(3)
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「……ふぅ」
パタン、と。
洗浄室の扉を閉める。
洗浄室で休んで、復活した。
……だいぶ、落ち着いた。
吐いても大丈夫だと思うと吐き気も収まった。
現実の俺と同じ、現金な身体だ。
(……時間、喰っちまった)
カノンとともに作った手製の椅子に腰かけ、仮想端末を立ち上げる。
時刻は、午前1時。
休憩含め、ここまで1時間ほど思考に没頭していたらしい。
(……いや)
むしろ、1時間でよく済んだと考えるべきだ。
カノンの現状を納得するまで、もっと掛かるかと思っていた。
するすると思考の筋道が通ってくれたことが、いまはありがたい。
それが合っているにせよ、間違っているにせよ、少なくとも次の方針を立てることはできる。
次の方針とは、つまり。
もし仮に、彼女がここに戻ってきたとき。
どのように彼女に声を掛けるべきか、ということだ。
仮定として、彼女はいま、ちょっとだけ綻んでいるとする。
綻んでいない、ということはないだろう。
無自覚的にやっているにせよ、どこか自覚的な部分があるにせよ。
時間認識のずれ。情動が止まってしまうこと。それは破綻だ。
ましてや、そのずれを自覚するたびに、強制ダイブアウトさせられるほどに錯乱してしまうというのは、破綻以外のなにものでもない。
厄介なのは、その破綻は、たぶん俺からは見えないということだ。
彼女のそれは、世界の中で、俺だけが観測できない破綻。
なぜなら、彼女の破綻は、俺の前では繕われるから。
俺がなにかしなくても、たぶん彼女のなかでなにかしらの辻褄が合って、大丈夫になるのだろう。
現に、昨日までの日々の中で、彼女が「止まる」ような気配はまるでなかった。
俺は彼女が破綻しているなんて、先ほどまでは微塵も思わなかったのだ。
それどころか――
(……待て、よ)
俺にはたしかに、その破綻は見えないけれど。
彼女のその破綻の正体は、わからないけれど。
それとは関係ない、別の問題ならば、知っている。
彼女が抱えていた、別の破綻ならば、知っている。
4年前にそれを知り。
俺がどうしようもできなかった、その破綻を。
俺がどうしようもしなかった、その破綻を。
カノンが口を噤んだ、亀裂を調査して。
その調査を終えた後に思ったこと。
『……それは、望ましいことだと思う。
カノンは変わっていないと思っていたけど。
ちゃんと変わっていた。強くなっていた。』
――本当か?
本当に彼女は、変わっていたのか。
変わっているように、振舞っているだけではないのか。
その変化は、俺の前でのみ、繕われていたものではないのか。
『カノンは、そこで立ち止まった。なにかに気づいたかのように。
そうして、少し俯いた。なにかを考えるように。
そうして、肩に掛かったケープに触れた。なにかを確かめるように。
そうして、首をふるふると横に振った。なにかを振り払うように。』
彼女は、あの時、いったいなにを考えていた?
なにを考え、なにを確かめ。
いったいなにを、振り払ったんだ。
振り払わなければならないものが、あったんじゃないのか。
それはまだ、彼女の中にあるんじゃないのか。
――なんだか、きれいな――
――景色だった、ね。
「――――ッ!!」
愕然とする。
――そうだ、お前はずっと、疑問に思ってきたじゃないか。
『彼女は、あまりにも、4年前のままだ。
――だから、おかしいのだ。』
彼女は、4年前のままだ。
少なくとも俺に対しては、そのようにあった。
ならば、その表側だけではなく、裏側もまた、そうではないのか。
表側だけが変わらないまま、裏側だけがきれいさっぱり解決されるなんて。
そんなことはありえない。
彼女は、あまりにも、4年前のままだとしたら。
なにも、おかしくなんてない。
4年前の彼女の破綻は、決して繕われてなんかいない。
今回見せたカノンの破綻は、かつての破綻と地続きなのだ。
ゆえに。
――俺は、言葉では、その破綻を解決できない。
今回の破綻も、4年前の破綻も。
その根源が同じだというのなら。
俺は、その根源に向き合う準備はもうできている。
4年前の失敗を、悔やみ続けてきたから。
決して来ないだろうやり直しの時のために、心に秘め続けてきたから。
だが――その機会が、まだ訪れていない。
その機会は、俺たちが、自ら望んで得るものではなく。
この身に降りかかるものでなくては、ならないのだ。
その機会の力を借りてこそ、俺はカノンの破綻と相対できる。
俺にはその機会を除いて、カノンの破綻に相対する力がない。
4年前のようになって終わるだけだ。
だから、この世界で俺は、ずっと待っていた。
この世界であれば遠からず来る、絶好の機会を待っていた。
だが――もはや、時間がなくなってしまった。
カノンの破綻が俺の前で顕になった今、それを悠長に待っていることができない。
俺とカノンが一緒に行動できなくなると、俺が望んでいるような機会すらも得られなくなる。
では、どうする。
計画を、一から練り直すか。
その機会を待たず、なんとか言葉や行動だけで説得するか。
馬鹿野郎、それは4年前にやって失敗しただろう。
それができるのなら、彼女はとっくに変わっているはずだ。
では、どうする。
その破綻を、繕わないままガーゼで覆うか。
彼女の別の欲求を満たすことで、誤魔化すか。
それは4年前にお前が否定したことだろう。
お前は4年前よりも退行するつもりか。
では――どうする?
そうして、思索の海に潜る。
椅子に座り、目を瞑り、背もたれに背を預け。
記憶のなかへ。その奥深くへ。
これまでにカノンと過ごした、すべての時間を逆行する。
なにか、なにかないのか。
期していた絶好の機会を待たずして。
破綻した彼女と向き合うための。
なにか、奇跡のようなやり方は。
*────
そうして――
*────
そうして――
*────
そうして――
時刻は、午前3時になる。
彼女は、来なかった。
ならば、ここにいても意味はない。
そうして俺は、この世界から離脱する。
やむ気配のない、雨音だけを残して。
*────
ビーッ――――
ぼんやりとした意識に、電子音が響く。
耳に突き刺さるようなビープ音は、明らかな警告音。
『ダイブイン中のバイタルデータに閾値以上の乱れを検知しました。
詳細タブから、ダイブイン中のバイタルデータの推移を確認できます。
体調に異常を感じる場合は、すぐにフルダイブシステムデバイスの仕様を中止し、
お近くのメディカルセンターまでご連絡ください』
閾値以上の乱れ、ね。
別に詳細なんて見るまでもないだろう。
どの辺で閾値を超えたのかは容易に想像がつく。
……しかしニューロノーツ先生、警告こそしてきたけど、結局最後まで俺を叩き起こしはしなかったな。
叩き起こされていたら、カノンを待つこともできず、さらなる惨事につながっていたかもしれない。
本当にありがたいことだ。
それにもう、午前3時を回っているのに、そのことで小言を言ったりしない。
なんだろう、クール系のメイドさんに見えてくる。
ニューロノーツ先生を擬人化したら、さぞや人気が出るに違いない。
ヴィクトリアンスタイルなエプロンドレスにクールで寡黙、たまに喋ると毒舌。
基本としてはこんなところだな。
あとはスカートから銃器とか出してくれる?
……ああ、いかん。
明日、というか今日は普通に仕事だというのに。
脳が、脳が死んでいる。
シャワーを浴びておいてよかった。
胃の中は空っぽだが、食欲などひとかけらもない。
カノンからのメッセージの返信はない。
寝たのかな。寝てくれたのならまだいいが。
くそ、なんで俺は、彼女の棲む場所を知らないんだ。
恐らくはいま、彼女の傍には、誰かがいてあげるべきなのに。
それが俺でなくてもいい。
親友でもいい。家族でもいい。彼氏でもいい。
だれかが、カノンのそばに――
最後の力を振り絞り、部屋の電気を消す。
暗闇の中、目覚まし時計をセットする。
今ばかりは、誰かの力をかりないと、おきられるきがしない。
ああ――
あと。ごじかん、だけ――
*────
光の消えた窓。
は、それを、じっと見ていた。
いつものように。
――そして、 は動き出す。
パタン、と。
洗浄室の扉を閉める。
洗浄室で休んで、復活した。
……だいぶ、落ち着いた。
吐いても大丈夫だと思うと吐き気も収まった。
現実の俺と同じ、現金な身体だ。
(……時間、喰っちまった)
カノンとともに作った手製の椅子に腰かけ、仮想端末を立ち上げる。
時刻は、午前1時。
休憩含め、ここまで1時間ほど思考に没頭していたらしい。
(……いや)
むしろ、1時間でよく済んだと考えるべきだ。
カノンの現状を納得するまで、もっと掛かるかと思っていた。
するすると思考の筋道が通ってくれたことが、いまはありがたい。
それが合っているにせよ、間違っているにせよ、少なくとも次の方針を立てることはできる。
次の方針とは、つまり。
もし仮に、彼女がここに戻ってきたとき。
どのように彼女に声を掛けるべきか、ということだ。
仮定として、彼女はいま、ちょっとだけ綻んでいるとする。
綻んでいない、ということはないだろう。
無自覚的にやっているにせよ、どこか自覚的な部分があるにせよ。
時間認識のずれ。情動が止まってしまうこと。それは破綻だ。
ましてや、そのずれを自覚するたびに、強制ダイブアウトさせられるほどに錯乱してしまうというのは、破綻以外のなにものでもない。
厄介なのは、その破綻は、たぶん俺からは見えないということだ。
彼女のそれは、世界の中で、俺だけが観測できない破綻。
なぜなら、彼女の破綻は、俺の前では繕われるから。
俺がなにかしなくても、たぶん彼女のなかでなにかしらの辻褄が合って、大丈夫になるのだろう。
現に、昨日までの日々の中で、彼女が「止まる」ような気配はまるでなかった。
俺は彼女が破綻しているなんて、先ほどまでは微塵も思わなかったのだ。
それどころか――
(……待て、よ)
俺にはたしかに、その破綻は見えないけれど。
彼女のその破綻の正体は、わからないけれど。
それとは関係ない、別の問題ならば、知っている。
彼女が抱えていた、別の破綻ならば、知っている。
4年前にそれを知り。
俺がどうしようもできなかった、その破綻を。
俺がどうしようもしなかった、その破綻を。
カノンが口を噤んだ、亀裂を調査して。
その調査を終えた後に思ったこと。
『……それは、望ましいことだと思う。
カノンは変わっていないと思っていたけど。
ちゃんと変わっていた。強くなっていた。』
――本当か?
本当に彼女は、変わっていたのか。
変わっているように、振舞っているだけではないのか。
その変化は、俺の前でのみ、繕われていたものではないのか。
『カノンは、そこで立ち止まった。なにかに気づいたかのように。
そうして、少し俯いた。なにかを考えるように。
そうして、肩に掛かったケープに触れた。なにかを確かめるように。
そうして、首をふるふると横に振った。なにかを振り払うように。』
彼女は、あの時、いったいなにを考えていた?
なにを考え、なにを確かめ。
いったいなにを、振り払ったんだ。
振り払わなければならないものが、あったんじゃないのか。
それはまだ、彼女の中にあるんじゃないのか。
――なんだか、きれいな――
――景色だった、ね。
「――――ッ!!」
愕然とする。
――そうだ、お前はずっと、疑問に思ってきたじゃないか。
『彼女は、あまりにも、4年前のままだ。
――だから、おかしいのだ。』
彼女は、4年前のままだ。
少なくとも俺に対しては、そのようにあった。
ならば、その表側だけではなく、裏側もまた、そうではないのか。
表側だけが変わらないまま、裏側だけがきれいさっぱり解決されるなんて。
そんなことはありえない。
彼女は、あまりにも、4年前のままだとしたら。
なにも、おかしくなんてない。
4年前の彼女の破綻は、決して繕われてなんかいない。
今回見せたカノンの破綻は、かつての破綻と地続きなのだ。
ゆえに。
――俺は、言葉では、その破綻を解決できない。
今回の破綻も、4年前の破綻も。
その根源が同じだというのなら。
俺は、その根源に向き合う準備はもうできている。
4年前の失敗を、悔やみ続けてきたから。
決して来ないだろうやり直しの時のために、心に秘め続けてきたから。
だが――その機会が、まだ訪れていない。
その機会は、俺たちが、自ら望んで得るものではなく。
この身に降りかかるものでなくては、ならないのだ。
その機会の力を借りてこそ、俺はカノンの破綻と相対できる。
俺にはその機会を除いて、カノンの破綻に相対する力がない。
4年前のようになって終わるだけだ。
だから、この世界で俺は、ずっと待っていた。
この世界であれば遠からず来る、絶好の機会を待っていた。
だが――もはや、時間がなくなってしまった。
カノンの破綻が俺の前で顕になった今、それを悠長に待っていることができない。
俺とカノンが一緒に行動できなくなると、俺が望んでいるような機会すらも得られなくなる。
では、どうする。
計画を、一から練り直すか。
その機会を待たず、なんとか言葉や行動だけで説得するか。
馬鹿野郎、それは4年前にやって失敗しただろう。
それができるのなら、彼女はとっくに変わっているはずだ。
では、どうする。
その破綻を、繕わないままガーゼで覆うか。
彼女の別の欲求を満たすことで、誤魔化すか。
それは4年前にお前が否定したことだろう。
お前は4年前よりも退行するつもりか。
では――どうする?
そうして、思索の海に潜る。
椅子に座り、目を瞑り、背もたれに背を預け。
記憶のなかへ。その奥深くへ。
これまでにカノンと過ごした、すべての時間を逆行する。
なにか、なにかないのか。
期していた絶好の機会を待たずして。
破綻した彼女と向き合うための。
なにか、奇跡のようなやり方は。
*────
そうして――
*────
そうして――
*────
そうして――
時刻は、午前3時になる。
彼女は、来なかった。
ならば、ここにいても意味はない。
そうして俺は、この世界から離脱する。
やむ気配のない、雨音だけを残して。
*────
ビーッ――――
ぼんやりとした意識に、電子音が響く。
耳に突き刺さるようなビープ音は、明らかな警告音。
『ダイブイン中のバイタルデータに閾値以上の乱れを検知しました。
詳細タブから、ダイブイン中のバイタルデータの推移を確認できます。
体調に異常を感じる場合は、すぐにフルダイブシステムデバイスの仕様を中止し、
お近くのメディカルセンターまでご連絡ください』
閾値以上の乱れ、ね。
別に詳細なんて見るまでもないだろう。
どの辺で閾値を超えたのかは容易に想像がつく。
……しかしニューロノーツ先生、警告こそしてきたけど、結局最後まで俺を叩き起こしはしなかったな。
叩き起こされていたら、カノンを待つこともできず、さらなる惨事につながっていたかもしれない。
本当にありがたいことだ。
それにもう、午前3時を回っているのに、そのことで小言を言ったりしない。
なんだろう、クール系のメイドさんに見えてくる。
ニューロノーツ先生を擬人化したら、さぞや人気が出るに違いない。
ヴィクトリアンスタイルなエプロンドレスにクールで寡黙、たまに喋ると毒舌。
基本としてはこんなところだな。
あとはスカートから銃器とか出してくれる?
……ああ、いかん。
明日、というか今日は普通に仕事だというのに。
脳が、脳が死んでいる。
シャワーを浴びておいてよかった。
胃の中は空っぽだが、食欲などひとかけらもない。
カノンからのメッセージの返信はない。
寝たのかな。寝てくれたのならまだいいが。
くそ、なんで俺は、彼女の棲む場所を知らないんだ。
恐らくはいま、彼女の傍には、誰かがいてあげるべきなのに。
それが俺でなくてもいい。
親友でもいい。家族でもいい。彼氏でもいい。
だれかが、カノンのそばに――
最後の力を振り絞り、部屋の電気を消す。
暗闇の中、目覚まし時計をセットする。
今ばかりは、誰かの力をかりないと、おきられるきがしない。
ああ――
あと。ごじかん、だけ――
*────
光の消えた窓。
は、それを、じっと見ていた。
いつものように。
――そして、 は動き出す。
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