ぐだぐだ高天ヶ原学園

キウサギ

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本編です?

日本語って難しい。

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「あのー、すみません、聞こえますか?」と、問いかける。ちなみにこれで6回目。



「あの……(少し怒っている)。」

「あ……あのー(もう少し怒っている)。」

「あのー……………(かなり怒っている)。」

 以上、程度を表す日本語百選より(嘘)。






 そして、とうとう沈黙に耐え切れず、スッと動いた怜の平手が頬を張って、パンッと小気味のいい音を立てた。


 周りを囲んでいた炎は一気に集束し、周辺には熱気だけが残る。

 「マイクテスト、マイクテストー。えっと、すみません、終わったので雪業先輩と淡島先輩、こっちまで来ていただけますか。あと、<ノーティス>、耐炎布のストック無くなったから補充しといて。」


 「了解です。」と<ノーティス>が。


 すぐに淡島が到着し、少し遅れて雪業も到着する。

 耐炎布で対象をぐるぐる巻きにして、雪業がよっこらせと担ぎ上げた。肩の上でモソモソと動くので、雪業もがっちりと抱えていて、チラチラと怜と淡島を見ている。

 怜が淡島に言った。

 「ここまで来て、荷物運びしかしないとか、有り得ませんよね。何のために来たんですかあの人。」

 「場合によるが、何とも言えんところだな。仕方ないとも言い切れん。」と淡島。



 そして、涙目になりつつも後を追う雪業。メンタル値がどんどんと下がっていっている。見た目に反して、心はガラスなのであった。

 そのまま歩いて、本部に到着すると、

 「いやあ、お疲れお疲れ。」と、軽薄な労いの言葉がかけられる。
 もちろん、先輩なのであったが、怜と淡島は、そんな先輩を無視して、、蛭子先輩の元に歩いていく。



 <パイオニア>から降ろされたケーブルまみれの中で、ヒラヒラと手を振っている。ちなみに、椅子の役目を果たすのは、小型冷凍庫である。

 「お疲れー、君らアイス食べる?」と、棒アイスを差し出して来る。いわゆるポッキンアイスだ。そういわない人もいるだろうが。

 「半分こにしてお食べ。お話をするのは、それからね。」と蛭子先輩。


 淡島が半分に折ったアイスからは暑さを吹き飛ばすような柑橘系の匂いがした。
 そして、ガリガリガリとアイスをかじりながら、蛭子の話を聞く。


 「あのね、監視カメラなんかと照合して見たんだけど、二人いるんだよねー、合致する人がさ。」

 漫画なら集中線がはいるようなことをサラっと話す。


 興味深そうな顔をした二人に蛭子が「実はねー」と、言いかけて、


 「<パイオニア>、現段階の回収率は?」と。そして、「約82%です。あと、八分程で終わります。」とレスポンス。




 「……というか、主がそこにいるせいで、残りの18%が停滞しています。ご理解とご協力を賜りたいのですが。」と。AIにすら軽口を叩かれる始末。ん、と首を傾げた蛭子は、自分達のいる場所を見渡して、笑う。


 「あー、ゴメンゴメン。すぐにどくから、ケーブルまで一気に片していいよー。」と、小型冷凍庫から飛び降りると、もう一度ひとしきり笑って、お腹を抱えた。


 怜と淡島が、「やっぱりこの人変わってるなー。」と思っていることは顔に出さないが間違いない。


 結局、「実はねー」の後は聞けずじまいのまま、片付けは終わり、一同は<パイオニア>に乗り込んで、そのまま睡魔に負けてしまうのでした。寮艦までの短い時間だったので、甲板に降り立ったとき、皆(淡島以外)の顔がすごく不機嫌に見えたのは気のせいでしょうか。

 淡島がイケメンというのはこういうところで粗が出ないのも一つの要因かもしれませんね。








**皆様お久しぶりの更新でごじゃります。




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