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あれから……
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なんやかんや年月というものは残酷に過ぎていくものだと実感する。
まぁ全然いいんだけどね!実際、あまり気にしてないし!
「いってきます!母さん!」
「気を付けてね~遠くまで行っちゃだめよ~」
ドアを勢いよく開けて外へと飛びだす。
照りつける太陽、清らかな風、そして、家畜達の鳴き声と家畜達の排泄物の匂い!
あぁ、なんて、なんて事なのだろう。
そう、転生先は寒村の貧乏一家の長男。
周りに文明は見られず、あるのはただただ広がる農地と原っぱと鬱蒼と生い茂る森!
はぁ、せめて地方領主の次男位に生まれたかったよ!と思ったのもだいぶ前の事であり、今はこの生活に満足している。
なぜって!だってこんなにも自由に生きていけるんだもの!
村人はみんな優しいし、遊ぶところだってたくさんある。
なんといっても可愛らしい幼馴染がいるところがいい。
「アサヒぃ~、置いてかないで~」
噂をすればなんとやらだね。
「マルタ、置いていかないからゆっくりと…」
「あっ!」
だからいったのに!マルタのドジっ子特性の発動により、見事に何も無いところで転んでしまう。
「いたぁいよぉ~アサヒぃ~」
近づくと上目遣いで見るその目には涙が滲んでおり、その薄い水色の髪がとても良く似合う幼い顔がとてもキュートである。
おおっと、こんな事を言うが決してロリコンではないぞ!妹を見る感じでかわいいなぁということであり、決してロリコンではない!
手を差し出すとマルタは両手で包み込むように掴み、立ち上がる。
「ありがとう、アサヒ!」
その輝くような眩しい笑顔を向けられると思わず胸が熱くなるのを感じる。
が私はロリコンではない!
いや、でも見た目も年齢も同じなのだからこれはロリコンにはならないのでは…
そんな事を思いながら歩みを進めているといつの間にか目的地へと到着していた。
森のなかに不自然にも切り開かれたこの場所こそ、目的地である青空教室である。
このあたりの村に学校というものは存在せず、勉強をするのはお貴族様か商人の子供達くらいであり、農民は自身の名前が書ければいいほうであり、計算が出来れば村の書記官として雇ってもらえる程である。
でもなぜ、この村では勉強を教える青空教室があるのかというと、それは完全に村長の趣味である。
ここの村長は農村出身で有名な元冒険者だそうだ。
村長曰く、「村から出てしまえば勝手が解らずいつの間にか奴隷になってしまった!なぞごまんとある」
むしろ村長は奴隷から有名冒険者になった事でも有名である。
そんな村長だからこそ村にいる子供達に少しでも学をつけ、外の世界でも生きていけるようにしたいという親心でもあるのだろう。
しかし、教えてくれる内容は基本文字や簡単な計算はしかり、魔物の急所や生息域、有用な薬草や食用の木の実や果物といった冒険者寄りの事の方が多いのはどうにかならないだろうか。
自身の冒険譚を話してとねだられた時など、鼻息を荒くして語るその様は見ていられない。
だか、話自体は有用な事に代わりはない。
何故なら、俺は将来、勇者としてこの世界を救う事が確約されているからである。
そのためにまだ小さいながらも体力作りは欠かさず行っているし、こうして勉強も嫌がらずしている。
全ては将来の為である。
いやー前世なら将来の為とかいって絶対しなかったな、うん。
「ようやっときたか、お前らで最後だぞ」
村長はゴホンと咳をし、席に着くように促す。
「えぇ~それでは前回の話の続きをしたいところなんじゃがまずは明日の洗礼式についてじゃ」
まぁ全然いいんだけどね!実際、あまり気にしてないし!
「いってきます!母さん!」
「気を付けてね~遠くまで行っちゃだめよ~」
ドアを勢いよく開けて外へと飛びだす。
照りつける太陽、清らかな風、そして、家畜達の鳴き声と家畜達の排泄物の匂い!
あぁ、なんて、なんて事なのだろう。
そう、転生先は寒村の貧乏一家の長男。
周りに文明は見られず、あるのはただただ広がる農地と原っぱと鬱蒼と生い茂る森!
はぁ、せめて地方領主の次男位に生まれたかったよ!と思ったのもだいぶ前の事であり、今はこの生活に満足している。
なぜって!だってこんなにも自由に生きていけるんだもの!
村人はみんな優しいし、遊ぶところだってたくさんある。
なんといっても可愛らしい幼馴染がいるところがいい。
「アサヒぃ~、置いてかないで~」
噂をすればなんとやらだね。
「マルタ、置いていかないからゆっくりと…」
「あっ!」
だからいったのに!マルタのドジっ子特性の発動により、見事に何も無いところで転んでしまう。
「いたぁいよぉ~アサヒぃ~」
近づくと上目遣いで見るその目には涙が滲んでおり、その薄い水色の髪がとても良く似合う幼い顔がとてもキュートである。
おおっと、こんな事を言うが決してロリコンではないぞ!妹を見る感じでかわいいなぁということであり、決してロリコンではない!
手を差し出すとマルタは両手で包み込むように掴み、立ち上がる。
「ありがとう、アサヒ!」
その輝くような眩しい笑顔を向けられると思わず胸が熱くなるのを感じる。
が私はロリコンではない!
いや、でも見た目も年齢も同じなのだからこれはロリコンにはならないのでは…
そんな事を思いながら歩みを進めているといつの間にか目的地へと到着していた。
森のなかに不自然にも切り開かれたこの場所こそ、目的地である青空教室である。
このあたりの村に学校というものは存在せず、勉強をするのはお貴族様か商人の子供達くらいであり、農民は自身の名前が書ければいいほうであり、計算が出来れば村の書記官として雇ってもらえる程である。
でもなぜ、この村では勉強を教える青空教室があるのかというと、それは完全に村長の趣味である。
ここの村長は農村出身で有名な元冒険者だそうだ。
村長曰く、「村から出てしまえば勝手が解らずいつの間にか奴隷になってしまった!なぞごまんとある」
むしろ村長は奴隷から有名冒険者になった事でも有名である。
そんな村長だからこそ村にいる子供達に少しでも学をつけ、外の世界でも生きていけるようにしたいという親心でもあるのだろう。
しかし、教えてくれる内容は基本文字や簡単な計算はしかり、魔物の急所や生息域、有用な薬草や食用の木の実や果物といった冒険者寄りの事の方が多いのはどうにかならないだろうか。
自身の冒険譚を話してとねだられた時など、鼻息を荒くして語るその様は見ていられない。
だか、話自体は有用な事に代わりはない。
何故なら、俺は将来、勇者としてこの世界を救う事が確約されているからである。
そのためにまだ小さいながらも体力作りは欠かさず行っているし、こうして勉強も嫌がらずしている。
全ては将来の為である。
いやー前世なら将来の為とかいって絶対しなかったな、うん。
「ようやっときたか、お前らで最後だぞ」
村長はゴホンと咳をし、席に着くように促す。
「えぇ~それでは前回の話の続きをしたいところなんじゃがまずは明日の洗礼式についてじゃ」
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