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洗礼式前
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無事、家まで送り届けてもらいそのまま解散かと思いきや、シスターアルマは母さんを呼び、これまでの経緯を簡単に済まし、達成感に包まれた顔つきで帰っていった。
事情を聞いた母さんはというと目の奥が笑っていない笑顔で父さんと俺を呼ぶなりお説教を初め、それは二時間近くまで及んだ。
あんな母さん初めて見た。二度と怒らせないようにしようと心に誓う日となった……。
翌朝、いつものように朝食を摂るためにリビングへ向かうとそこには表面上は元気な様に取り繕った父さんと何時もと変わらずニコニコと笑顔の母さんが朝食の準備をしており、父さんの様子に釣られてなぜかこちらも昨日の事を引きずるような雰囲気になってしまう。
「お、おはよう父さん、母さん」
「あぁ、おはようアサヒ」
「おはようアサヒもうすぐ出来るからね」
席に着き、少し立つと目の前に何時もと変わらず野菜と少しの肉の入ったスープと硬いパンが並ぶ。
「それじゃあ、頂きましょうか」
目の前で手を組み感謝の言葉を紡ぐ
「「「日々の恵みに感謝を、尊き貴方の救いに祈りを」」」
朝食がいつもより美味しく感じるのは気のせいではないはずだ。なぜだって昨日はしこたま怒られ、夕飯を抜きになったからだ、空腹は最高のスパイスとはよくいったものだ。
「あ、そうだアサヒこれをきちんと持っていくのよ」
そう言うと机の隅に首飾りが置かれる。
「マルタちゃんの分もあるから渡しておいてね」
「ありがとう母さん」
首飾りを2つ腰袋にしまい、朝食のスープを流し込み身支度を始める。
洗礼式の際は身だしなみを整え、小綺麗にしなければいけないらしい。
外に出ると井戸の周りには今日、洗礼式に出席するマルタ、トマスの二人が素っ裸になって水浴びをしている最中である。
はぁ~異世界はすごいよね。一応、マルタも7歳の女の子なのに関わらず講習の面前で素っ裸で水浴びだよ。
田舎だからかな?全く羞恥心とやらがないのかね。
そんな事を思いつつ自信も水浴びの為に井戸へと近づく。
「おはようマルタ、トマス」
「「おはよう、アサヒ!!」」
二人の弾けるような笑顔に少したじろぎながらも着ていた洋服というなのぼろ布を脱ぐ。
神の御前に立つのだから身を清めるというのは理解できるがこんな季節に外で素っ裸は寒い!
前世の暖かい浴室で温かいシャワーでという贅沢を知っている分苦行にほかならない。
「うぅ、さ、寒い早く済ませないと」
ささっと水浴びを済ませ身体を拭こうとすると
「アサヒくん駄目だよ、ちゃんと洗わないと!」
ざばーん。マルタの声と同時に桶一杯の冷水を浴びせかけられる
「ひぅっ!?」
「あははは、ひぅっだって」
「マ~ル~タ~やりやがったなぁー」
ざばーん
お腹を抱えて笑っているマルタ目掛けてこちらも桶一杯の冷水を浴びせかける。
いつの間にか近所の子供達が集まってきて水掛け合戦になったのはご愛嬌で……後めっちゃ怒られた。
「よし、準備完了だな行くか!」
小綺麗な服に着替え、首飾りを着け外への扉を開け放つ。
今日から俺を取り巻く環境は大きく変わる事だろう。
そんな事を思うと今までの生活に対して少し寂しい気持ちが湧いてくるが俺はこの世界を救う為にやって来たのだ。
俺にしか出来ない事、成さねばならぬ事、必ずやり遂げてみせる!
強い気持ちを胸に少年は一歩また一歩と歩き出す。
事情を聞いた母さんはというと目の奥が笑っていない笑顔で父さんと俺を呼ぶなりお説教を初め、それは二時間近くまで及んだ。
あんな母さん初めて見た。二度と怒らせないようにしようと心に誓う日となった……。
翌朝、いつものように朝食を摂るためにリビングへ向かうとそこには表面上は元気な様に取り繕った父さんと何時もと変わらずニコニコと笑顔の母さんが朝食の準備をしており、父さんの様子に釣られてなぜかこちらも昨日の事を引きずるような雰囲気になってしまう。
「お、おはよう父さん、母さん」
「あぁ、おはようアサヒ」
「おはようアサヒもうすぐ出来るからね」
席に着き、少し立つと目の前に何時もと変わらず野菜と少しの肉の入ったスープと硬いパンが並ぶ。
「それじゃあ、頂きましょうか」
目の前で手を組み感謝の言葉を紡ぐ
「「「日々の恵みに感謝を、尊き貴方の救いに祈りを」」」
朝食がいつもより美味しく感じるのは気のせいではないはずだ。なぜだって昨日はしこたま怒られ、夕飯を抜きになったからだ、空腹は最高のスパイスとはよくいったものだ。
「あ、そうだアサヒこれをきちんと持っていくのよ」
そう言うと机の隅に首飾りが置かれる。
「マルタちゃんの分もあるから渡しておいてね」
「ありがとう母さん」
首飾りを2つ腰袋にしまい、朝食のスープを流し込み身支度を始める。
洗礼式の際は身だしなみを整え、小綺麗にしなければいけないらしい。
外に出ると井戸の周りには今日、洗礼式に出席するマルタ、トマスの二人が素っ裸になって水浴びをしている最中である。
はぁ~異世界はすごいよね。一応、マルタも7歳の女の子なのに関わらず講習の面前で素っ裸で水浴びだよ。
田舎だからかな?全く羞恥心とやらがないのかね。
そんな事を思いつつ自信も水浴びの為に井戸へと近づく。
「おはようマルタ、トマス」
「「おはよう、アサヒ!!」」
二人の弾けるような笑顔に少したじろぎながらも着ていた洋服というなのぼろ布を脱ぐ。
神の御前に立つのだから身を清めるというのは理解できるがこんな季節に外で素っ裸は寒い!
前世の暖かい浴室で温かいシャワーでという贅沢を知っている分苦行にほかならない。
「うぅ、さ、寒い早く済ませないと」
ささっと水浴びを済ませ身体を拭こうとすると
「アサヒくん駄目だよ、ちゃんと洗わないと!」
ざばーん。マルタの声と同時に桶一杯の冷水を浴びせかけられる
「ひぅっ!?」
「あははは、ひぅっだって」
「マ~ル~タ~やりやがったなぁー」
ざばーん
お腹を抱えて笑っているマルタ目掛けてこちらも桶一杯の冷水を浴びせかける。
いつの間にか近所の子供達が集まってきて水掛け合戦になったのはご愛嬌で……後めっちゃ怒られた。
「よし、準備完了だな行くか!」
小綺麗な服に着替え、首飾りを着け外への扉を開け放つ。
今日から俺を取り巻く環境は大きく変わる事だろう。
そんな事を思うと今までの生活に対して少し寂しい気持ちが湧いてくるが俺はこの世界を救う為にやって来たのだ。
俺にしか出来ない事、成さねばならぬ事、必ずやり遂げてみせる!
強い気持ちを胸に少年は一歩また一歩と歩き出す。
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