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三章 消えない傷痕
三話
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店の中に飛び込んで見れば、血の海の中、親友とその妻は既に事切れ、娘は虫の息だった。
空腹も忘れ、佐七はお艶に血止めを施し、医者に担ぎ込んだ。
もう少し受けた傷が、首に近かったら危なかったと医者は傷を縫いながら言った。
お艶は凶事の時、店の手伝いをしていて、丼が乗ったお盆を胸の前に抱えていた。
そのおかげで刃先が狂ったのだろう。
丼は割れていたが、綺麗に真っ二つになって、お艶の側に転がっていたお盆がそれを物語っていた。
お艶が後に証言した犯人の侍は、未だに捕まっていない。
勿論、佐七は親友夫婦を殺した犯人を懸命に探したのだが……。
亡くなる前まで、それが俺の悔いだと……お艶にすまねえと何時も零していた。
父親同士が仲が良かったので、お艶と才蔵も幼なじみだ。
ほんの赤ん坊の時から行き来していた。
時々、佐七は休みの時、倅を連れて蕎麦を食べに来たりもしていた。
佐七は、店でくるくると良く働くお艶に目を細め「お艶坊もすっかり大きくなって。女の子は良いよな~。家の中が明るくなるぜ。それに比べて、男の子は臭いは生意気だわ……ああ、つまんねぇ」と何時も言い、「どうだ?ウチの才蔵の嫁さんにくんねえか?」幼なじみをからかった。
そのせいか、才蔵はお艶を意識せずにはいられなかった。
信吉の方は「この子は気が強いぜ」とか「跳ねっ返りだぜ」とか「いやぁ、まだまだガキだよ」とか言って、まるで本気にせず笑っていたのだが。
空腹も忘れ、佐七はお艶に血止めを施し、医者に担ぎ込んだ。
もう少し受けた傷が、首に近かったら危なかったと医者は傷を縫いながら言った。
お艶は凶事の時、店の手伝いをしていて、丼が乗ったお盆を胸の前に抱えていた。
そのおかげで刃先が狂ったのだろう。
丼は割れていたが、綺麗に真っ二つになって、お艶の側に転がっていたお盆がそれを物語っていた。
お艶が後に証言した犯人の侍は、未だに捕まっていない。
勿論、佐七は親友夫婦を殺した犯人を懸命に探したのだが……。
亡くなる前まで、それが俺の悔いだと……お艶にすまねえと何時も零していた。
父親同士が仲が良かったので、お艶と才蔵も幼なじみだ。
ほんの赤ん坊の時から行き来していた。
時々、佐七は休みの時、倅を連れて蕎麦を食べに来たりもしていた。
佐七は、店でくるくると良く働くお艶に目を細め「お艶坊もすっかり大きくなって。女の子は良いよな~。家の中が明るくなるぜ。それに比べて、男の子は臭いは生意気だわ……ああ、つまんねぇ」と何時も言い、「どうだ?ウチの才蔵の嫁さんにくんねえか?」幼なじみをからかった。
そのせいか、才蔵はお艶を意識せずにはいられなかった。
信吉の方は「この子は気が強いぜ」とか「跳ねっ返りだぜ」とか「いやぁ、まだまだガキだよ」とか言って、まるで本気にせず笑っていたのだが。
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