魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした

真弓りの

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原因を探して

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「しかしそうか、気圧に変化があったわけだな。やはり前兆がなにがしかあるんだね。……船主、もう少しだけ沖に出ることが出来るかな」


しばし考えたのち、アイルゥ先生は厳しい顔でそんな事を言う。その瞬間。


「クアーーーーッ!!」


ユット君のお母さんが弾丸のように飛んできて、アイルゥ先生をガッツンガッツンつつき始めた。


「いてっ! 痛いって!」

「せっかく止めに来たのに、アホか! と言っている」

「僕らはこの状況の調査に来てるんだ、仕方ないじゃないか! 痛いって!」


律儀にユット君のお父さんが通訳してくれているけれど、アイルゥ先生は一歩も引かないかまえだ。


「いてっ! ちなみに船主、船が転覆したのはどのあたりだ?」

「あそこに島があるだろう」

「ああ、この手前の小さい島かな? その向こうにもちょっとデカい島があるけど」

「転覆したのはあのデカい島のあたりだ。前兆っていやぁ、この手前に見える小島を過ぎてしばらくしたら突然猛烈な風と高波が来て、対処する間もなく船がひっくり返っちまった」

「なるほど、じゃあ手前の小島あたりまでなら行けるかも知れないな」


アイルゥ先生がそう言った途端に、ユット君のお母さんの攻撃が激しくなる。反撃も防御もしないあたり、アイルゥ先生も意外と辛抱強い。


「痛いなぁもう! 転覆したとこまではいかないんだから勘弁してよ!」

「クアアッ、カッ」

「当然だ、馬鹿者! と言っている」

「もー! 僕だって仕事なんだからね! じゃあ船主、悪いけどあの手前の方の小島に船をつけてくれない?」

「島に?」

「ああ、頼む」


マッシュさんが舵を切り、船がまた速度を上げるとアイルゥ先生がリカルド様にこう耳打ちした。


「足場さえあれば僕やリカルドで転移してまたここまで来れるだろ」

「そうですね。他の方の手をわずらわせずに調査出来るようになるのはありがたい」


リカルド様も真剣な顔で頷いた。そっかー、転移が出来るとこういう時でも便利なのか。そうだよね、いちいち船を出してもらうのなんて申し訳ないし、何より転覆の危険性があるって考えるとそうそうお願いできることじゃない。


「転覆したポイントはあの辺りか?」


船が着々と小島に近づく中、アイルゥ先生がマッシュさんに確かめる。マッシュさんが苦々しい顔で頷くのとほぼ同時に、いきなりの高波が船を襲った。


「昨日よりも海が荒れるのが早い!」

「風も出てきた!」

「ラルタ!帆を全部たため!」

「分かってる! みんなどっかに掴まっとけよ!」
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