仔狐さくら、九尾を目指す

真弓りの

文字の大きさ
95 / 96

お話、できた……!!

しおりを挟む
お話できるようになりたい!

お話できるようになりたい!

お話できるようになりたい……!!!


一生懸命に鏡に想いをぶつけるあたしの横で、「さくら頑張れ!」「頑張れさくら!」ってめっちゃ声が聞こえる。特に聡! 耳にきんきん響いてなんか集中できないから、ちょっと黙って。

じろっとひとめ聡を見たら、なんか通じたのかちょっと声がおとなしくなった。

それでいい。

よし、じゃあ改めて。


お話できるようになりたい!

お話できるようになりたい!

お話できるようになりたい……!!!

鏡さん、お願い。あたし、お話しできるようになりたいの……!!!


すっごく一生懸命に祈ったら、急に鏡がピカーッッてびっくりするくらいに光ったの。


「うわっ、なんだ!?」

「眩しっ」

「なによぅもう、目が痛い~!」


雅人おにーさん達だってびっくりしたかもしれないけど、あたしももう、目がめちゃくちゃ痛い。光ったの、思いっきり見ちゃった……!

お手々で目をおさえて、ぷるぷると震える。お耳もへにゃっと下がっちゃうけど、尻尾もシュンって一気に元気がなくなっちゃった。ひどいよぅ……。


「さくら……?」

「も、もっかい、言って」

「え、なぁに? どうしたの、ふたりとも……」


雅人おにーさんも聡も、あんまりあたしの顔をのぞきこんでるから、ちょっとびっくりしてしまった。目をしぱしぱさせながら、思わず言ったら、ふたりが急に「うぉぉぉぉお~~~!!!」って叫びだす。

なんなの。

急になんなの!?

なんかヘンな踊りおどってる!?


「さくらがしゃべったー!!!」

「かわいー声!」

「あっ……」


あたしの声、聞こえたんだ! あたしの言葉、通じてるんだ……!

嬉しくって嬉しくって、あたしも二人のヘンな踊りにぴょんぴょん跳ねながら参加した。

わーい! 嬉しいよう!


「成功したようじゃなぁ」

「良かったねぇ、さくらちゃん」


カメドノとスオーさんも喜んでくれて、あたし本当にすっごく嬉しい。


「カメドノ! スオーさん! ありがとう! あたし、とっても嬉しい!」

「ははは、可愛いなぁ」

「これで雅人おにーさんといっぱいお話しできる! すっごく! すっごく嬉しい! ありがとう」


あたしの後ろで「俺、雅人お兄さんって呼ばれてたのか」「えっ、さくらちゃん、オレは? オレは?」なんて二人がざわざわしてる。こういうのにも、もうお返事できるんだなぁ。なんて幸せなの。


「雅人おにーさん。聡。あたし、これからたくさんおしゃべりするね」

「うん、良かったな! さくら」

「え、オレだけなんで呼び捨て?」


聡はちょっと黙ってて。


「ねぇ雅人おにーさん、あたしね。ずっと言いたかったことがあるの」

「うん」

「あたしを助けてくれて、ありがとう……!」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...