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最終章 この日常だっていつか
Part16 ブランコに揺られて
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公園のブランコは、大きな木の葉っぱの影になってそんなに光がさしてこない。
二人はぶらぶらと揺れながら話をしていた。
「なんで忘れてたんだろ…だってあれから…何日経ったっけ」
「あそこにいた日なんて覚えてなかった上になんか知らない記憶があるんよなぁ…」
「僕も、海に行ったりキャンプ行ったりとか…そんなことしてないはずなんだけどなぁ」
「っていうか…大希、、」
「うん?」
「その、麦わら帽子…似合うなって」
「えっそう?、えへへ」
大希は帽子のつばをつかんではにかんだ。
それを見た広樹は、なんだか照れているようであった。
「あの二人も気になるよな…」
「そうそう…どこから来たのかもわからないし、どこの都道府県かな…?駿太くんから聞いた話だと、東京の周りだと思うけど…」
「連絡ついたら…なんて、そんな3000万人の中から探せるわけないしね」
「うんうん。」
思ったより早く話題が終わってしまい、しばしの沈黙が流れる。
ミーンミンミンミーーーーン!!
ブランコの周りに生い茂る気には、数十匹のセミが止まっているようで、それはそれは大合唱そのものであった。
「あのさ、暑いからどっか行かない?」
広樹があまりの沈黙を気にして、口を開いた。
「どっか行く?っていってもどこに?」
「んー…とりあえず、オレん家?」
「全然いいよ~!あっ、スマホでお母さんに連絡してから」
と、大希は白いカバーのついたスマホを取り出した。
「そーいやスマホも長い間使ってなかったな…」
「そうだよね~…暇な時もいっぱいあったし」
「刑務所じゃあるまいしなぁ…よっと」
広樹がブランコから立ち上がると、スマホから顔をあげた大希も同じように立ち上がる。
「いこっか!」
「お、おう…」
二人は広樹の家を目指して歩き始めた。
ーーー
アスファルトの敷かれた歩道を、横並びで歩いていく二人。
隣にはコンクリートでできた壁の塀が続いている。
「ね~ひろちゃん」
「んー?どした?」
「いやね…?僕たち一応、付き合ってるってことじゃ…ない?」
「…っ、、」
広樹は思わぬことを聞いてしまったような顔をして立ち止まった
「あれ?大丈夫?」
「う、うん…まあ、そ…だね///」
「顔赤いよ?どうしたの?」
「いや、な、なんでもない!」
「熱中症?」
「ふえぇ!?」
「??」
広樹が隣を見ると、麦わら帽子に被られた大希の顔が見えた。
「いやっ、ほら、ここ外だしさっ…///」
「えっ…なんで?あっ、だから熱中症…?なの?」
「あああっ、、もうっ、んわああ」
広樹はキョロキョロと周りを見渡し、誰もいないことを確認すると、大希の唇に素早くキスをした。
「っ...ほらっ、、これで…///」
「!?!?」
大希は急にキスをされたことに驚きが隠せず、一瞬で顔が赤くなってしまった。
「ひろちゃん…僕は熱中症じゃないの?って、心配しただけなんだけど…これ、どーいう意味?」
「いやだから!お前が”ねっちゅーしよ?”って!!」
広樹は何かを思い出したようにハッとして、すでに赤くなった顔をさらに赤くした。
本当に熱中症なのではないかと心配になる程だ。
「あっ…あぁぁぁぁ…/////」
間違えたことをものすごく恥ずかしく思っており、思わずコンクリートの塀に頭を突っ伏させた。
「も、もしかして…ふふふ」
「わ、笑うなぁっ!」
「、、、大丈夫だよ。だって僕たち、付き合ってるんでしょ?」
「…///」
「ふふ~ん♪」
大希に手を繋がれたまま、二人は家へと歩いていくのであった。
続く
=天の声=
よく見る恋愛ネタをぶっ込んでみました。
これはもうぶっ込みすぎて共感性羞恥を感じそうですね
小学生の頃によく流行ってました「熱中症」
僕は引っかかることはなかったんですけどね
ほとんどは「ねえ、”熱中症”っていってみて~」みたいなのが多かったんだと思いますけど、
今回のお話は全部暑さのせいです!全部暑さが悪い!!!
次回からはさらに発展していきます。
最終回目前ですよおお
ではでは
二人はぶらぶらと揺れながら話をしていた。
「なんで忘れてたんだろ…だってあれから…何日経ったっけ」
「あそこにいた日なんて覚えてなかった上になんか知らない記憶があるんよなぁ…」
「僕も、海に行ったりキャンプ行ったりとか…そんなことしてないはずなんだけどなぁ」
「っていうか…大希、、」
「うん?」
「その、麦わら帽子…似合うなって」
「えっそう?、えへへ」
大希は帽子のつばをつかんではにかんだ。
それを見た広樹は、なんだか照れているようであった。
「あの二人も気になるよな…」
「そうそう…どこから来たのかもわからないし、どこの都道府県かな…?駿太くんから聞いた話だと、東京の周りだと思うけど…」
「連絡ついたら…なんて、そんな3000万人の中から探せるわけないしね」
「うんうん。」
思ったより早く話題が終わってしまい、しばしの沈黙が流れる。
ミーンミンミンミーーーーン!!
ブランコの周りに生い茂る気には、数十匹のセミが止まっているようで、それはそれは大合唱そのものであった。
「あのさ、暑いからどっか行かない?」
広樹があまりの沈黙を気にして、口を開いた。
「どっか行く?っていってもどこに?」
「んー…とりあえず、オレん家?」
「全然いいよ~!あっ、スマホでお母さんに連絡してから」
と、大希は白いカバーのついたスマホを取り出した。
「そーいやスマホも長い間使ってなかったな…」
「そうだよね~…暇な時もいっぱいあったし」
「刑務所じゃあるまいしなぁ…よっと」
広樹がブランコから立ち上がると、スマホから顔をあげた大希も同じように立ち上がる。
「いこっか!」
「お、おう…」
二人は広樹の家を目指して歩き始めた。
ーーー
アスファルトの敷かれた歩道を、横並びで歩いていく二人。
隣にはコンクリートでできた壁の塀が続いている。
「ね~ひろちゃん」
「んー?どした?」
「いやね…?僕たち一応、付き合ってるってことじゃ…ない?」
「…っ、、」
広樹は思わぬことを聞いてしまったような顔をして立ち止まった
「あれ?大丈夫?」
「う、うん…まあ、そ…だね///」
「顔赤いよ?どうしたの?」
「いや、な、なんでもない!」
「熱中症?」
「ふえぇ!?」
「??」
広樹が隣を見ると、麦わら帽子に被られた大希の顔が見えた。
「いやっ、ほら、ここ外だしさっ…///」
「えっ…なんで?あっ、だから熱中症…?なの?」
「あああっ、、もうっ、んわああ」
広樹はキョロキョロと周りを見渡し、誰もいないことを確認すると、大希の唇に素早くキスをした。
「っ...ほらっ、、これで…///」
「!?!?」
大希は急にキスをされたことに驚きが隠せず、一瞬で顔が赤くなってしまった。
「ひろちゃん…僕は熱中症じゃないの?って、心配しただけなんだけど…これ、どーいう意味?」
「いやだから!お前が”ねっちゅーしよ?”って!!」
広樹は何かを思い出したようにハッとして、すでに赤くなった顔をさらに赤くした。
本当に熱中症なのではないかと心配になる程だ。
「あっ…あぁぁぁぁ…/////」
間違えたことをものすごく恥ずかしく思っており、思わずコンクリートの塀に頭を突っ伏させた。
「も、もしかして…ふふふ」
「わ、笑うなぁっ!」
「、、、大丈夫だよ。だって僕たち、付き合ってるんでしょ?」
「…///」
「ふふ~ん♪」
大希に手を繋がれたまま、二人は家へと歩いていくのであった。
続く
=天の声=
よく見る恋愛ネタをぶっ込んでみました。
これはもうぶっ込みすぎて共感性羞恥を感じそうですね
小学生の頃によく流行ってました「熱中症」
僕は引っかかることはなかったんですけどね
ほとんどは「ねえ、”熱中症”っていってみて~」みたいなのが多かったんだと思いますけど、
今回のお話は全部暑さのせいです!全部暑さが悪い!!!
次回からはさらに発展していきます。
最終回目前ですよおお
ではでは
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