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20話 Re start

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 私は初め、血を吸うことも戦うことすらまともに知らなかった。

 そんな私でも、時間や出会ったヴァンパイアや経験でなんとか、理不尽な世界を変える権利を得られるところまで辿り着き、今やっと、新たなスタートをきるところに立った。

 「ドラ、まずは今生き残っている種族を街”デイ”に集めよう! 」

 「アリオン様、では私が集めて参ります」

 「そうか、頼んだ」

 私達はまず皆を集め、これからの方針やどのような世界にするかなどを話そうとしている。

 これに反対するものももちろんいると思う。

 だが、誰かが変えなければ何も変わらないし変われない。
だから、私はクウとの誓いを本気で果たしたい。
この気持ちに嘘はない。

 私は考えながらボーッとしていた。

 「ドラ、皆集まったみたいだからデイに行こう! 」

 「あっ、は、はい! 」

 慌てて答える。

 「スキル《テレポート》」

 場所が変わり、デイの広場に着く。

 すごい数の種族がザワザワとしている。
中には何が今から始まるのかワクワクしている者やこんなところに集められて腹が立っている者など、それぞれがうるさい。

 そんな中、私は広場にある演説台に登り、皆の注目を浴びながら緊張した顔で口を開ける。

 「し、静かにして下さい!! 」

 私の声に笑う者がいたがそれでも、大半が静まった。

 そして、私がこれからどうしたいのかを話し出した。

 「私は今のこの世界が嫌いです。なぜだか皆さんわかりますか? 」

 この問いかけに鳥人族の一人が答える。

 「あなたのようなヴァンパイアにこの世界が嫌いだなんて言えるんですか? 第一にあなたはなんの苦労もせず今まで生きてきただろう」

 「確かに私は生まれがヴァンパイアでした。ですが、何の苦労もしていないわけではありません! 」

 そのあとに私が今までヴァンパイアの家に生まれてやられてきたことやこの世界の理不尽さ。
特に私のよき理解者であり大親友の人間のクウを殺されたことなどを語った。

 そして、これからどうしたいのかも言わせてもらった。

 「私は種族間の格差を無くし、皆が平等かつ自由な世界を作りたいんです! だから、皆に手伝っていただきたいのです。もちろん反対派もいることは承知の上です。どうか、私に皆の力を貸してください」

 私は途中、涙ぐみながら語った。

 すると、私の演説を聞いた大半が私に盛大な拍手を贈る。

 私はその光景に感動し、膝から崩れ落ちた。

 「本当に、本当にありがとうございます!! 」

 広場にいた皆はこれからの生活に希望を持ち動き出す。

 私も新しい法律を作るためにアリオンに連れられて家に戻った。

 それぞれの種族がいま自分たちにできることを考え街の整備などをし始めた。

 私も法整備をしないと。

 皆頑張ってるんだからやらなきゃね。


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