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気になる同級生【【千弦と聡二】
同級生、佐倉千弦
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フロイド(フロイト)の学説めくが、友情とは、元来、性的要求の変質的現象であるとも考へられる節がある。
岸田國士『異性間の友情と恋愛』
◇◇◇
今回は、「千弦と聡二がもし同級生だったら?」という設定です。
千弦が若返り、聡二と同じ英明大附属中に在籍しています。
終始聡二視点の片思いエピソードです。
◇◇◇
「佐倉千弦 成績は上の下から中の上。
得意科目は国語、苦手科目は数学、1年の1学期だけ合唱部に所属」
この情報だけ見ると、佐倉は大変地味で目立たない女子に思えた。
しかし彼女は1年のときから何かと話題になりやすかった。
多分理由は「トニカクカワイイ」からだ。
修学旅行や合宿など宿泊を伴う行事での夜の定番「誰が好きか」「どの子をいいと思うか」という話題では、いつもかなり早い段階で名前が挙がり、「何だ、お前もかよ」と後続を伴うタイプだ。
特に親しい男子や交際している男子はいないようだ。
運動部の上級生が告白したのに断ったというのも、1回や2回ではないらしい。
あのスター選手を振るなんてとか、あんなイケメンをもったいないと、時には彼女を責めるような言いぶりを聞くこともあったが、好きでもない人間の告白を受け入れる方がどうかしているだろうに。
そんな彼女を「お高く止まってる」と中傷する声もあったが、性格の温厚さもあり、幸い味方は多かったようだ。
スポーツには興味が全くなく、体育の授業も無難にこなすだけで、体もどちらかといえば小さく華奢。
入っていた合唱部も、顧問に「あの声域の広さは惜しい」と言われつつ、「何か違う」とコンクール前にやめてしまった。
休み時間の教室では、大抵読書か手仕事をしている。
◇◇◇
「ちい(佐倉のこと)、それ何つくってんの?」
「アクリルたわしだよ。洗剤なしで食器洗えるんだって」
「へえーっ…って、おかんか!学校で何大量生産してんの!」
「でも、簡単だし便利だよー。家で使ってもいいけど、いっぱい作っておくと、バザーに出すものがないときとか、ごまかしが利くの」
「まったく、あんたは…」
という味わい深い会話を、仲のいい女子との間でしているのを耳にした。
どうやら色鮮やかなアクリル毛糸をさまざまな形に編み上げているらしい。
普通に丸や四角のものもあるが、フルーツや野菜を象ったものもあり、それらを細長い指ですいすいとつくっていた。
読書は俺も好きなので、何を読んでいるのか気になるが、俺自身が「何読んでるの?」と質問されるのが苦手なので、逆に声をかけられない。
偏見かもしれないが、本を読んでいる人間にこの質問をするやつは、大抵本そのものには興味がないから、特に話題が膨らまないのだ。
佐倉は内心は分からないが、律義に答えていたし、時にはブックカバーを外して表紙を見せたりもしていた。
3年になってから初めて同じクラスになり、しかも隣の席になったので、その現場を目撃した俺は「人間ができているなあ」と感心した。
どうやら古今東西の文学作品を結構幅広く読んでいるようだ。
もし彼女と話をすることがあったら、特に好きな作家について聞いてみたいなとぼんやり考えた。
岸田國士『異性間の友情と恋愛』
◇◇◇
今回は、「千弦と聡二がもし同級生だったら?」という設定です。
千弦が若返り、聡二と同じ英明大附属中に在籍しています。
終始聡二視点の片思いエピソードです。
◇◇◇
「佐倉千弦 成績は上の下から中の上。
得意科目は国語、苦手科目は数学、1年の1学期だけ合唱部に所属」
この情報だけ見ると、佐倉は大変地味で目立たない女子に思えた。
しかし彼女は1年のときから何かと話題になりやすかった。
多分理由は「トニカクカワイイ」からだ。
修学旅行や合宿など宿泊を伴う行事での夜の定番「誰が好きか」「どの子をいいと思うか」という話題では、いつもかなり早い段階で名前が挙がり、「何だ、お前もかよ」と後続を伴うタイプだ。
特に親しい男子や交際している男子はいないようだ。
運動部の上級生が告白したのに断ったというのも、1回や2回ではないらしい。
あのスター選手を振るなんてとか、あんなイケメンをもったいないと、時には彼女を責めるような言いぶりを聞くこともあったが、好きでもない人間の告白を受け入れる方がどうかしているだろうに。
そんな彼女を「お高く止まってる」と中傷する声もあったが、性格の温厚さもあり、幸い味方は多かったようだ。
スポーツには興味が全くなく、体育の授業も無難にこなすだけで、体もどちらかといえば小さく華奢。
入っていた合唱部も、顧問に「あの声域の広さは惜しい」と言われつつ、「何か違う」とコンクール前にやめてしまった。
休み時間の教室では、大抵読書か手仕事をしている。
◇◇◇
「ちい(佐倉のこと)、それ何つくってんの?」
「アクリルたわしだよ。洗剤なしで食器洗えるんだって」
「へえーっ…って、おかんか!学校で何大量生産してんの!」
「でも、簡単だし便利だよー。家で使ってもいいけど、いっぱい作っておくと、バザーに出すものがないときとか、ごまかしが利くの」
「まったく、あんたは…」
という味わい深い会話を、仲のいい女子との間でしているのを耳にした。
どうやら色鮮やかなアクリル毛糸をさまざまな形に編み上げているらしい。
普通に丸や四角のものもあるが、フルーツや野菜を象ったものもあり、それらを細長い指ですいすいとつくっていた。
読書は俺も好きなので、何を読んでいるのか気になるが、俺自身が「何読んでるの?」と質問されるのが苦手なので、逆に声をかけられない。
偏見かもしれないが、本を読んでいる人間にこの質問をするやつは、大抵本そのものには興味がないから、特に話題が膨らまないのだ。
佐倉は内心は分からないが、律義に答えていたし、時にはブックカバーを外して表紙を見せたりもしていた。
3年になってから初めて同じクラスになり、しかも隣の席になったので、その現場を目撃した俺は「人間ができているなあ」と感心した。
どうやら古今東西の文学作品を結構幅広く読んでいるようだ。
もし彼女と話をすることがあったら、特に好きな作家について聞いてみたいなとぼんやり考えた。
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