母がだんだん消えていく

あおみなみ

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4畳半リサイタル


 片付け作業中は音楽やラジオを聞くことが多い。

 母愛用の古いが現役のラジカセは、いつも地方AM局に周波数が合った状態だから、これを使ってもいいかなと思ったが、大体はYou TubeかラジコをBluetoothイヤホンで聞くようにしている。

 主な「戦場」であるダイニングキッチンにしろ寝室にしろ、音をさほど気にしなくていい(窓が面しているところに人が住んでいなかったり、少し離れていたり)けれど、スピーカーではなくてイヤホンで聞いてしまうのは、まあ自宅での習慣というか、「聞いているものを家族に知られるのが何となく恥ずかしい」というのがしみついているからだ(別にイロっぽいシチュエーションCDなどを聞いているわけではありませんが)。
 あとは、家族といえども部外秘が望ましい仕事用の音源をチェックすることも多いという事情もある。

◇◇◇

 話は少しさかのぼって。
 先月、母が低血糖で緊急搬送され、弟から連絡を受けたたとき、私は次女と一緒にカラオケに行っていた。
 一応歌い放題で入っていたので、私は3曲ほど歌ったところで自分の分の料金だけ置いて、「ごめん、あとは自由に歌っていいから」と中座した。
(結局3時間くらい歌ってから帰ったらしい。たまの休日なので、少しは楽しんでもらえたならよかった)

 カラオケでは大抵決まった歌を歌う。イコール「よく聞く曲」でもある。
 スマホのSDカード内に「カラオケ」フォルダをつくっていて、家でそれを聞いているときは、シャドーイングするように口ずさんでしまう。

 そう、実家の片づけ作業のときも例外ではない。
 要するに、スピーカーなんかなくても十分やかましいのだよ、この歌好きおばちゃんは。

【Playlist】

斉藤和義『君の顔が好きだ』『砂漠に赤い花』
PENGUIN RESEARCH 『ボタン』
KANA-BOON『まっさら』
大瀧詠一『さらばシベリア鉄道』
真心ブラザーズ『サマーヌード』
藍坊主『星のすみか』
フジファブリック『若者のすべて』
やくしまるえつこ『ルル』
BUMP OF CHICKEN『ハンマーソングと痛みの塔』
PSY・S『Lemonの勇気』
manzo 『マイペース大王 』『青春として』 
幸村精市(CV永井幸子)『エメラルドライン』
R.E.M. 『Shiny Happy People 』
tacica『aranami』

アニソン多目、微妙に古いのはご容赦を。

◇◇◇

 母は生前「私のCD全部あげる」と言っていたけれど、実は微妙に趣味に合わなかったりする(微妙にであって「絶対無理」でもないのがミソ)。

 たまにはオフコースやら松山千春やらをBGMに作業してみようかな。
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