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あとがき

または「後出し」ともいう例のモノ

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『メイド・イン・ヘブン』をお読みいただき、まことにありがとうございます。

 閉ざされた環境で自分好みの女性を育てる変態男――みたいな話を、ある日突然書きたくなりました。いわゆるチャイルドグルーミングというやつですね。
 そんなものをなぜ書きたいと思ったか?答えは単純で、「二次元だから許される話」だと思っているからです。

 こんな男は子供のというより社会の敵ですから、実際にいたらひっらえて厳罰に処してほしいところですが、二次元の世界ならば、まるで美しい話であるかのように整えられます。

 ハッシュタグに「監禁」「軟禁」「ヤンデレ」なども入れたかったのですが、ネタバレになりそうと思い、代わりにちょっとした皮肉のつもりで「スパダリ」を入れました。
 だからそのハッシュタグから読んでくださった方には、本当に申し訳ないことをいたしました。ごめんなさい。

 さはさりながら、女性の中にも「理想的なメイド・イン・ヘブン男性に飼育されるように愛される環境」に憧れる気持ち、皆無といったらうそになるのではないかと思います。
 男女逆でも、同性でも成り立つイケナイ願望(飼育したい・されたい)はあるだろうなと想像します。

***

 「ベル」と「ナル」という名前は、脚韻を踏んだに過ぎませんが、「ナル」の由来は一応、英単語の“Null”(何もない)です。基本的に虚無な青年をイメージしました。
 ベルは、幼い頃の彼女の名前が「すず(鈴)」だからということで、簡単に解釈してくださったと思いますし、それ以上の意図はありません。

 ナルがベルのためだけに本を書く時のペンネーム「井奈田いなだ那留なる」は、本名かどうかを筆者本人も決めていません。

 この名前は、精神科医で作家だった「なだいなだ氏」に由来します。
 私自身がなだいなださんの本が好きというのもありますが、このペンネーム、ご存じの方も多いと思いますが、スペイン語で"nada y nada"(何もない そして 何もない)という独特な由来があります。

 小道具も舞台設定もバッチリだけれど、所詮ハリボテというか虚構――みたいな世界にしたかったのです。それこそが二次元のだいご味だと思いました。つまりとっかかりは、私なりの現代ファンタジーのつもりで書きだしたのです。

 ナルがこの先、アリサと「世間に認められる親子」としてやっていくために、いろいろと小細工が必要になりますし、アリサのためならそれも厭わずやるでしょう。

 ベルとナルは、10年以上あそこで暮らしていたのですから、最低2回くらいは「国勢調査員」という人が訪ねてきている可能性がありますが、ナルは多分、「単独世帯・薬剤師・名前テキトー」みたいな書類を提出したのではないかと思います(推奨するわけではありませんが、国勢調査というのは「リアルにこの国で暮らしている人数やその暮らし」を見るもので、戸籍があるか、住民登録をしているかとか、そういう次元の話とは少し違うので…)

 こんなことばかり考えている私に、そりゃファンタジーは無理ですね。
 お目汚し、大変失礼いたしました。
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