クロスロード

つよけん

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第一部ルート6「終焉」~それぞれの道~

戦闘7

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「二人はさすがに重いわね…。」

僕とシエルを両手で支えながら、アリルは浮遊していた。
先に穴に降りていったハクシを追いかける為に、アリルが僕達を連れて下降してくれる提案をしてくれる。
重さの関係上で上昇することは出来ないが、穴の奥へと下降するぐらいならば何とか降りる事が可能らしい。

ゆっくりと一つ目の穴をくぐり抜けると、そこは異様な光景が広がっていた。

「なにこれ…。」
「圧倒的な故人の数ね…。」

シエルとアリルがこの養殖場で俺とフィーレ以外の故人を実際に目にするのは初めてであろう…。
その空間には一つ一つ区切られたケージが3段縦に積みに重なっていて、一つの通路をびっしりと埋め尽くしていた。
その通路が何列も並んでいて故人がその中におびただしい程の圧倒的な人数が収容されていた。
正確にはわからないが雄と雌を合わせて約3000人~4000人程いるのではないだろうか。
何も感情が入っていないナマモノの器は、急に穴から降りてきた僕達の存在が余程珍しいらしく、ずっとこちらの様子を見つめている。

「私が見たかった好奇心がこの光景だと思うと、見た事を後悔しそう…。」

シエルは圧倒的なこの光景に気圧されて見るに堪えない顔で俯いていた。

「これが機人の普通なのよ…。この故人達を養殖し供給していかないと彼らは生きて行く事が出来ないの。そして…私達も同じく生きて行くのに必要な子孫を残す為には、この子達を連れて帰る事が普通なの。あなた達獣人には一切関係の無いことよ。」

アリルがシエルに対して現実を突きつける。
そうこうしているうちに、次の穴の前まで降りてきた。
シエルはアリルの言葉を受け止めつつ前向きに答える。

「私には関係ない事だけど、今できる事を精一杯やるわ。この子達の命の重みがアリルやハクシより軽いかも知れないけど、無駄な命はこの世に存在しないのだからクイナの自爆だけは絶対にさせてはいけない。」
「…それは同感ね。先を急ぎましょう。」

穴の一点に視線が集まる中、僕達は次の階層へと足を踏み入れた。
二つ目の穴をくぐり抜けると、真っ暗な空間が広がっている。

「この部屋は何だろう?」

僕は辺りをキョロキョロと見渡した。
よく見るとポツポツと小さな光がボヤッと見えている。
結局わからずじまいで次の穴の先へとくぐり抜ける。

次の部屋へ抜けると個性的な部屋が広がっていて、見た目は寝室じゃないだろうか。
ただ一箇所だけ生々しい大量の血痕が残されている。
シエルがおもむろに匂いを嗅ぎ言葉を発した。

「この血の匂いは…フィーレのものね…。」

その言葉でフィーレを失った悲しみが、再度込み上げてきた。
この場所で辛い想いをしていたのかと思うと、胸が激しく痛む…。
今は落ち込んでる暇は無いというのに…
何気なく顔を横に激しく振り悲しみの感情を払拭しようとした時だった。
ふとコンピュータのモニターの電源が付いているのが見える。
フィーレの最後の言葉が頭を過ぎった。

『「じ、自室の…コンピューター…か…ら…アクセ…スっ…。」』

フィーレはここにいた事。
コンピューターのモニターが付いている事。
邪魔だったフィーレをここで処分した事。
ここが自室だとすれば…あのコンピューターにアクセスすれば何かわかるかもしれない。
僕は居ても立っても居られなくなって行動を取ろうとする。

「ちょ、ちょっとアサト!急に動かないで!」
「ごめん!僕だけここに降ろして欲しい。」

血相を変えてアリルに訴えかけた。
アリルは空気を読んで次の穴へたどり着く手前で、一度翼を休めふわっと着地をする。

僕はすぐさま地に足をつけて、コンピュータの前まで駆け寄た。
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