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第一部ルート6「終焉」~それぞれの道~
終焉4
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「アリル!!!…何故…君まで無茶を…。」
アリルの仲間達に運ばれながら、僕は叫んでいた…。
止める言葉をかける暇もなく降下して行ったアリルには、僕の声は届いていないと思われる…。
「隊長なら大丈夫ですよ!信じて待ちましょう!」
アリルに対して絶大な信頼を持って、仲間の一人が話しかけてきた。
行ってしまった物はしょうがない部分もある。
ここは僕も信頼して『必ず戻る』と言う言葉を信じて待つ事にした。
そう思った直後だった。
下から爆音と共に爆風が吹き荒れる。
空中で僕達はバランスを崩し、なすがままに吹き飛ばされていく。
「うわぁ!!!」
…。
……。
………。
ハッと目が醒める。
どれだけ時間が経ったのだろうか…。
僕に重くのしかかった瓦礫の山を必死に押しのけて、その場に立ち上がった。
「ここは…。」
僕は辺りをキョロキョロと見渡す。
どうやら地下一階にある故人が大量に飼育されている場所へと放り込り出されていたみたいだ。
最初にこの部屋を見たときは、清潔感があったのだが、爆発の影響を受けて今は見る影もなく瓦礫で埋め尽くされている。
養殖されている故人達はケージに入れられているので、見える範囲での怪我人はいなさそうだ…。
「みんなを探さないと…。」
僕と同じようにみんなも瓦礫に埋もれていると信じて、大声を出しながら捜索を開始した。
周りの故人達が僕の声に驚いて、ざわめき怯え出す。
僕も知識が無かった頃はそうだったように気持ちはよくわかるが、今は我慢してもらって周りを歩き出した。
しばらく進むと瓦礫越しに何かを踏みつけた感触があった。
「ふにゃっ!?」
気の抜けた声が聞こえてきた。
「ちょっ、ちょっと!踏んでる踏んでる!痛いわよ!」
シエルの声が下から聞こえてくる。
僕はそこの瓦礫を掻き分けていき、シエルを救出する。
「あたたたっ…助けてくれてありがとう。」
シエルは腰辺りを撫りながら、状況把握をしている。
「みんなは?」
「わからない…。」
残念そうに僕は首を横に振った。
でも望みはない訳ではないので、僕はシエルと一緒に周りを捜索を開始する。
瓦礫の下で気を失っているのであろうか、こちらの呼びかけのには一切反応がなかった。
僕は諦めない心で何でもいいから手がかりがないか、周りをもう一度隈なく探した。
ふとケージの中に入っている故人の様子が無性に気になりだす。
シエルの鋭いツッコミが入る。
「アサト!こんな時に故人の裸をずっと眺めないでよ!」
「いや…ちょっとなんか手招きしてるように見えるんだ…。」
僕はその子の元へ歩みを進める。
「真面目にやんなさいよ!」
僕は何故か怒られているらしいが、気にせずに移動してきた。
その子の目線の先には、天人の特徴である翼が見えていた!
「シエル!発見したよ!」
シエルに理由をちゃんと説明して、ケージ内の故人の様子も手がかりとして捜索を開始する。
その後スムーズに事が運び、アリルの仲間達5人を無事に救出した。
「やっぱり…アリルとハクシの姿は、何処にもないか…。」
しばらく辺りを隈なく探すが、手がかりらしき物も何も発見出来なかった…。
「やっぱり…あの爆発に巻き込まれて…。」
落ち込んだ空気がどんよりと部屋を包んだ時だった。
「ちょっと!勝手に殺さないでくれる?」
予想外の箇所から声が聞こえてくる。
天井を見上げると、穴の向こう側にはボロボロの姿のアリルがこちらを覗いていた。
アリルの仲間達に運ばれながら、僕は叫んでいた…。
止める言葉をかける暇もなく降下して行ったアリルには、僕の声は届いていないと思われる…。
「隊長なら大丈夫ですよ!信じて待ちましょう!」
アリルに対して絶大な信頼を持って、仲間の一人が話しかけてきた。
行ってしまった物はしょうがない部分もある。
ここは僕も信頼して『必ず戻る』と言う言葉を信じて待つ事にした。
そう思った直後だった。
下から爆音と共に爆風が吹き荒れる。
空中で僕達はバランスを崩し、なすがままに吹き飛ばされていく。
「うわぁ!!!」
…。
……。
………。
ハッと目が醒める。
どれだけ時間が経ったのだろうか…。
僕に重くのしかかった瓦礫の山を必死に押しのけて、その場に立ち上がった。
「ここは…。」
僕は辺りをキョロキョロと見渡す。
どうやら地下一階にある故人が大量に飼育されている場所へと放り込り出されていたみたいだ。
最初にこの部屋を見たときは、清潔感があったのだが、爆発の影響を受けて今は見る影もなく瓦礫で埋め尽くされている。
養殖されている故人達はケージに入れられているので、見える範囲での怪我人はいなさそうだ…。
「みんなを探さないと…。」
僕と同じようにみんなも瓦礫に埋もれていると信じて、大声を出しながら捜索を開始した。
周りの故人達が僕の声に驚いて、ざわめき怯え出す。
僕も知識が無かった頃はそうだったように気持ちはよくわかるが、今は我慢してもらって周りを歩き出した。
しばらく進むと瓦礫越しに何かを踏みつけた感触があった。
「ふにゃっ!?」
気の抜けた声が聞こえてきた。
「ちょっ、ちょっと!踏んでる踏んでる!痛いわよ!」
シエルの声が下から聞こえてくる。
僕はそこの瓦礫を掻き分けていき、シエルを救出する。
「あたたたっ…助けてくれてありがとう。」
シエルは腰辺りを撫りながら、状況把握をしている。
「みんなは?」
「わからない…。」
残念そうに僕は首を横に振った。
でも望みはない訳ではないので、僕はシエルと一緒に周りを捜索を開始する。
瓦礫の下で気を失っているのであろうか、こちらの呼びかけのには一切反応がなかった。
僕は諦めない心で何でもいいから手がかりがないか、周りをもう一度隈なく探した。
ふとケージの中に入っている故人の様子が無性に気になりだす。
シエルの鋭いツッコミが入る。
「アサト!こんな時に故人の裸をずっと眺めないでよ!」
「いや…ちょっとなんか手招きしてるように見えるんだ…。」
僕はその子の元へ歩みを進める。
「真面目にやんなさいよ!」
僕は何故か怒られているらしいが、気にせずに移動してきた。
その子の目線の先には、天人の特徴である翼が見えていた!
「シエル!発見したよ!」
シエルに理由をちゃんと説明して、ケージ内の故人の様子も手がかりとして捜索を開始する。
その後スムーズに事が運び、アリルの仲間達5人を無事に救出した。
「やっぱり…アリルとハクシの姿は、何処にもないか…。」
しばらく辺りを隈なく探すが、手がかりらしき物も何も発見出来なかった…。
「やっぱり…あの爆発に巻き込まれて…。」
落ち込んだ空気がどんよりと部屋を包んだ時だった。
「ちょっと!勝手に殺さないでくれる?」
予想外の箇所から声が聞こえてくる。
天井を見上げると、穴の向こう側にはボロボロの姿のアリルがこちらを覗いていた。
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