クロスロード

つよけん

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第一部ルート6「終焉」~それぞれの道~

終焉5

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それは一瞬の出来事で何が起こったのか理解は出来なかった。

私の目の前が真っ白に包まれる。
もうダメだ…助からない…。
負のオーラをまといながら、この気持ちを払拭させるために、熱せられたハクシの体をぬいぐるみを抱きしめるかのようにギュッと力を入れ込んだ。

ドクンっ…

え?まだ生きてる…。

ドクンっ…ドクンっ…。

ハクシの心音は弱々しい鼓動だったが、確実に動いている感触を感じた。
私は何が何でも脱出しなければと言う気持ちが、焼け付くような熱さよりも沸騰し沸き上がってくる。
死んでいるだろうと思って遺体だけでも持って上がろうとした私だったが、生きているならば尚更生存させて地上に返してあげたい。
以前の私ならそんな事は絶対思っていなかったであろう。
嫌っている機人であるが、ハクシは別格だ。

思いが通じたのか一瞬だが白いモヤが少しクリアになった気がした。
運命に導かれるように、目の前に鉄柵が熱で溶けた通気口が現れる。
私は無我夢中でその中へ飛び込んだ。

この間の経過時間…約3秒程の出来事である。

乱れ狂う熱風と爆風は、通気口を駆け上がる。
それを上手く利用して翼に絡ませつつ、私自身も上昇をしていった。
私は途中でオーバースピードにより、空中でバランスを崩して激しく壁へと叩きつけられた。
そこで記憶はなくなっていた。

…。

遠くの方で誰かが私を呼んでいる…。
ゆっくりと重い瞼を開かせ瞳に光を集めた。
ぼやけた視界をクリアに映すには、そう時間がかからなかった。

「え?…。」

目の前にハクシの焼けただれた顔が、にっこりと微笑みながら掠れた声でこちらに訴えかけていた。

「38回呼びかけたんだが、やっと起きたか…。」
「顔が近いわよ!」

私はびっくりして、ハクシを放り投げた。
ハクシは手足がない状態で無造作に転がっていく。

「あぁ!ごめん!とっさに投げちゃった。」

今まで抱きしめて居たのだから、必然的に顔が近いのも当たり前だった。
転がって仰向けに止まったハクシは、上の空で言葉を紡いだ。

「まだ生きている事が不思議だ。」
「それはこっちのセリフよ!」

しばしの沈黙の末に、共に笑いが噴き出した。
何を面白い事を言った訳でもないが、きっと共に生きている事についての共感が表にでたのであろう。

「ん?何か聞こえないか?」

ハクシが笑い終わった後に、何かの音を耳にした。
私も聞き耳を立てて聞いてみる。
確かに誰かかの声がしている。
私はうっすらと聞こえた声がする方向へ歩み寄ると、床に開いた穴の奥を覗き込んだ。
そこには、爆発に巻き込まれたものの、無事であったみんなの姿があった。
どうやら私達を探しているようだ。

「やっぱり…あの爆発に巻き込まれて…。」

なにやら諦めそうな雰囲気に口を挟む。

「ちょっと!勝手に殺さないでくれる?」

私は穴の向こう側のアサト・シエル・そして小隊の仲間達がこちらを見てくれている事に安堵を浮かべた。
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