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つよけん

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第一部ルート6「終焉」~それぞれの道~

終焉9 ~シエルの決意~

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私は森の中で夜を明かしていた。
もう昼ごろだろうか…。
眠ることも無くひたすら焦点が合わない細い目を一点に集中させていた。
重力に逆らうように顔が横へと傾き、肩に触れそうで触れない位置をずっとキープしている。
考えれば考えるほど何をしていいのかわからない…。

アサトの事…。
両親の事…。
村を追放された事…。

何もかもがごちゃごちゃしてしまい、ループして真っ白になる。
ため息も忘れるぐらいの真っ白な頭。
このまま溶けてなくなってしまえば、楽になるのじゃないだろうか…。

「…sエル…。」

誰かに呼ばれた気がしたが、気のせいだろう…。

「…シエルってば…。」

確実に誰かが私を呼んでいる。
こんな場所まで誰だろう…。
もの好き居るもんだと思い込む。
頭の白い世界が私の思考能力を奪っていた事に気づいたのは、そう長くは無かった。

「起きろ!シエル!!!」

私は突然の大声にビクッと背筋から跳ね上がった。

「ひにゃっう!!!」

私は声を上げて、首に激痛が走った!
ずっと同じ姿勢で居たせいで、寝違いに近い痛みが襲ってきた。
首をさするながら、声をする方へと首を…痛かったので体を向けると…。

「や、やぁ」

私の予想外の反応に対して驚きながら手を遠慮がちにあげたポルテの姿があった。

「え?なんでこんな所に、ポルテがココにいるの?」
「本当はダメなんだけど、頼まれ事があったから会いにきた…。」
「頼まれ事?」

ポルテは一冊の本を差し出す。

「アサトとが何故か僕の家まで押しかけてきて、これをシエルに渡して欲しいと頼まれたんだ…。」

その本はフォレストの森だった。

「なっ、なんでアサトがこれを?」
「自分では渡せそうに無いからって、何度も頼まれたよ…。何故かと聞かれると、何も聞いてないからわからない…。」

ポルテは迷惑そうな顔をしながら、引きずり笑いを浮かべる。
私はフォレストの恋をじっと見つめた。

「さて…僕の役目はここまで…。」
「ちょっとまって。あんたは、何か処分されなかったの?」
「シエルみたいに重い処分じゃなかったけど、一年間鉱山の強制労働させられる事になった。」

あれだけ力仕事を嫌っていたポルテだ、それだけ重みは感じ取れる。
そう言って私に背を向けて立ち去ろうとした。
私は何も言えずに、黙ってポルテを見つめる事しかできない。
ぐっと握りこぶしに力を入れてふるふると揺れていた。
何かを察した様に、ポルテは途中で歩みを止めて、こちらを向かずに言葉を発した。

「考えても答えがでないなら、がむしゃらに行動してみてもいいんじゃない?少なくともアサトは前を向いて行動してるみたいだよ…。」

どう言う事?
回答を聞こうと思った時には、ポルテの姿は森の奥へと消えていった。
ため息が出る。
何が言いたいのか今の自分には理解が全く出来なかった。
顔を振り雑念を払おうとした時に、フォレストの恋の本の間から紙が一枚落ちた事に気づく。
それを拾い上げ、中身を確認した。

「汚い文字…。」

アサトからのメッセージである。

『僕は自分がわかりません。なので旅に出ます。目的は無くとも、きっとなのにか見つかると信じて。だからシエルも今はごちゃごちゃかもしれないけど、前に進む事で見える物もあるかもしれない。お互い頑張ろう。持ってきちゃダメかもしれないけど、フォレストの恋を渡します。文献がいっぱいあった場所は半分以上が読めなくなっている中、これだけはほぼ無傷で堂々と本棚にありました。何か役に立つかわかりませんが、きっとシエルの側にいた方が良い気がします。最後まで訳せる事を願ってます。今までありがとう、そしてごめんなさい…。」

さてはポルテ…これを読んだな…。
冗談が頭によぎりながらも、涙が溢れてくる。
この数日で私は何回泣いたのだろうか…。
本当にアサトには悪い事をしたと後悔をする。
私の事をこれだけ思ってくれているのに、ただ一方的に拒絶してアホらしさが蘇る。
実際に会って、ちゃんと謝ろうと心に決めた。

私は建造物のある方向へ必死に走り出す。
森を颯爽さっそうと駆け抜けて開けた場所へと10分程度走ってやってきた。
肩で息をしながら、呼吸を整え周りを見渡した。
しかし、あれだけ大勢の故人がいたはずの場所には、焚き火の燃えカスが無数にあるだけで誰もいなかった。

「遅かった…。」

私はその場にしばらくの間だけ、立ち尽くしていた。
それではダメだと顔を横に降る。
さっきまでの考えと明らかに違う前向きな発想が生まれていた。
考えていても仕方ない事に気づき…

「よし!」

考える事を吹っ切って、自分に気合を入れるべく顔を全力で叩く。
予想以上に痛かったが、なんだかスッキリした。

「いつ巡り会えるかわからないけど、アサトを追いかけて旅をしよう。謝りたいってだけだけど…理由なんてなんでもいいよね!」

そして…私の途方も無い旅が幕を上げる。
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