妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

ワールド

文字の大きさ
10 / 13

第10話

しおりを挟む
 マルスの心は怒りと失望で満ちていた。マルナールを前にすると、彼は直接的に問い詰めた。

「お前の自己中心的な行動が彼女をどれほど傷つけたと思っている?」

 マルナールは一瞬たじろいだが、すぐに反論した。

「何回も言うけど、リリアナはエミリアよりも魅力的だったんだ」

 彼はリリアナを擁護し、自分の行動を正当化しようとした。

 マルスは彼の言葉に憤りを感じた。

「お前の浅はかな行動が、エミリアをどれほど苦しめたかわからないのか? 彼女は家族だったんだぞ!」

 彼は兄としての責任感を強調しながら、マルナールの無責任さを非難した。

 マルナールは自分を守ろうとしつつも、マルスの怒りの前に言葉を失った。

「でも、リリアナは……」

 彼は言いかけたが、マルスはそれを遮った。

「リリアナがどうだろうと、エミリアに対してしたことは許されることではない! お前の選択が彼女の人生を狂わせたんだ」

 最終的に、マルスはマルナールに対して深い失望を表明し、彼の屋敷を後にした。

「エミリアはもうお前のことなど考えていない、私は彼女を守る……それが兄として、家族としての責任だ」


 マルスはマルナールの屋敷に足を踏み入れ、彼に直面した。彼の目は怒りで燃えていた。

「なぜエミリアをこんなに苦しめるんだ? お前の考え方は全く理解できない」

 マルナールは守りに入りながらも反発した。

「エミリアとリリアナ、私は自分の選択をしただけだ。それが何か問題でも?」

 マルスの顔に失望の色が浮かんだ。

「問題だとも……エミリアは家族だった。お前の浅はかな選択が彼女をどれほど傷つけたか、考えたことがあるのか?」

 マルナールはマルスの言葉に反発を強めた。

「それがどうした、リリアナの方が魅力的だったんだから、それでいいじゃないか」

 マルスの怒りは沸点に達した。

「魅力的かどうかが問題じゃない、家族としての責任、人としての思いやりが問題なんだ」

「俺の弟として恥ずかしい」

 マルスは冷静さを保ちつつも、マルナールを厳しく非難した。

「まぁどうなるか覚えていろ。エミリアの気持ちを少しは考えろ」

 マルナールは、マルスの厳しい言葉に動揺しながらも、自分の立場を堅持した。

「わかってる、俺のやったことがエミリアにどれだけ影響を与えたか……でも、もう後には引けないんだ」

 彼の声は謝罪の色を含みつつも、決断の固さを示していた。

「今の花嫁はリリアナだから、それが全てだ」

 彼の言葉は、自己正当化と同時に、ある種の諦めも含んでいた。

 マルスは弟の言葉に深い失望を感じ、さらに彼の状況を憂慮した。

「リリアナに逃げるな! エミリアに対する責任を忘れるな」

 しかし、マルナールは頑なに自分の選択を正当化し続けた。

「俺の選んだ道だ! リリアナと一緒にいることが、俺にとって正しいんだ」

 このやり取りの末に、マルスはマルナールの屋敷を去り、二人の間には深い溝が生まれた。
 マルナールの言葉は、彼が選んだ道に対する強い決意を示していたが、同時に彼の内面にある葛藤と苦悩も露わにしていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】妹ばかり愛され追い出された姉ですが、無口な夫と暮らす日々が幸せすぎます

コトミ
恋愛
 セラフィナは、実の親と、妹によって、家から追い出されることとなった。セラフィナがまだ幼い頃、両親は病弱なカタリナのため設備環境が良い王都に移り住んだ。姉のセラフィナは元々両親とともに住んでいた田舎に使用人のマーサの二人きりで暮らすこととなった。お金のない子爵家な上にカタリナのためお金を稼がなくてはならないため、子供二人を王都で暮らすには無理があるとセラフィナだけ残されたのだ。そしてセラフィナが19歳の時、3人が家へ戻ってきた。その理由はカタリナの婚約が上手くいかず王宮にいずらくなったためだ。やっと家族で暮らせると心待ちにしていたセラフィナは帰宅した父に思いがけないことを告げられる。 「お前はジェラール・モンフォール伯爵と結婚することになった。すぐに荷物をまとめるんだ。一週間後には結婚式だ」  困惑するセラフィナに対して、冷酷にも時間は進み続け、結婚生活が始まる。

妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです

hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。

【完結】私のことを愛さないと仰ったはずなのに 〜家族に虐げれ、妹のワガママで婚約破棄をされた令嬢は、新しい婚約者に溺愛される〜

ゆうき
恋愛
とある子爵家の長女であるエルミーユは、家長の父と使用人の母から生まれたことと、常人離れした記憶力を持っているせいで、幼い頃から家族に嫌われ、酷い暴言を言われたり、酷い扱いをされる生活を送っていた。 エルミーユには、十歳の時に決められた婚約者がおり、十八歳になったら家を出て嫁ぐことが決められていた。 地獄のような家を出るために、なにをされても気丈に振舞う生活を送り続け、無事に十八歳を迎える。 しかし、まだ婚約者がおらず、エルミーユだけ結婚するのが面白くないと思った、ワガママな異母妹の策略で騙されてしまった婚約者に、婚約破棄を突き付けられてしまう。 突然結婚の話が無くなり、落胆するエルミーユは、とあるパーティーで伯爵家の若き家長、ブラハルトと出会う。 社交界では彼の恐ろしい噂が流れており、彼は孤立してしまっていたが、少し話をしたエルミーユは、彼が噂のような恐ろしい人ではないと気づき、一緒にいてとても居心地が良いと感じる。 そんなブラハルトと、互いの結婚事情について話した後、互いに利益があるから、婚約しようと持ち出される。 喜んで婚約を受けるエルミーユに、ブラハルトは思わぬことを口にした。それは、エルミーユのことは愛さないというものだった。 それでも全然構わないと思い、ブラハルトとの生活が始まったが、愛さないという話だったのに、なぜか溺愛されてしまい……? ⭐︎全56話、最終話まで予約投稿済みです。小説家になろう様にも投稿しております。2/16女性HOTランキング1位ありがとうございます!⭐︎

甘やかされた欲しがり妹は~私の婚約者を奪おうとした妹が思わぬ展開に!

柚屋志宇
恋愛
「お姉様の婚約者ちょうだい!」欲しがり妹ルビーは、ついにサフィールの婚約者を欲しがった。 サフィールはコランダム子爵家の跡継ぎだったが、妹ルビーを溺愛する両親は、婚約者も跡継ぎの座もサフィールから奪いルビーに与えると言い出した。 サフィールは絶望したが、婚約者アルマンディンの助けでこの問題は国王に奏上され、サフィールとルビーの立場は大きく変わる。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。 ★2025/11/22:HOTランキング1位ありがとうございます。

【完結済み】妹の婚約者に、恋をした

鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。 刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。 可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。 無事完結しました。

お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?

朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。 何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!   と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど? 別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)

幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。 そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。 たった一つボタンを掛け違えてしまったために、 最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。 主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?

婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません

天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。 ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。 屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。 家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。

処理中です...