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第21話 黒髪の影、畑の端で
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風が畑を渡り、“初恋草”の若葉がさらさらと音を立てた。
王都から戻ってきて幾日か――わたくしはいつものように籠を片手に、朝の見回りをしていた。泥の匂い、陽に温められた木の匂い、そしてかすかなミントの香り。これらが混ざると、不思議と胸が落ち着くのだから現金なものだ。
「――すまない、ここはヴァレンティーヌ嬢の畑か?」
声の方へ振り向くと、畝の端に黒い外套の男が立っていた。長い前髪が影を落とし、瞳だけがやけに静かだ。朝日を背にした輪郭は、少し荒んでいて、それでいて場違いなほど整ってもいる。
「ええ、そうですわ。所有者本人の立会いのもと、いまから“抜き取り審査”を執行いたしますけれど、あなたはどなた?」
「……レオン。旅の者だ」
短い名乗り。靴は擦り減っているが、歩き方は軽い。畝を踏まぬように進む足取りに、田舎の人間ではない癖がのぞく。
――訓練された足さばき。兵、あるいは……騎士?
「旅の方にしては、畑の歩き方をご存じのようね」
「失礼のない範囲で学んだ」
「まあ、礼儀を知る旅人。珍しい標本ですの。観察用に一人は欲しかったところ」
男は一瞬だけ口元を緩めた。笑うと年相応の若さが出る。その笑みが、どこか懐かしい。
――どこで、この声を……?
「用件を伺いますわ、レオンさん。畑の見物だけでしたら入場料をいただきます」
「入場料?」
「わたくしの気分が良くなるような言葉。さしあたり、紅茶――いえ、ハーブティーの誉め言葉などが無難ですわね」
「……辺境の風に合う香りだ。甘いが、泥の重みを忘れさせない」
「まあ。点数を差し上げますわ。七十五点」
「厳しい」
「貴族の採点基準は厳正ですもの」
軽口の応酬に、畑の端でマリオが目を丸くしている。「誰だ、あの黒いの……」とひそひそ。アデラおばあちゃんは腰に手を当て、「あの目は、遠くを見とる目じゃ」とだけ言った。遠く。つまり、過去か未来か――いずれにせよ、面倒な類いだ。
わたくしは籠を置き、扇子をぱちんと開いた。
「さて、旅のレオンさん。あなたが畑の端に立っている理由は、なんですの?」
「……護りたかった」
「ほう。また詩人が増えましたわ」
「ここ数日、森に獣が降りてきている。昨夜も畝の外の足跡を見た。爪痕が深い。人が噛まれれば厄介だ」
差し出されたのは泥のついた布。そこに刻まれた斜めの傷――確かに、猪にしては間隔が狭い。狼、かもしれない。
王都で“香り”の戦に明け暮れていた感覚が、土の上に戻っても消えていないことに、少しだけ苦笑する。
「忠告感謝しますわ。では、対策を。……マリオ、結界を張ります」
「けっ……かい?」
「煙と香りの結界ですの。獣は鼻で世界を判断しますからね」
灰桶、乾いたセージ、松脂。わたくしは慣れた手つきで火を起こし、青白い煙を立たせる。風下に沿って土手へと誘導しながら、香を弱く漂わせる。強すぎれば人もむせる。弱ければ獣が笑う。ほどよく、ほどよく――。
「手際がいい」
レオンの低い声。
「貴族は段取りですの。舞踏会も畑も、足運びが九割」
「……なるほど」
煙が帯になって森へ伸びる。わたくしは袖をまくり、杭を打つマリオに合図を送りながら、ふと背中に視線を感じた。
彼が見ている。わたくしの手つきではなく――わたくしそのものを。
「じろじろ見るのは有料ですのよ」
「失礼。美しい所作だった」
「――八十五点まで上がりましたわ」
午後、手が空くとレオンは小屋までついてきた。彼は扉の前で足を止め、まるで儀礼のように一礼する。
「入っていいか」
「泥を落としてから。わたくしの“優雅”は床から育ちますの」
湯を沸かし、初恋草に少しラベンダーを混ぜる。雨のあとで神経がささくれ立ちやすい日こそ、柔らかい鎮静が必要だ。蒸気が立ちのぼると、彼はわずかに目を細めた。剣先に指を当てたような、慎重な動き――やはり、兵の癖。
「どうぞ。辺境式ティー・セレモニーでございます」
「礼を言う。……温度が絶妙だ」
「舌が肥えていらっしゃる。旅人の割に」
沈黙。
彼はカップの縁に指をかけたまま、言葉を探すように息を整えた。
「ヴァレンティーヌ嬢」
「クラリッサで結構ですわ。あなたも旅の詩人ではなく、何かを背負った目をしている。長い名乗りは、まだ先にいたしましょう」
「……なら、短く問う。俺をこの村に置いてくれるか」
カップが卓上で小さく鳴った。
「宿の話? 働けます?」
「畑の見回り、夜の見張り、獣狩り。鍛冶の手伝いも少し」
「……多芸ですわね。多芸な旅人に村は慣れていませんの。警戒はします」
「当然だ」
わたくしは彼の目を見る。濁りはない。だが、澄みきってもいない。湖面の下に沈んだ月のような、ゆらぎ。
――この手の目は、嘘はつかない。ただ、全部は言わない。
「条件がございます」
「聞こう」
「一つ。畑の中では剣を抜かないこと。二つ。子どもたちの前では声を荒げないこと。三つ目――わたくしのブレンドを“草汁”と呼ばないこと」
「三つ目が一番難しい」
扇子の陰で笑うと、彼はわずかに肩を落とし、そしてうなずいた。
「約束する」
契約成立――と内心で印を押した矢先、外から短い悲鳴が走った。マリオの声だ。
わたくしたちは同時に立ち上がる。レオンが外套の内側に手を伸ばしたのを、わたくしは手で制した。
「剣は、畑の外で」
「……心得た」
駆け出す。畑の端、杭を打った先で、土が大きく抉れている。泥の中に浅い三本爪。――狼。しかも群れの先遣い。
香の帯は機能しているが、別の風穴を見つけたらしい。
「マリオ、下がって。アデラ、火を――!」
叫びながら、わたくしは腰の小袋を引いた。乾いた実――強い苦味を持つ野生の種。砕けば鼻を刺す。
正面の藪がさわ、と揺れ、灰色の影が低く構えた。金の眼。喉の奥でくぐもった音。
「レオン、右側の窪地を塞いで。風を切れば香りが回ります!」
返事は短く、「任せろ」。
彼は土手を二歩で駆け上がり、落ち葉を蹴って風を起こす。外套がはためき、煙が渦を巻く。狼が鼻を鳴らして一歩退いた瞬間、わたくしは種を砕き、指で円を描くように散らした。刺激臭が一気に広がり、獣の耳が伏せる。さらにセージの束に火を移し、煙の柱を細く立てて“壁”を作った。
「いま――!」
レオンが石を叩き、甲高い音を鳴らす。狼の視線がそちらへ跳ね、わたくしは香の壁を半歩前へ押し出した。灰の向こうで金の眼が、逡巡ののちに森へ退く。
……去った。
「はあ……成功、ですわね」
膝の力が少し抜けた。マリオが「すげぇ!」と跳ね、アデラが胸を撫で下ろす。
レオンは土の上で息を整えながら、わたくしを見た。
「剣より早いやり方だ」
「わたくし、血の匂いは嫌いですの」
言いながら、自分の指先にほんの僅かな震えを見つけた。戦は戦。香りであれ土であれ、心のどこかは冷たくなる。
レオンが視線でそれを拾ったのか、低く短く言った。
「大丈夫だ」
その声音が、意外なほど柔らかい。
――この声、やはりどこかで……。
夕暮れが降りてくる。香の壁を弱め、風に溶かしながら、わたくしは彼に向き直った。
「レオンさん。暫定的に、この村の“夜の見張り”をお願い致しますわ。報酬は宿と食事――それから、わたくしの指導つき」
「指導?」
「畑歩きと香りの常識講座。貴族式ですのよ」
彼は小さく笑い、右手を差し出した。
「契約成立だ、クラリッサ」
握手。手のひらは硬いが、温度は静かだ。
そのとき、外套の袖がずれ、手首に淡い傷跡がのぞいた。細く長い、剣の稽古でつく線ではない。昔の鎖の痕――拘束の跡。
「……旅の方は、ずいぶん重い荷をお持ちですのね」
「軽くするために、ここに来た」
「ではまず、荷ほどきから始めましょう。泥と香りは、重荷をほどく天才ですの」
小屋へ戻る道すがら、初恋草の香りが夕風に揺れた。
その香りの中で、わたくしは心のどこかがわずかにきしむのを感じる。懐かしさに似て、怖さにも似た――甘くて、危険な予感。
「レオンさん」
「なんだ」
「あなた、本当にただの旅人ですの?」
半歩、沈黙。
彼は空を見て、短く答えた。
「今は――ただの旅人だ」
“今は”。
わたくしは笑って扉を開けた。
「では、“今から”は、村の見張りですわ。いらっしゃいませ。不審者さん」
木の扉が閉まる寸前、遠い森の奥で狼の遠吠えがひとつ、細く途切れた。
夜が来る。畑に灯りがともる。
そして、黒髪の不審者の影が、わたくしの新しい日常の輪郭に静かに重なっていった。
王都から戻ってきて幾日か――わたくしはいつものように籠を片手に、朝の見回りをしていた。泥の匂い、陽に温められた木の匂い、そしてかすかなミントの香り。これらが混ざると、不思議と胸が落ち着くのだから現金なものだ。
「――すまない、ここはヴァレンティーヌ嬢の畑か?」
声の方へ振り向くと、畝の端に黒い外套の男が立っていた。長い前髪が影を落とし、瞳だけがやけに静かだ。朝日を背にした輪郭は、少し荒んでいて、それでいて場違いなほど整ってもいる。
「ええ、そうですわ。所有者本人の立会いのもと、いまから“抜き取り審査”を執行いたしますけれど、あなたはどなた?」
「……レオン。旅の者だ」
短い名乗り。靴は擦り減っているが、歩き方は軽い。畝を踏まぬように進む足取りに、田舎の人間ではない癖がのぞく。
――訓練された足さばき。兵、あるいは……騎士?
「旅の方にしては、畑の歩き方をご存じのようね」
「失礼のない範囲で学んだ」
「まあ、礼儀を知る旅人。珍しい標本ですの。観察用に一人は欲しかったところ」
男は一瞬だけ口元を緩めた。笑うと年相応の若さが出る。その笑みが、どこか懐かしい。
――どこで、この声を……?
「用件を伺いますわ、レオンさん。畑の見物だけでしたら入場料をいただきます」
「入場料?」
「わたくしの気分が良くなるような言葉。さしあたり、紅茶――いえ、ハーブティーの誉め言葉などが無難ですわね」
「……辺境の風に合う香りだ。甘いが、泥の重みを忘れさせない」
「まあ。点数を差し上げますわ。七十五点」
「厳しい」
「貴族の採点基準は厳正ですもの」
軽口の応酬に、畑の端でマリオが目を丸くしている。「誰だ、あの黒いの……」とひそひそ。アデラおばあちゃんは腰に手を当て、「あの目は、遠くを見とる目じゃ」とだけ言った。遠く。つまり、過去か未来か――いずれにせよ、面倒な類いだ。
わたくしは籠を置き、扇子をぱちんと開いた。
「さて、旅のレオンさん。あなたが畑の端に立っている理由は、なんですの?」
「……護りたかった」
「ほう。また詩人が増えましたわ」
「ここ数日、森に獣が降りてきている。昨夜も畝の外の足跡を見た。爪痕が深い。人が噛まれれば厄介だ」
差し出されたのは泥のついた布。そこに刻まれた斜めの傷――確かに、猪にしては間隔が狭い。狼、かもしれない。
王都で“香り”の戦に明け暮れていた感覚が、土の上に戻っても消えていないことに、少しだけ苦笑する。
「忠告感謝しますわ。では、対策を。……マリオ、結界を張ります」
「けっ……かい?」
「煙と香りの結界ですの。獣は鼻で世界を判断しますからね」
灰桶、乾いたセージ、松脂。わたくしは慣れた手つきで火を起こし、青白い煙を立たせる。風下に沿って土手へと誘導しながら、香を弱く漂わせる。強すぎれば人もむせる。弱ければ獣が笑う。ほどよく、ほどよく――。
「手際がいい」
レオンの低い声。
「貴族は段取りですの。舞踏会も畑も、足運びが九割」
「……なるほど」
煙が帯になって森へ伸びる。わたくしは袖をまくり、杭を打つマリオに合図を送りながら、ふと背中に視線を感じた。
彼が見ている。わたくしの手つきではなく――わたくしそのものを。
「じろじろ見るのは有料ですのよ」
「失礼。美しい所作だった」
「――八十五点まで上がりましたわ」
午後、手が空くとレオンは小屋までついてきた。彼は扉の前で足を止め、まるで儀礼のように一礼する。
「入っていいか」
「泥を落としてから。わたくしの“優雅”は床から育ちますの」
湯を沸かし、初恋草に少しラベンダーを混ぜる。雨のあとで神経がささくれ立ちやすい日こそ、柔らかい鎮静が必要だ。蒸気が立ちのぼると、彼はわずかに目を細めた。剣先に指を当てたような、慎重な動き――やはり、兵の癖。
「どうぞ。辺境式ティー・セレモニーでございます」
「礼を言う。……温度が絶妙だ」
「舌が肥えていらっしゃる。旅人の割に」
沈黙。
彼はカップの縁に指をかけたまま、言葉を探すように息を整えた。
「ヴァレンティーヌ嬢」
「クラリッサで結構ですわ。あなたも旅の詩人ではなく、何かを背負った目をしている。長い名乗りは、まだ先にいたしましょう」
「……なら、短く問う。俺をこの村に置いてくれるか」
カップが卓上で小さく鳴った。
「宿の話? 働けます?」
「畑の見回り、夜の見張り、獣狩り。鍛冶の手伝いも少し」
「……多芸ですわね。多芸な旅人に村は慣れていませんの。警戒はします」
「当然だ」
わたくしは彼の目を見る。濁りはない。だが、澄みきってもいない。湖面の下に沈んだ月のような、ゆらぎ。
――この手の目は、嘘はつかない。ただ、全部は言わない。
「条件がございます」
「聞こう」
「一つ。畑の中では剣を抜かないこと。二つ。子どもたちの前では声を荒げないこと。三つ目――わたくしのブレンドを“草汁”と呼ばないこと」
「三つ目が一番難しい」
扇子の陰で笑うと、彼はわずかに肩を落とし、そしてうなずいた。
「約束する」
契約成立――と内心で印を押した矢先、外から短い悲鳴が走った。マリオの声だ。
わたくしたちは同時に立ち上がる。レオンが外套の内側に手を伸ばしたのを、わたくしは手で制した。
「剣は、畑の外で」
「……心得た」
駆け出す。畑の端、杭を打った先で、土が大きく抉れている。泥の中に浅い三本爪。――狼。しかも群れの先遣い。
香の帯は機能しているが、別の風穴を見つけたらしい。
「マリオ、下がって。アデラ、火を――!」
叫びながら、わたくしは腰の小袋を引いた。乾いた実――強い苦味を持つ野生の種。砕けば鼻を刺す。
正面の藪がさわ、と揺れ、灰色の影が低く構えた。金の眼。喉の奥でくぐもった音。
「レオン、右側の窪地を塞いで。風を切れば香りが回ります!」
返事は短く、「任せろ」。
彼は土手を二歩で駆け上がり、落ち葉を蹴って風を起こす。外套がはためき、煙が渦を巻く。狼が鼻を鳴らして一歩退いた瞬間、わたくしは種を砕き、指で円を描くように散らした。刺激臭が一気に広がり、獣の耳が伏せる。さらにセージの束に火を移し、煙の柱を細く立てて“壁”を作った。
「いま――!」
レオンが石を叩き、甲高い音を鳴らす。狼の視線がそちらへ跳ね、わたくしは香の壁を半歩前へ押し出した。灰の向こうで金の眼が、逡巡ののちに森へ退く。
……去った。
「はあ……成功、ですわね」
膝の力が少し抜けた。マリオが「すげぇ!」と跳ね、アデラが胸を撫で下ろす。
レオンは土の上で息を整えながら、わたくしを見た。
「剣より早いやり方だ」
「わたくし、血の匂いは嫌いですの」
言いながら、自分の指先にほんの僅かな震えを見つけた。戦は戦。香りであれ土であれ、心のどこかは冷たくなる。
レオンが視線でそれを拾ったのか、低く短く言った。
「大丈夫だ」
その声音が、意外なほど柔らかい。
――この声、やはりどこかで……。
夕暮れが降りてくる。香の壁を弱め、風に溶かしながら、わたくしは彼に向き直った。
「レオンさん。暫定的に、この村の“夜の見張り”をお願い致しますわ。報酬は宿と食事――それから、わたくしの指導つき」
「指導?」
「畑歩きと香りの常識講座。貴族式ですのよ」
彼は小さく笑い、右手を差し出した。
「契約成立だ、クラリッサ」
握手。手のひらは硬いが、温度は静かだ。
そのとき、外套の袖がずれ、手首に淡い傷跡がのぞいた。細く長い、剣の稽古でつく線ではない。昔の鎖の痕――拘束の跡。
「……旅の方は、ずいぶん重い荷をお持ちですのね」
「軽くするために、ここに来た」
「ではまず、荷ほどきから始めましょう。泥と香りは、重荷をほどく天才ですの」
小屋へ戻る道すがら、初恋草の香りが夕風に揺れた。
その香りの中で、わたくしは心のどこかがわずかにきしむのを感じる。懐かしさに似て、怖さにも似た――甘くて、危険な予感。
「レオンさん」
「なんだ」
「あなた、本当にただの旅人ですの?」
半歩、沈黙。
彼は空を見て、短く答えた。
「今は――ただの旅人だ」
“今は”。
わたくしは笑って扉を開けた。
「では、“今から”は、村の見張りですわ。いらっしゃいませ。不審者さん」
木の扉が閉まる寸前、遠い森の奥で狼の遠吠えがひとつ、細く途切れた。
夜が来る。畑に灯りがともる。
そして、黒髪の不審者の影が、わたくしの新しい日常の輪郭に静かに重なっていった。
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