5 / 9
5 変わってしまった
しおりを挟む
フルードを殺す。そのために力をつけてきた。そのために生きてきた。
それでもまだ足りない。こんな程度の力ではまだフルードには届かない。
「俺は、間違ってないよな.....父さん.....」
『いいか、エルリック!力は――』
ふと、最後に聞いた父さんの声が頭によぎる。
あれ.....父さんは最後になんて言ってたんだっけ.....思い出せない.....
『いいか坊主、覚えておけ!本当の強さとはこの世の全てを破壊する力のことだっ!全ての生物を殺す、そのための強さだ!』
フルードに言われたことはすぐに思い出せるのに.....どうして.....
「力は自分のためじゃなくて誰かのために使え」
ふと声が聞こえて振り返ると、そこには柔らかく笑っているセレーネが立っていた。
「あなたのお父様が最後に残した言葉です」
「.....そうだったな」
セレーネは俺に近ずき俺の両手を包み込むようにして握る。
「今のあなたはどうです?なんのために戦っているんですか?」
「俺は、みんなを護るために――」
「嘘をおっしゃい。復讐のためでしょう」
俺が言い終わる前に、セレーネにそう言われる。
「先程、戦っている時のエルリックが一瞬、フルードと重なって見えたのです」
セレーネは俺を真っ直ぐ見つめてはっきりとした口調で語りかけてくる。
「このままではきっと、あなたもフルードのような戦うことしか考えられない怪物になってしまいます。それは絶対に嫌です」
「俺が、フルードに.....よせよ」
俺はセレーネの手を払って彼女に背を向ける。
「お願いです!!」
セレーネがいつになく取り乱して、俺に後ろから抱きつく。
「私、頑張りますから.....何でもしますから.....お願いです。昔の優しかったあなたに.....戻ってください.....」
彼女は涙ぐんだ声で俺にそう言う。
俺はどうすることも出来ずにただ黙っていることしか出来なかった。
その後、しばらくしてから俺はアラゴンが用意してくれた騎士団の寮に帰っていた。
バタン、とベットに倒れ込みセレーネに言われたことを思い出す。
『昔の優しかったあなたに.....戻ってください.....』
「俺自身は、変わったつもりなんてなかったんだけどな.....」
コンコン
急に窓がノックされて俺は現実に引き戻される。ここはそんなに低いかいでは階ではない。こんなことが出来るやつは.....
「セレーネか」
俺はため息をつきながら窓の方に向かう。
窓を開けるとそこにはモコモコのパジャマ姿のセレーネがいた。浮遊魔法でふわふわと器用に浮いている。
「寒いです。早く入れてください」
それでもまだ足りない。こんな程度の力ではまだフルードには届かない。
「俺は、間違ってないよな.....父さん.....」
『いいか、エルリック!力は――』
ふと、最後に聞いた父さんの声が頭によぎる。
あれ.....父さんは最後になんて言ってたんだっけ.....思い出せない.....
『いいか坊主、覚えておけ!本当の強さとはこの世の全てを破壊する力のことだっ!全ての生物を殺す、そのための強さだ!』
フルードに言われたことはすぐに思い出せるのに.....どうして.....
「力は自分のためじゃなくて誰かのために使え」
ふと声が聞こえて振り返ると、そこには柔らかく笑っているセレーネが立っていた。
「あなたのお父様が最後に残した言葉です」
「.....そうだったな」
セレーネは俺に近ずき俺の両手を包み込むようにして握る。
「今のあなたはどうです?なんのために戦っているんですか?」
「俺は、みんなを護るために――」
「嘘をおっしゃい。復讐のためでしょう」
俺が言い終わる前に、セレーネにそう言われる。
「先程、戦っている時のエルリックが一瞬、フルードと重なって見えたのです」
セレーネは俺を真っ直ぐ見つめてはっきりとした口調で語りかけてくる。
「このままではきっと、あなたもフルードのような戦うことしか考えられない怪物になってしまいます。それは絶対に嫌です」
「俺が、フルードに.....よせよ」
俺はセレーネの手を払って彼女に背を向ける。
「お願いです!!」
セレーネがいつになく取り乱して、俺に後ろから抱きつく。
「私、頑張りますから.....何でもしますから.....お願いです。昔の優しかったあなたに.....戻ってください.....」
彼女は涙ぐんだ声で俺にそう言う。
俺はどうすることも出来ずにただ黙っていることしか出来なかった。
その後、しばらくしてから俺はアラゴンが用意してくれた騎士団の寮に帰っていた。
バタン、とベットに倒れ込みセレーネに言われたことを思い出す。
『昔の優しかったあなたに.....戻ってください.....』
「俺自身は、変わったつもりなんてなかったんだけどな.....」
コンコン
急に窓がノックされて俺は現実に引き戻される。ここはそんなに低いかいでは階ではない。こんなことが出来るやつは.....
「セレーネか」
俺はため息をつきながら窓の方に向かう。
窓を開けるとそこにはモコモコのパジャマ姿のセレーネがいた。浮遊魔法でふわふわと器用に浮いている。
「寒いです。早く入れてください」
0
あなたにおすすめの小説
隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗利は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる