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第三章 ゼフス
30 本性
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「「ああああああああああああああああああ――」」
バッシャーン!!と大きな水しぶきをたてながらアーリスとゼフスは地下にできた泉の中に沈んでいった。
(痛ったいな!!もう!!早く上がらなきゃ……ん?)
アーリスは気を失って沈み続けているゼフスに気づく。
アーリスは躊躇うことなく、ゼフスに近づいて彼女ごと水面に引き上げる。
「ぷはっ!はぁはぁ……。ここは?」
アーリスは辺りを見渡すと、そこは淡く光っているとても広い洞窟の様な場所だった。
とりあえず一旦アーリスは泉から出てゼフスを寝かせる。
「服ビショビショ……。このままじゃ風邪ひくかも……Dランク特権を発動する――って剣がない!?」
どうやら、石の剣は泉に沈んでしまったらしい。
「DランクとCランク特権は武器がないと使えないからなー。どうしよう」
特権は、ランクが上がっていく事にできることが増えていく。
Dランクが使える特権は自身の持っている武器に自分のもつ固有能力を纏わせることくらいだ。
現在Dランクのアーリスは自分の固有能力である炎関係の力を剣に纏わせて戦っていた。
そして、Aランクにもなると、自分の固有能力に関係する物質を自由に生成できるようになる。
例えば現在Aランクのゼフスは植物を自由に生成して、植物のツルなどを使い、相手を拘束していた。
ちなみ最高ランクのSランク特権ともなると、もっと融通のきいたことができるようになる。
ちなみにアーリスの周りでSランクに到達しているのはエルミス、アフロディーティ、クロノス、そしてアーリスを追放したフェンガーリだ。
「……ん?」
どうしたものかと悩んでいたアーリスは、なにか禍々しいオーラに気づく。
それはどうやら、泉の反対側の岸から感じられる。
その禍々しいオーラがアーリスには不思議と心地よく感じられる。
アーリスは泳いで向こう側の岸まで行くとそこには古くて寂れた箱があった。
そして、その箱には文字が掘ってあった。
〈心に闇を抱え、大いなる悪意をもつ真の悪人にのみこの弓は心を許すだろう〉
もっとも、古代文字で書いてあったため、アーリスには読むことは出来なかったが。
アーリスは箱の中にあるなにかに呼ばれている様な気がして、そっと箱に手を触れる。
普通の人間や、中途半端な小悪党がこの箱に触れると、すぐさま吹き飛ばされてしまうのだが、アーリスには何もおきない。
その頃、アーリスとは反対側の岸にいるゼフスは目を覚ます。
「ん、ここは?」
ゼフスは辺りを見渡すと、そこには彼女にとって殺したいほど恨んでいる人物、アーリスがいた。
「ふふ、ここなら殺しても、バレないっすよね。Aランク特権を発動するっす」
そう言った瞬間、アーリスの周りに突如いくつのも植物ののツルが現れる。
そのツルはアーリスを拘束し、首を締め上げていく。
「ッッ!」
「はははははっ!そのまま無様に――」
『本当にこんなことして楽しいんすか?』
不意に、心の中の自分にそう問われる。
「……うるさい!うるさいうるさい!!平民はみんなクズっす!害虫っす!寄生虫っす!エルミス様は気づいてないけど、もうあの男に寄生されちゃってるんすよ!あの子みたいに!」
ゼフスは自分に言い聞かせるようにそう叫ぶと、再び笑いながら、間接的にアーリスの首を締め続ける。
(もう……ダメかも……)
アーリスが諦めかけたその時、急にアーリスの目の前の箱が光り輝く。
「な、なんすかこれは!?」
ゼフスはアーリスから目を逸らしてうずくまる。
ツルから解放されたアーリスは地面に叩きつけられ――なかった。
なぜなら受け止められたからだ。
黒髪のどこか人間離れした、雰囲気をもつ少女にアーリスは抱きとめられていた。
「……君は?」
「ЛОФННЛСИЖМЖЖЗЖ」
アーリスの質問に対して、少女はよく分からない言語で返す。
「ЛГМЁЁЛЁ……。ФГФГЖ」
少女は何かを言い残すと、少女の身体が光り輝く。
「うっ!な、何を!?」
アーリス目を開けると、そこには禍々しいしいオーラを放つ弓が落ちていた。
「さっきの子、なんだったんだろう?」
アーリスはその弓を持つととても自分の手に馴染むのを感じた。
「どんな手を使ったのか知らないっすけどこれで決めるっす!」
ゼフスは容赦なく、木の葉に覆われた斬撃をアーリスに飛ばす。
それと同時に、アーリスの手には突如矢が出てくる。
「弓は使ったことないんだけど、こうかな?」
アーリスが弓を引くと、邪悪なオーラが弓矢に集まっていくのを感じる。
「Dランク特権を……発動」
アーリスが矢を放つと、赤黒い炎を纏った矢が木の葉の斬撃とぶつかる。
バッシャーン!!と大きな水しぶきをたてながらアーリスとゼフスは地下にできた泉の中に沈んでいった。
(痛ったいな!!もう!!早く上がらなきゃ……ん?)
アーリスは気を失って沈み続けているゼフスに気づく。
アーリスは躊躇うことなく、ゼフスに近づいて彼女ごと水面に引き上げる。
「ぷはっ!はぁはぁ……。ここは?」
アーリスは辺りを見渡すと、そこは淡く光っているとても広い洞窟の様な場所だった。
とりあえず一旦アーリスは泉から出てゼフスを寝かせる。
「服ビショビショ……。このままじゃ風邪ひくかも……Dランク特権を発動する――って剣がない!?」
どうやら、石の剣は泉に沈んでしまったらしい。
「DランクとCランク特権は武器がないと使えないからなー。どうしよう」
特権は、ランクが上がっていく事にできることが増えていく。
Dランクが使える特権は自身の持っている武器に自分のもつ固有能力を纏わせることくらいだ。
現在Dランクのアーリスは自分の固有能力である炎関係の力を剣に纏わせて戦っていた。
そして、Aランクにもなると、自分の固有能力に関係する物質を自由に生成できるようになる。
例えば現在Aランクのゼフスは植物を自由に生成して、植物のツルなどを使い、相手を拘束していた。
ちなみ最高ランクのSランク特権ともなると、もっと融通のきいたことができるようになる。
ちなみにアーリスの周りでSランクに到達しているのはエルミス、アフロディーティ、クロノス、そしてアーリスを追放したフェンガーリだ。
「……ん?」
どうしたものかと悩んでいたアーリスは、なにか禍々しいオーラに気づく。
それはどうやら、泉の反対側の岸から感じられる。
その禍々しいオーラがアーリスには不思議と心地よく感じられる。
アーリスは泳いで向こう側の岸まで行くとそこには古くて寂れた箱があった。
そして、その箱には文字が掘ってあった。
〈心に闇を抱え、大いなる悪意をもつ真の悪人にのみこの弓は心を許すだろう〉
もっとも、古代文字で書いてあったため、アーリスには読むことは出来なかったが。
アーリスは箱の中にあるなにかに呼ばれている様な気がして、そっと箱に手を触れる。
普通の人間や、中途半端な小悪党がこの箱に触れると、すぐさま吹き飛ばされてしまうのだが、アーリスには何もおきない。
その頃、アーリスとは反対側の岸にいるゼフスは目を覚ます。
「ん、ここは?」
ゼフスは辺りを見渡すと、そこには彼女にとって殺したいほど恨んでいる人物、アーリスがいた。
「ふふ、ここなら殺しても、バレないっすよね。Aランク特権を発動するっす」
そう言った瞬間、アーリスの周りに突如いくつのも植物ののツルが現れる。
そのツルはアーリスを拘束し、首を締め上げていく。
「ッッ!」
「はははははっ!そのまま無様に――」
『本当にこんなことして楽しいんすか?』
不意に、心の中の自分にそう問われる。
「……うるさい!うるさいうるさい!!平民はみんなクズっす!害虫っす!寄生虫っす!エルミス様は気づいてないけど、もうあの男に寄生されちゃってるんすよ!あの子みたいに!」
ゼフスは自分に言い聞かせるようにそう叫ぶと、再び笑いながら、間接的にアーリスの首を締め続ける。
(もう……ダメかも……)
アーリスが諦めかけたその時、急にアーリスの目の前の箱が光り輝く。
「な、なんすかこれは!?」
ゼフスはアーリスから目を逸らしてうずくまる。
ツルから解放されたアーリスは地面に叩きつけられ――なかった。
なぜなら受け止められたからだ。
黒髪のどこか人間離れした、雰囲気をもつ少女にアーリスは抱きとめられていた。
「……君は?」
「ЛОФННЛСИЖМЖЖЗЖ」
アーリスの質問に対して、少女はよく分からない言語で返す。
「ЛГМЁЁЛЁ……。ФГФГЖ」
少女は何かを言い残すと、少女の身体が光り輝く。
「うっ!な、何を!?」
アーリス目を開けると、そこには禍々しいしいオーラを放つ弓が落ちていた。
「さっきの子、なんだったんだろう?」
アーリスはその弓を持つととても自分の手に馴染むのを感じた。
「どんな手を使ったのか知らないっすけどこれで決めるっす!」
ゼフスは容赦なく、木の葉に覆われた斬撃をアーリスに飛ばす。
それと同時に、アーリスの手には突如矢が出てくる。
「弓は使ったことないんだけど、こうかな?」
アーリスが弓を引くと、邪悪なオーラが弓矢に集まっていくのを感じる。
「Dランク特権を……発動」
アーリスが矢を放つと、赤黒い炎を纏った矢が木の葉の斬撃とぶつかる。
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