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自信を無くした少年と一緒にいたい仲間
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頭がぼんやりする。何も考えられない。
俺は一体、どうなったんだ。
俺はつい数時間前、モンスターの攻撃を受けた。それで、その後パーティのメンバーが護ってくれて……そこからの記憶がない。
『お前なんか誰からも必要とされていない』
声が聞こえてくる。聞き覚えがある声だ。でも誰かまでは分からない。
『今日だってモンスターの攻撃をくらってみんなの足を引っ張っていた。内心みんな呆れていたぞ』
確かに……そうかもしれない。でも俺達の絆は――
『絆?そんなことを思っているのはお前だけだ。みんな本当はお前のことが大嫌いだ』
そ、そんなことはない……
『いや、嫌いだ。リリナが言っていたぞ。お前は何の役にもたっていないと』
嘘だ……!そんなはずはない。リリナは幼なじみで近所に住んでるよく遊んでくれるお姉ちゃんみたいな存在で――
『今は違うだろ?彼女は勇者に選ばれ聖剣を引き抜いた。お前とは住む世界が違う』
……そうかもしれない。ってなんだ!?この思考が上書きされていくような感覚は……
違う!リリナもグレースも俺たちのパーティはみんな家族みたいな関係で――
『同じく勇者に選ばれたグレース、聖女に選ばれたライラ、かつての英雄の末裔であるジェーン、そして……何物でもないただのお前。釣り合ってないんだよお前は。このパーティーはこの私、じゃなかった。王子であるイール様にこそふさわしい』
この人の言葉が重く頭の中に響いてくる。思考が書き換えられていく……
……確かに。その通りだ。釣り合ってない。俺はパーティに……必要……ない……俺は無価値だ……なんの意味もない……一緒にいちゃ行けないんだ……イールこそがふさわしい……俺はいちゃいけないんだ……
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
「ようやく起きたか、ゴミ」
拠点のベッドで目を覚ますとそこにはイールがいた。
イールは俺たち幼なじみで構成された魔王討伐隊に急に入ってきた人物で……少なくとも俺よりはみんなの役にたっている。
「……イール、みんなのことを任せた。俺はこのパーティを抜けるよ」
とにかく早く出ていかなきゃ行けないような気がした。俺は足でまといだから早くみんなから離れなきゃ。
「くっ!ははははは!!どうやら洗脳は成功してい――なんでもない。そうだな善は急げだ。そろそろみんな帰ってくる頃だ。みんなに報告してこい」
「……わかった」
俺が部屋を出た瞬間に玄関の扉が開いた。
「……ッ!!フエル!傷はもう大丈夫なの?痛いところは?」
リリスが俺の……俺なんかの方に駆け寄って心配そうに身体のあちこちを見てくる。
きっと普段の俺なら、
(心配すんなって!)と答えていたのだろう。でも今考えたらおかしな話だ。
だって俺とリリス……勇者様達は住む世界が違うのだから。
「大丈夫……です……勇者様」
俺は一体、どうなったんだ。
俺はつい数時間前、モンスターの攻撃を受けた。それで、その後パーティのメンバーが護ってくれて……そこからの記憶がない。
『お前なんか誰からも必要とされていない』
声が聞こえてくる。聞き覚えがある声だ。でも誰かまでは分からない。
『今日だってモンスターの攻撃をくらってみんなの足を引っ張っていた。内心みんな呆れていたぞ』
確かに……そうかもしれない。でも俺達の絆は――
『絆?そんなことを思っているのはお前だけだ。みんな本当はお前のことが大嫌いだ』
そ、そんなことはない……
『いや、嫌いだ。リリナが言っていたぞ。お前は何の役にもたっていないと』
嘘だ……!そんなはずはない。リリナは幼なじみで近所に住んでるよく遊んでくれるお姉ちゃんみたいな存在で――
『今は違うだろ?彼女は勇者に選ばれ聖剣を引き抜いた。お前とは住む世界が違う』
……そうかもしれない。ってなんだ!?この思考が上書きされていくような感覚は……
違う!リリナもグレースも俺たちのパーティはみんな家族みたいな関係で――
『同じく勇者に選ばれたグレース、聖女に選ばれたライラ、かつての英雄の末裔であるジェーン、そして……何物でもないただのお前。釣り合ってないんだよお前は。このパーティーはこの私、じゃなかった。王子であるイール様にこそふさわしい』
この人の言葉が重く頭の中に響いてくる。思考が書き換えられていく……
……確かに。その通りだ。釣り合ってない。俺はパーティに……必要……ない……俺は無価値だ……なんの意味もない……一緒にいちゃ行けないんだ……イールこそがふさわしい……俺はいちゃいけないんだ……
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「ようやく起きたか、ゴミ」
拠点のベッドで目を覚ますとそこにはイールがいた。
イールは俺たち幼なじみで構成された魔王討伐隊に急に入ってきた人物で……少なくとも俺よりはみんなの役にたっている。
「……イール、みんなのことを任せた。俺はこのパーティを抜けるよ」
とにかく早く出ていかなきゃ行けないような気がした。俺は足でまといだから早くみんなから離れなきゃ。
「くっ!ははははは!!どうやら洗脳は成功してい――なんでもない。そうだな善は急げだ。そろそろみんな帰ってくる頃だ。みんなに報告してこい」
「……わかった」
俺が部屋を出た瞬間に玄関の扉が開いた。
「……ッ!!フエル!傷はもう大丈夫なの?痛いところは?」
リリスが俺の……俺なんかの方に駆け寄って心配そうに身体のあちこちを見てくる。
きっと普段の俺なら、
(心配すんなって!)と答えていたのだろう。でも今考えたらおかしな話だ。
だって俺とリリス……勇者様達は住む世界が違うのだから。
「大丈夫……です……勇者様」
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