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1章
8.ウルフのテイム
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~冒険者ギルド~
「この辺りに出るウルフ種の魔物ですか?」
僕はウルフ種を従魔にしたい事をマオさんに伝えていた。
「はい。どんな魔物がいるのかなと思って」
「そうですね。ウルフ種だと・・・」
マオさんの話では《イール》周辺では
Eランクの"ウルフ"
Dランクの"ハイウルフ"
同じくDランクの"グレートウルフ"
が目撃されるらしい。
"ウルフ"は僕達が普段行く草原の、街道から離れたところに生息していて、ウルフの上位種である"ハイウルフ"は、本来はかなり遠くに生息しているがごく稀に草原に現れるとの事。
"グレートウルフ"は代表的なウルフの希少種で、《イール》の西にある森でたまに目撃されるようだ。
「ウルフ種は基本単独で行動していますが動きが速いので充分に気をつけてくださいね。」
「分かりました。ありがとうございます」
僕はマオさんにお礼を言ってギルドを出た。
「森は流石に危険だよね・・・まずはウルフを探しに草原に行こう。」
~草原~
「街道が見えなくなるくらい離れるのは初めてだな・・・」
普段僕達は街道がギリギリ見えるところで魔物と戦っているが、今回の目的はウルフの為、街道から離れる必要があった。
「体力は残しておきたいから、今回は他の魔物とは戦わないようにしようね」
「キュッ」
「キュルゥ」
街道から離れると、魔物の数はそれなりに増えてくる。
ゴブリン以外の魔物が積極的に攻撃してくる事は少ないが、絶対ではない。
基本的にはこちらが先に見つけて、遠回りをして行くことになる。
暫く探し続けていると、ようやく一体のウルフを見つけた。
「あれがウルフか・・・"鑑定"」
lv6 ウルフ 睡眠
「眠ってる?レベル6ってことは、ルゥには無理させちゃうかな」
僕とライムがレベル6で、ルゥはレベル4だ。数では有利だが、それぞれの実力で見るとかなり厳しい。
僕がどうするか迷っていると
「キュルルゥ?」
ルゥが「やらないの?」と言うように首を傾げていた。
「・・・うん。そうだね。頑張ろう!ライム、ルゥ!
「キュッ!」
「キュルルゥ!」
(回復する事ができる"ヒール"もあるし、薬草も予備がある。出来ることをすれば大丈夫だ)
僕達はウルフにゆっくりと近づいていくが、一定の距離になった時にウルフが起き上がった。
「この距離で気付くんだね。不意打ちが出来れば良かったんだけど・・・仕方ない」
「グルルルゥ」
ウルフは威嚇の声を発した直後、僕達の方に一気に向かって来た。
その速度はかなりのもので、すぐにお互いの攻撃が届く距離になった。
「・・・っ速い!」
僕はウルフの爪による攻撃を慌てて剣で防いだ。
直後、ライムとルゥが飛び出す。
「キュー!」
「キュルルルゥ!」
「グルゥ」
ウルフは2体の攻撃を後ろに飛んで、危なげもなく回避した。
「危なかった・・・今度はこっちから仕掛けよう。ルゥは最後に攻撃してね」
「キュルゥ」
僕は反撃される事も考えてルゥの攻撃を最後にするようにした。
「それじゃあ行くよ!」
僕達はウルフとの距離を詰める。
「グルルッ」
ウルフもこちらに向かってくるが、2回目で速度に少し慣れた僕は攻撃を受け流すことにした。
「ここだっ!」
「ガウッ!?」
ウルフの体勢を崩すことには成功したが、完全には受け流せずに僕もバランスを崩してしまった。
「ライム!ルゥ!お願い!」
「キューッ!」
「キュルルゥッ!」
「ギャウッ」
2体の攻撃が今度は命中し、ウルフも僕達から距離を取った。
「ありがとう。ライム、ルゥ」
「「キュー」」
戦闘は仕切り直しになったけど、今のところは僕達が有利だ。
「ガウッ」
ウルフは狙いを変えてライムに向かって来た。ただし先程のダメージが残っているのか速度は遅い。
「させないよ!」
僕はウルフの進行方向に合わせて剣を振った。
「グルゥッ」
「キューッ!」
ウルフは僕の剣を避けるため体制を崩し、そこにすかさずライムが攻撃を加える。
再び僕達とウルフの距離は開いたが、目に見えてウルフは弱っていた。
「グルル・・・」
「これなら・・・"テイミング"」
僕は<封印札・銅>を取り出し、テイミングを発動した。
眩い光に辺りが包まれ、光が収まったその時、
「ーーーガァッ!!」
「っまずい!ルゥ!!」
テイムは失敗し、ウルフはルゥに向かって飛びかかった。
「キュゥッ・・・!」
ルゥも突然のことに反応できず吹き飛ばされてしまった。
「ライム、足止めをお願い!ルゥ、しっかりして!"ヒール"!」
僕は急いでルゥのところに向かい汎用スキル"ヒール"を発動した。
ヒールは回復量が少なく、使うたびに倦怠感に襲われるが、薬草と違い即効性がある。
「キュゥ・・・」
ヒールを使ったことによって、ルゥの状態も落ち着いたため、僕はライムの方に視線を向けた。
「グルルッ」
「キューッ!」
そこには"自己再生"を使いながらウルフの攻撃を凌ぐライムがいた。
僕はもう一度<封印札・銅>を取り出し、テイムの準備をした。
「ライムッ、一旦離れて!もう一度・・・"テイミング"!」
再び辺りは光に包まれた。そしてーーー。
「よ、よかった・・・成功した・・・」
ウルフがいた場所には水晶の欠片のような物。"コア"が落ちていた。
「ライム、ありがとう。ルゥ、大丈夫?」
「キュッ」
「キュルゥ・・・」
僕達は一度街道の近くまで戻り、休むことにした。
「ーーーそれじゃあ召喚しようか」
僕はコアを"収納"から取り出してウルフを召喚した。
「グルルゥ・・・」
召喚されてすぐに、ウルフは鼻先でルゥに触れ始めた。謝っているようだ。
「キュルルゥッ」
ルゥも「気にしてないよ」とジェスチャーをしている。
「仲直りできて良かったよ。早速なんだけど、君の名前は"ウォルフ"とかどうかな?」
「ガウッ!」
気に入ってくれたようだ。
「これからよろしくね!ウォルフ!」
「キューッ!」
「キュルゥ!」
少し焦る事態になったけど、こうして今日のテイムは成功した。
日も沈みかけていたため、早速ウォルフに乗せてもらって僕達は《イール》に帰った。
~冒険者ギルド~
「やぁアイン君。今日は少し遅かったね。何かあったんじゃないかと心配したよ」
ギルドに入るとサークレッドさんが迎えてくれた。
「少しだけ危なかったですけど、なんとかなりました。新しい従魔のウォルフです」
「ガウッ」
「無事テイム出来たんだね。それにしても危なかったって・・・。マオさんにバレたら怒られるよ」
「すみません。今後は気をつけます」
今回の件は自分の油断が招いた事なので、反省しなければならない。
「わかってるならいいよ。冒険者に危険はつきものだからね。従魔登録をするかい?」
「はい、お願いします」
「ーーー種族はウルフで、名前がウォルフだね。いい名前だと思うよ」
「ありがとうございます。それじゃあこれで」
「あ、ちょっと待って。アイン君」
僕達が帰ろうとするとサークレッドさんに呼び止められた。
「君のランクをEランクに上げようと思ってね。これが新しいカードだよ」
「え?ほとんど依頼受けてないんですけど、いいんですか!?」
「あまり明言はされてないんだけど、テイムも討伐扱いになっているんだ。他の職業を基準にした場合は関係がないから書かれていないだけでね」
「そうなんですね。初めて知りました」
「君はウルフのテイムを始めとして討伐と採集の依頼も達成してるから、貢献度は充分なんだよ。受け取ってくれるかな?」
「分かりました。ありがとうございます!」
こうして僕はEランクに昇格した。
~宿屋~
「今日は今までの中で1番疲れたよ・・・」
「キュ・・・」
「キュルゥ・・・」
「グルルゥ?」
ウォルフだけは「え、そう?」みたいな感じだったけど・・・
「それにしてもウォルフ、速かったね。助かったよ」
「ガウッ!」
ウォルフがいなかったら街に着くのは更に遅れていたはずだ。
「素質を見てみようかな。"従魔鑑定"」
lv6 ウォルフ ウルフ
素質(9/10)
・スキル
無し
「素質が10段階中9って・・・結構強かったもんね。頼もしいよ」
「ガウッ」
「ウォルフが居てくれれば移動が格段に楽になるね!明日からは行動範囲を広げて、レベルアップを目指そうか」
「キュッ!
「キュルゥ!」
「ガウッ!!」
こうして僕達の長い1日が終わった。
「この辺りに出るウルフ種の魔物ですか?」
僕はウルフ種を従魔にしたい事をマオさんに伝えていた。
「はい。どんな魔物がいるのかなと思って」
「そうですね。ウルフ種だと・・・」
マオさんの話では《イール》周辺では
Eランクの"ウルフ"
Dランクの"ハイウルフ"
同じくDランクの"グレートウルフ"
が目撃されるらしい。
"ウルフ"は僕達が普段行く草原の、街道から離れたところに生息していて、ウルフの上位種である"ハイウルフ"は、本来はかなり遠くに生息しているがごく稀に草原に現れるとの事。
"グレートウルフ"は代表的なウルフの希少種で、《イール》の西にある森でたまに目撃されるようだ。
「ウルフ種は基本単独で行動していますが動きが速いので充分に気をつけてくださいね。」
「分かりました。ありがとうございます」
僕はマオさんにお礼を言ってギルドを出た。
「森は流石に危険だよね・・・まずはウルフを探しに草原に行こう。」
~草原~
「街道が見えなくなるくらい離れるのは初めてだな・・・」
普段僕達は街道がギリギリ見えるところで魔物と戦っているが、今回の目的はウルフの為、街道から離れる必要があった。
「体力は残しておきたいから、今回は他の魔物とは戦わないようにしようね」
「キュッ」
「キュルゥ」
街道から離れると、魔物の数はそれなりに増えてくる。
ゴブリン以外の魔物が積極的に攻撃してくる事は少ないが、絶対ではない。
基本的にはこちらが先に見つけて、遠回りをして行くことになる。
暫く探し続けていると、ようやく一体のウルフを見つけた。
「あれがウルフか・・・"鑑定"」
lv6 ウルフ 睡眠
「眠ってる?レベル6ってことは、ルゥには無理させちゃうかな」
僕とライムがレベル6で、ルゥはレベル4だ。数では有利だが、それぞれの実力で見るとかなり厳しい。
僕がどうするか迷っていると
「キュルルゥ?」
ルゥが「やらないの?」と言うように首を傾げていた。
「・・・うん。そうだね。頑張ろう!ライム、ルゥ!
「キュッ!」
「キュルルゥ!」
(回復する事ができる"ヒール"もあるし、薬草も予備がある。出来ることをすれば大丈夫だ)
僕達はウルフにゆっくりと近づいていくが、一定の距離になった時にウルフが起き上がった。
「この距離で気付くんだね。不意打ちが出来れば良かったんだけど・・・仕方ない」
「グルルルゥ」
ウルフは威嚇の声を発した直後、僕達の方に一気に向かって来た。
その速度はかなりのもので、すぐにお互いの攻撃が届く距離になった。
「・・・っ速い!」
僕はウルフの爪による攻撃を慌てて剣で防いだ。
直後、ライムとルゥが飛び出す。
「キュー!」
「キュルルルゥ!」
「グルゥ」
ウルフは2体の攻撃を後ろに飛んで、危なげもなく回避した。
「危なかった・・・今度はこっちから仕掛けよう。ルゥは最後に攻撃してね」
「キュルゥ」
僕は反撃される事も考えてルゥの攻撃を最後にするようにした。
「それじゃあ行くよ!」
僕達はウルフとの距離を詰める。
「グルルッ」
ウルフもこちらに向かってくるが、2回目で速度に少し慣れた僕は攻撃を受け流すことにした。
「ここだっ!」
「ガウッ!?」
ウルフの体勢を崩すことには成功したが、完全には受け流せずに僕もバランスを崩してしまった。
「ライム!ルゥ!お願い!」
「キューッ!」
「キュルルゥッ!」
「ギャウッ」
2体の攻撃が今度は命中し、ウルフも僕達から距離を取った。
「ありがとう。ライム、ルゥ」
「「キュー」」
戦闘は仕切り直しになったけど、今のところは僕達が有利だ。
「ガウッ」
ウルフは狙いを変えてライムに向かって来た。ただし先程のダメージが残っているのか速度は遅い。
「させないよ!」
僕はウルフの進行方向に合わせて剣を振った。
「グルゥッ」
「キューッ!」
ウルフは僕の剣を避けるため体制を崩し、そこにすかさずライムが攻撃を加える。
再び僕達とウルフの距離は開いたが、目に見えてウルフは弱っていた。
「グルル・・・」
「これなら・・・"テイミング"」
僕は<封印札・銅>を取り出し、テイミングを発動した。
眩い光に辺りが包まれ、光が収まったその時、
「ーーーガァッ!!」
「っまずい!ルゥ!!」
テイムは失敗し、ウルフはルゥに向かって飛びかかった。
「キュゥッ・・・!」
ルゥも突然のことに反応できず吹き飛ばされてしまった。
「ライム、足止めをお願い!ルゥ、しっかりして!"ヒール"!」
僕は急いでルゥのところに向かい汎用スキル"ヒール"を発動した。
ヒールは回復量が少なく、使うたびに倦怠感に襲われるが、薬草と違い即効性がある。
「キュゥ・・・」
ヒールを使ったことによって、ルゥの状態も落ち着いたため、僕はライムの方に視線を向けた。
「グルルッ」
「キューッ!」
そこには"自己再生"を使いながらウルフの攻撃を凌ぐライムがいた。
僕はもう一度<封印札・銅>を取り出し、テイムの準備をした。
「ライムッ、一旦離れて!もう一度・・・"テイミング"!」
再び辺りは光に包まれた。そしてーーー。
「よ、よかった・・・成功した・・・」
ウルフがいた場所には水晶の欠片のような物。"コア"が落ちていた。
「ライム、ありがとう。ルゥ、大丈夫?」
「キュッ」
「キュルゥ・・・」
僕達は一度街道の近くまで戻り、休むことにした。
「ーーーそれじゃあ召喚しようか」
僕はコアを"収納"から取り出してウルフを召喚した。
「グルルゥ・・・」
召喚されてすぐに、ウルフは鼻先でルゥに触れ始めた。謝っているようだ。
「キュルルゥッ」
ルゥも「気にしてないよ」とジェスチャーをしている。
「仲直りできて良かったよ。早速なんだけど、君の名前は"ウォルフ"とかどうかな?」
「ガウッ!」
気に入ってくれたようだ。
「これからよろしくね!ウォルフ!」
「キューッ!」
「キュルゥ!」
少し焦る事態になったけど、こうして今日のテイムは成功した。
日も沈みかけていたため、早速ウォルフに乗せてもらって僕達は《イール》に帰った。
~冒険者ギルド~
「やぁアイン君。今日は少し遅かったね。何かあったんじゃないかと心配したよ」
ギルドに入るとサークレッドさんが迎えてくれた。
「少しだけ危なかったですけど、なんとかなりました。新しい従魔のウォルフです」
「ガウッ」
「無事テイム出来たんだね。それにしても危なかったって・・・。マオさんにバレたら怒られるよ」
「すみません。今後は気をつけます」
今回の件は自分の油断が招いた事なので、反省しなければならない。
「わかってるならいいよ。冒険者に危険はつきものだからね。従魔登録をするかい?」
「はい、お願いします」
「ーーー種族はウルフで、名前がウォルフだね。いい名前だと思うよ」
「ありがとうございます。それじゃあこれで」
「あ、ちょっと待って。アイン君」
僕達が帰ろうとするとサークレッドさんに呼び止められた。
「君のランクをEランクに上げようと思ってね。これが新しいカードだよ」
「え?ほとんど依頼受けてないんですけど、いいんですか!?」
「あまり明言はされてないんだけど、テイムも討伐扱いになっているんだ。他の職業を基準にした場合は関係がないから書かれていないだけでね」
「そうなんですね。初めて知りました」
「君はウルフのテイムを始めとして討伐と採集の依頼も達成してるから、貢献度は充分なんだよ。受け取ってくれるかな?」
「分かりました。ありがとうございます!」
こうして僕はEランクに昇格した。
~宿屋~
「今日は今までの中で1番疲れたよ・・・」
「キュ・・・」
「キュルゥ・・・」
「グルルゥ?」
ウォルフだけは「え、そう?」みたいな感じだったけど・・・
「それにしてもウォルフ、速かったね。助かったよ」
「ガウッ!」
ウォルフがいなかったら街に着くのは更に遅れていたはずだ。
「素質を見てみようかな。"従魔鑑定"」
lv6 ウォルフ ウルフ
素質(9/10)
・スキル
無し
「素質が10段階中9って・・・結構強かったもんね。頼もしいよ」
「ガウッ」
「ウォルフが居てくれれば移動が格段に楽になるね!明日からは行動範囲を広げて、レベルアップを目指そうか」
「キュッ!
「キュルゥ!」
「ガウッ!!」
こうして僕達の長い1日が終わった。
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