テイマー少年の冒険譚〜少年は沢山の魔物と冒険したい!〜

ねる

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1章

10.森へ

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~冒険者ギルド~

僕は次に行く場所についてマオさんに相談していた。
「この辺りで1番近いのは西の草原の先にある森ですね。ウォルフちゃんがいれば1日のうちに帰ってくる事ができますよ」
「わかりました。持っておくといい物って何かありますか?」

「森の入り口までなら特に必要な物はないですよ。奥に行くなら毒を使う魔物が多いので毒消しがあると安心ですね」
「最初なので、今日は入り口の近くで探索することにします」
「わかりました。入り口付近とはいえ、充分に注意してくださいね」
「はい、わかってます!いってきます」

今日行く事になった森は、《イール》西側の草原を抜けた先にあり、虫や植物の魔物が多く生息している。
森の近くまでは街道が整備されているため安全が確保されているが、森の中は道が無く見通みとおしも悪いため、注意が必要だ。


~森の入り口~

僕達は森の入り口に来ていた。
僕のいた村周辺しゅうへんの森と違って広大こうだいで、特定とくていの魔物を見つけることが出来るかわからなかった為に依頼は受けていない。

「それじゃ行こうか。特に植物の魔物には注意しようね」
「「キューッ」」
「ガウッ」
植物の魔物は木や花に擬態ぎたいしていることが多いため、警戒けいかいをしていなければパーティーが全滅ぜんめつすることもよくあるらしい。


~森の中(入り口付近)~

「まだ入り口の光が見えるけど、随分ずいぶん薄暗いね」
アインがいた村は《イール》の東にある草原に点在てんざいしている小さな森の中にあり、これほど広い森に入った経験は今までにない。

「この辺りでも魔物は出ると思うから、これ以上進むのはやめておこうか」
「キュッ」
「キュルゥ」
「グルゥ」
外の光が差し込み、方向がわかるようにしながら僕達は探索を始めた。


少しして、1体目の魔物を見つけた。
「え?緑色のスライム?敵意はなさそうだけど・・・"鑑定"」

lv5   グリーンスライム 中立

グリーンスライムはスライムの上位じょうい種等ではなく、周辺しゅうへん草木くさきしげった場所で育ったスライムの体色たいしょくが変化した個体である。
レベルが高い個体は回復スキルを使う事が出来る。
ランクはスライムと同じF。

「向こうから攻撃してこないなら放置でいいかな?色々な魔物を見てみたいからね」
僕達は探索を再開した。

「ーーーガウッ!」
「え!?ウォルフ!?」
ウォルフがいきなり僕を突き飛ばした、その直後、
「ギギギ・・・」
僕の頭の上を枝が通り過ぎたと同時に、何かをこすり合わせたような音が聞こえた。

「これって・・・"鑑定"」

lv6   トレント 敵対

トレントは森の木々きぎ擬態ぎたいする植物の魔物で、単独たんどくで行動する。
移動するのは基本的に夜で、昼の間は動かずに獲物えものを待ちかまえている。
再生力が強く、攻撃を受けても時間をかければ再生する。
移動速度が遅いため逃げるのは容易ようい
ランクはE。

「トレントか・・・やろう、みんな」
「キュッ!」
「キュルゥ!」
「ガウッ!」
ウルフ(ウォルフ)に続いて2体目のEランクだが、あの時とは違い、仲間にウォルフがいる為、僕達は戦う事にした。

「ギギギギ・・・!!」
「みんな、お願い!」
僕はトレントが伸ばしてきた枝をはらいながら指示を出した。
「グルルッ!」
「キュッ!」
「キュルルゥッ!」
最初にウォルフが爪で、そのあとにライムとルゥが体当たいあたりを仕掛ける。
「ギギッ・・・!」
「みんなの攻撃でも倒れないなんて、タフだね」
植物の魔物はそうじて生命力が強い傾向けいこうにある。
また、炎などに弱い一方いっぽうで物理的な攻撃に強い個体が多い。

「でもいていないことは無いはず、みんな、もう一度!」
先程さきほど僕がはらった枝がまだ再生していないため、今度は僕も攻撃する事にした。
「ふっ!」
「キュッ!!」
「キュルルゥ!」
「ガウッ!」
「ギ・・・」.
僕達の攻撃をまともに受けたトレントは光の粒に変わったあと、そこにはあわく光る枝が落ちていた。

「これはなんだろう?持ち帰ってマオさんに聞いてみようかな」
僕がトレントの落とした枝を"収納"スキルに入れた。その時、
「キューッ!」
「キュルゥ・・・!」
「グルルルルゥ・・・」
「ど、どうしたの?みんな」
みんなが警戒し視線を向ける方向を僕が見ると、
「な・・・何あれ!?」
1mメートルほどもある紫色をした蜘蛛くもが5匹、こちらに向かって来ていた。

「「「「「キシャァァァ!」」」」」
「まずい!みんな逃げよう!!」
僕達はウォルフに乗って急いで森から出た。


~街道~

「何だったんだろう、あの魔物・・・」
"鑑定"を使う時間がなかったため、僕は魔物図鑑を取り出して虫の魔物が載っている項目を見ていた。
「見た目もそっくりだから、この魔物かな?」

ヴェノムスパイダー
成体せいたいは1.5mメートルほどになる。基本的に群れで行動し、巣の近くを通る獲物えものおそいかかる。
毒を持っており、まれると危険だが、毒消しで治療ちりょう可能。
ランクは単独たんどくだとF。群れならE以上。

「見た目でなんとなく分かってたけど、毒持ってたんだ・・・戦わなくてよかったぁ。戦っても勝てたとは思わないけど・・・」
毒消しを持ってないことにくわえて、数で負けていたため、勝算しょうさんは低かった。

「とりあえず帰ってマオさんに報告しようかな。流石さすがにもう一度森に入る気にはならないし」
いつもよりかなり早いが、僕達は《イール》に帰る事にした


~冒険者ギルド~

トレントの落とした枝を査定さていしてもらっている間に、僕はマオさんとサークレッドさんに今日の顛末てんまつを報告していた。

「ヴェノムスパイダーの群れが森の入り口に現れただって?本来は巣からそこまで離れない魔物のはずなんだけど」
「そうですね。森の奥で何かが起きてるんでしょうか?」
「私達で話し合ってもどうにもならないね。アイン君。情報提供じょうほうていきょうを感謝するよ。私はこの事を上層部じょうそうぶに伝えなきゃいけないから失礼するよ。またね」
(思ったより大変なことになっちゃったな・・・どうなるんだろう)

サークレッドさんが去ったあと、ちょうど査定が終了した。
「それではアインさん、こちらがトレントの枝の買取金額になります。それと、今回の件本当にすみませんでした」
「い、いやそんな!毒消しを買わなかったのは僕ですし、マオさんが謝るようなことは無いですよ!」
不確定ふかくていな情報で冒険者の命を危険にさらすことはギルド職員として失格です。今後はこのような事が起こらないようにつとめます」
よっぽど気にしているのかマオさんの耳も倒れている。

「ほんとに気にしないでください!大丈夫ですから!」
「ありがとうございます。アインさんは優しいですね」
「あ、ルゥを触りますか?モフモフしてて落ち着きますよ!」
「キュルゥ」
ぼくはルゥをかかえてマオさんに手渡した。

「ふふっ、本当にモフモフですね。もう大丈夫です、元気が出ました」
マオさんはしばらくルゥに触れたあと、笑顔で離してくれた。
(耳も立ってるし、大丈夫そうかな)
「またいつでも言ってください。それじゃあまた明日来ますね!」
「はい。お待ちしてます」
僕達は冒険者ギルドをあとにした。


~宿屋~

「マオさんって結構分かりやすいんだなぁ」
僕はマオさんの耳のことを思い返していた。
「それにしても、ヴェノムスパイダーは何だったんだろう」
サークレッドさんも巣からあまり離れないと言っていたし、図鑑にも似たような事が書いてあった。
「何も起こらなければいいんだけど・・・」

僕は不安を覚えつつも、明日にそなえて眠ることにした。




トレントの枝・・・トレントから手に入る枝。生命力をびていて、量に応じて、光が強くなる。魔法使いが使う杖などにもちいられることが多く、太いものだと建築けんちくの材料にもなる。ーーー魔物図鑑より引用




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