16 / 22
1章
14.盾の扱いー1
しおりを挟む
~家~
「よし、飯も食べたしさっそく始めるか!今アインは盾を持ってないんだよな?」
「うん、持ってないよ」
ゴブリンを倒した時に手に入れた革の盾はギルドに買い取ってもらったため残っていない(6話参照)
「それなら俺が昔使っていたやつを使うといい。初心者ならこれだな」
そういって父さんに渡されたのは金属で出来た丸い盾。一般に『ラウンドシールド』と呼ばれる物だった。
「わっ、これ軽いんだね。これなら僕でも扱いやすそう」
「まぁそういう素材を使ってるからな。軽いだけじゃなくて丈夫だぞ。火には弱いけどな!」
盾を持った僕達は村の中では目立つので森に行くことにした。
~森~
「村の様子も見えるし、ここでいいだろう」
あまり家から離れていないところで訓練する事にした。
従魔のみんなには昨日に続いて村の子供たちと遊んでもらっている。
「早速だがアイン。お前は盾についてどの程度知っている?」
「えっと、普通に防御したり、攻撃を受け流したり出来る・・・かな?」
「一般的な扱い方としてはそうだな。簡単に習得できる技術を2つ教えておこうか」
父さんが教えてくれたのは"シールドバッシュ"と"パリィ"だ。
シールドバッシュは盾を相手に直接当てる攻撃手段で、武器を使って攻撃するよりも自身の安全が確保しやすい。
パリィは相手の攻撃を弾くことで、無効化する技術で、慣れるまで難しいが使いこなせれば相手の攻撃手段を封じる事ができる。
「パリィは本来、武器を使って相手の攻撃を受け流すことを指すんだが、今では盾でする事でもそう呼ばれているな」
「そうなんだ。盾って身を守るだけじゃないんだね」
「まあな。もっとでかい盾なら"シールドチャージ"も出来るんだが、それなりに体格が良くないと難しいな」
父さんの話ではシールドチャージは盾を構えて相手に突撃する技らしい。
僕はそれを聞いて「それ技術って言わないんじゃ・・・?」と思ったけど言わなかった。
「それじゃあ訓練を始めるか!まずはシールドバッシュからだな。基本的には武器を使うように見せかけながら盾で攻撃するんだ。フェイントってやつだな」
もし知能が高い魔物に出会った場合に、かなり効果的らしい。
魔物も学習するため通用するのは最初の一度だけらしいが。
「攻撃する以上はほとんどの生物にとって急所と言われる頭部を狙いたくなるが、致命傷には滅多にならないからな。胴体を狙って体勢を崩しに行くほうがいいぞ」
「うん。わかった」
僕は生えている木の幹で訓練する事にした。
ーガッ!
「いたた・・・これ手が痺れるんだけど・・・」
「ははは。慣れと力の加減次第だな!それと盾の縁じゃなくて面の部分でやるのがいいぞ」
それから僕は父さんのアドバイスを聞きながら訓練を続けた。
「ーーー今日はそろそろ終わりにするか。シールドバッシュはほぼ完璧だから明日はパリィの訓練だな!」
「うん。ありがとう」
時々父さんにも相手になってもらいながら力加減がようやくわかってきた。
「あまりやりすぎると腕に負担が掛かって怪我をするからな。休憩はちゃんと取るんだぞ」
「うん。大丈夫」
「いや・・・俺が止めないとずっと続けそうな感じだったぞ・・・」
僕が夢中になった時は父さんが止めてくれていた。
「あはは・・・と、とりあえず家に帰ろう!ご飯もできてるだろうし!」
「わかったわかった。ちゃんと従魔も連れてくるんだぞ」
「うん!」
父さんは先に家に入っていった。
「みんなー!帰るよー!」
「キュッ!!」
「キュルゥ!」
「ガウッ!」
「・・・!!」
僕が声をかけるとみんなすぐに集まってきてくれた。
「明日の訓練はみんなにも手伝って欲しいんだけど、いいかな?」
「キュッ」
「キュルゥ」
「グルゥ」
「・・・♪」
「みんな、ありがとう。帰ろうか」
こうして僕の村での2日目が終わった。
「よし、飯も食べたしさっそく始めるか!今アインは盾を持ってないんだよな?」
「うん、持ってないよ」
ゴブリンを倒した時に手に入れた革の盾はギルドに買い取ってもらったため残っていない(6話参照)
「それなら俺が昔使っていたやつを使うといい。初心者ならこれだな」
そういって父さんに渡されたのは金属で出来た丸い盾。一般に『ラウンドシールド』と呼ばれる物だった。
「わっ、これ軽いんだね。これなら僕でも扱いやすそう」
「まぁそういう素材を使ってるからな。軽いだけじゃなくて丈夫だぞ。火には弱いけどな!」
盾を持った僕達は村の中では目立つので森に行くことにした。
~森~
「村の様子も見えるし、ここでいいだろう」
あまり家から離れていないところで訓練する事にした。
従魔のみんなには昨日に続いて村の子供たちと遊んでもらっている。
「早速だがアイン。お前は盾についてどの程度知っている?」
「えっと、普通に防御したり、攻撃を受け流したり出来る・・・かな?」
「一般的な扱い方としてはそうだな。簡単に習得できる技術を2つ教えておこうか」
父さんが教えてくれたのは"シールドバッシュ"と"パリィ"だ。
シールドバッシュは盾を相手に直接当てる攻撃手段で、武器を使って攻撃するよりも自身の安全が確保しやすい。
パリィは相手の攻撃を弾くことで、無効化する技術で、慣れるまで難しいが使いこなせれば相手の攻撃手段を封じる事ができる。
「パリィは本来、武器を使って相手の攻撃を受け流すことを指すんだが、今では盾でする事でもそう呼ばれているな」
「そうなんだ。盾って身を守るだけじゃないんだね」
「まあな。もっとでかい盾なら"シールドチャージ"も出来るんだが、それなりに体格が良くないと難しいな」
父さんの話ではシールドチャージは盾を構えて相手に突撃する技らしい。
僕はそれを聞いて「それ技術って言わないんじゃ・・・?」と思ったけど言わなかった。
「それじゃあ訓練を始めるか!まずはシールドバッシュからだな。基本的には武器を使うように見せかけながら盾で攻撃するんだ。フェイントってやつだな」
もし知能が高い魔物に出会った場合に、かなり効果的らしい。
魔物も学習するため通用するのは最初の一度だけらしいが。
「攻撃する以上はほとんどの生物にとって急所と言われる頭部を狙いたくなるが、致命傷には滅多にならないからな。胴体を狙って体勢を崩しに行くほうがいいぞ」
「うん。わかった」
僕は生えている木の幹で訓練する事にした。
ーガッ!
「いたた・・・これ手が痺れるんだけど・・・」
「ははは。慣れと力の加減次第だな!それと盾の縁じゃなくて面の部分でやるのがいいぞ」
それから僕は父さんのアドバイスを聞きながら訓練を続けた。
「ーーー今日はそろそろ終わりにするか。シールドバッシュはほぼ完璧だから明日はパリィの訓練だな!」
「うん。ありがとう」
時々父さんにも相手になってもらいながら力加減がようやくわかってきた。
「あまりやりすぎると腕に負担が掛かって怪我をするからな。休憩はちゃんと取るんだぞ」
「うん。大丈夫」
「いや・・・俺が止めないとずっと続けそうな感じだったぞ・・・」
僕が夢中になった時は父さんが止めてくれていた。
「あはは・・・と、とりあえず家に帰ろう!ご飯もできてるだろうし!」
「わかったわかった。ちゃんと従魔も連れてくるんだぞ」
「うん!」
父さんは先に家に入っていった。
「みんなー!帰るよー!」
「キュッ!!」
「キュルゥ!」
「ガウッ!」
「・・・!!」
僕が声をかけるとみんなすぐに集まってきてくれた。
「明日の訓練はみんなにも手伝って欲しいんだけど、いいかな?」
「キュッ」
「キュルゥ」
「グルゥ」
「・・・♪」
「みんな、ありがとう。帰ろうか」
こうして僕の村での2日目が終わった。
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
限界勇者のスローライフ〜田舎でのんびり暮らそうと思ったら、元魔王を拾ってしまった件〜
みなかみしょう
ファンタジー
現代日本から転生し、魔王を倒した勇者クウト。
なんとか平和な世界を取り戻したはずが、彼だけは戦い続けていた。
その期間、120年。しかも年中無休、24時間営業である。
「さすがにこれは、ちょっとおかしくないか?」
戦いに疲れ果て、クウトはようやくそのことに気づいた。
自分を道具としてしか見ていない、かつての仲間の子孫にも飽き飽きだった。
会議の場で引退を宣言し、勇者の証も放棄。清々しく立場を強引に捨てることに成功。
遂に手に入れた自由な日々。
そんなクウトの前に、転生にも関わった女神が現れる。
想像よりも酷い状況を見て、女神は新たな力を授け言う。
「とりあえず、スローライフでもしてなさい」
そんな言葉と共に送り出された元勇者は、田舎でのんびり暮らすべく新生活を開始した。
しかし、そんな彼の前に現れたのは別世界に行ったはずの二代目魔王。
似たような事情を抱えた彼女の話を聞き、クウトは同居生活を提案する。
こうして、元勇者と元魔王の田舎暮らしが始まった。
無理のない範囲での畑仕事。
冒険者としての活動。
町の人々との触れ合い。
慣れない普通の生活に苦戦しつつも、二人は穏やかな日々を少しずつ手に入れていく。
たまに起きるトラブルは、その有り余るパワーで粉砕しながら……。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
中年オジが異世界で第二の人生をクラフトしてみた
Mr.Six
ファンタジー
仕事に疲れ、酒に溺れた主人公……。フラフラとした足取りで橋を進むと足を滑らしてしまい、川にそのままドボン。気が付くとそこは、ゲームのように広大な大地が広がる世界だった。
訳も分からなかったが、視界に現れたゲームのようなステータス画面、そして、クエストと書かれた文章……。
「夢かもしれないし、有給消化だとおもって、この世界を楽しむか!」
そう開き直り、この世界を探求することに――
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる