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はじまっていた日 12:35〜
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「き、きせきだ……かみの……みそしるがあるなんてこと……マジか……」
紫野の震える声に鈍い光を放っていた梅先の眼光は一際眩く輝いた。
「奇跡……? 神のみぞ知る奇跡があるだと!? 紫野! どこにその奇跡が?!」
くわえていた煙草の自由落下を許した紫野の足元で、フィルターを焦がす煙が薄く立ち上った。その煙のようにゆらりと紫野の右手が上がる。
「紫野! しっかりしろ! どこにあるんだ! 俺が求める奇跡が!」
オカルトボルテージマックスの梅先が、わなわなと半開きの口をした紫野の両肩を掴み揺らす。
「紫野!」
ガタガタと体を揺らされた紫野は無言で持ち上げた右手である一点を指差す。その指先は僅かだが震えているようにも見えた。
「あそこ……です……」
「あそこ?」
紫野の震える指先、そしていつも通りではないです・ます口調にその奇跡を梅先は確信した。だが一体どんな奇跡が待ち受けていると言うのだ。求め続けてやまない奇跡、超常現象、人知を超えた超自然現象、それが今まさに自分の目の前に。
どこだ……!
オカルト光線をひっこめた梅先の目は、あそこと示された場所を違う光線で穴でも開けるのではと思えるほどの真剣さで、俊敏にその目標を切り替えながら索敵ならぬ索奇跡をするが見えるのは見慣れた路地裏の一角。どこにも奇跡が起きているようには見えない。
ないぞ、紫野! まさか……俺には視えない? 紫野、お前にだけその奇跡が視えるって言うのか?!
極めて個人的且つ大変残念な自己解決にたどり着きそうな梅先は愕然とした。
「紫野……俺には、俺には奇跡が視えない……」
「なにを……なにを言ってるんですか梅先さん! ほら、目の前に! 見て下さいよ! 奇跡が!」
今にも崩れ落ちそうな梅先を、今度は紫野が両肩を支えて渇を飛ばす。
「奇跡は、俺には……」
「なに言ってるんすか! こんなチャンス、もう二度とないっすよ! さあ行きましょう! 急がないと無くなるっすよ!」
「紫野……」
たとえ俺が視えなくても、視えているお前についていけば、体験できるのかもしれないな。奇跡……。そうだな。奇跡は虹より逃げ足が早いだろう。急がなくちゃな。
紫野は何故梅先がこの奇跡が見えないのかを問うよりも、とにかく今は急がなければと、オカルト眼っからビームの光線量が少なかったり、多かったり、その光が気付けば別の光になっているような気もするし、それも大量に放出されたり、ぴたりと止んだりと、とにかく目つきを忙しく変化させる梅先、今は乾いた笑いに遠くをみつているような梅先の腕をつかみ、通りをはさんだ向かいへと歩き始めた。そして、問答無用とその前にある引き戸を勢い良く開け、指を2本立てた所謂Vサインを作った右手を真っ直ぐに突き出した。
「いらっしゃい」
店のカウンターからおやじの声が響く。続いて、おかみさんが顔をのぞかせて「いらっしゃいませー 2名様ですね? こちらへどうぞ」と紫野と梅先を店の奥へと案内した。
紫野の震える声に鈍い光を放っていた梅先の眼光は一際眩く輝いた。
「奇跡……? 神のみぞ知る奇跡があるだと!? 紫野! どこにその奇跡が?!」
くわえていた煙草の自由落下を許した紫野の足元で、フィルターを焦がす煙が薄く立ち上った。その煙のようにゆらりと紫野の右手が上がる。
「紫野! しっかりしろ! どこにあるんだ! 俺が求める奇跡が!」
オカルトボルテージマックスの梅先が、わなわなと半開きの口をした紫野の両肩を掴み揺らす。
「紫野!」
ガタガタと体を揺らされた紫野は無言で持ち上げた右手である一点を指差す。その指先は僅かだが震えているようにも見えた。
「あそこ……です……」
「あそこ?」
紫野の震える指先、そしていつも通りではないです・ます口調にその奇跡を梅先は確信した。だが一体どんな奇跡が待ち受けていると言うのだ。求め続けてやまない奇跡、超常現象、人知を超えた超自然現象、それが今まさに自分の目の前に。
どこだ……!
オカルト光線をひっこめた梅先の目は、あそこと示された場所を違う光線で穴でも開けるのではと思えるほどの真剣さで、俊敏にその目標を切り替えながら索敵ならぬ索奇跡をするが見えるのは見慣れた路地裏の一角。どこにも奇跡が起きているようには見えない。
ないぞ、紫野! まさか……俺には視えない? 紫野、お前にだけその奇跡が視えるって言うのか?!
極めて個人的且つ大変残念な自己解決にたどり着きそうな梅先は愕然とした。
「紫野……俺には、俺には奇跡が視えない……」
「なにを……なにを言ってるんですか梅先さん! ほら、目の前に! 見て下さいよ! 奇跡が!」
今にも崩れ落ちそうな梅先を、今度は紫野が両肩を支えて渇を飛ばす。
「奇跡は、俺には……」
「なに言ってるんすか! こんなチャンス、もう二度とないっすよ! さあ行きましょう! 急がないと無くなるっすよ!」
「紫野……」
たとえ俺が視えなくても、視えているお前についていけば、体験できるのかもしれないな。奇跡……。そうだな。奇跡は虹より逃げ足が早いだろう。急がなくちゃな。
紫野は何故梅先がこの奇跡が見えないのかを問うよりも、とにかく今は急がなければと、オカルト眼っからビームの光線量が少なかったり、多かったり、その光が気付けば別の光になっているような気もするし、それも大量に放出されたり、ぴたりと止んだりと、とにかく目つきを忙しく変化させる梅先、今は乾いた笑いに遠くをみつているような梅先の腕をつかみ、通りをはさんだ向かいへと歩き始めた。そして、問答無用とその前にある引き戸を勢い良く開け、指を2本立てた所謂Vサインを作った右手を真っ直ぐに突き出した。
「いらっしゃい」
店のカウンターからおやじの声が響く。続いて、おかみさんが顔をのぞかせて「いらっしゃいませー 2名様ですね? こちらへどうぞ」と紫野と梅先を店の奥へと案内した。
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