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はじまっていた世界 13:28~
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「ようやく皆さんおそろいみたい。電車のダイヤ戻ったのかしら」
総務部のエリアと、その向こうの方に見える開発部のエリアを眺めた茶山さんはそう呟いて僕に向き直ると、にっこりと「ようやく初出勤、入社日の始まりね。鳴海さん、ようこそ我が社へ」微笑んだ。つられて僕も笑った。その条件反射的に微笑んでしまった皮膚の裏で僕は思い出していた
入社日。
そうだった。僕の初勤務、初実戦。しがない情報省のヒラ職員、しかもヨリナシであるこの僕が、陛下の密命を帯びた潜入捜査という大役、この任務。
その初日だったじゃないですか。
もう朝から色々ありすぎて、危うく色々大切なことをこぼれおとす……というか、僕自身がこぼれおちそうでした。
長官、僕頑張ります!
僕はお弁当箱の包みをぎゅっとにぎって遠いところにいる長官へ、簡潔な所信表明を捧げてみた。ふんと、鼻息でも出てしまったのだろうか。
「あらあら。すごい気合ね。頑張って」
そう背中をぽんぽんと優しく叩いてくれた茶山さんに「はい!」と返事をした僕は、持ち上がった勢いに乗って大またでずんずん歩きたいところを、女性の歩幅とスカートを考慮した足取りで、あの歩く凶器に指示された梅先氏の席へと向かった。
梅先氏の席に着いてはみたものの、まだ外回りから帰ってきていないのだろうか。どこにもすぐ姿はなく、所属グループのエリアだと言われた場所には梅先氏はおろか誰もいなかった。ただその一番窓側の、唯一他の机とくっついていない独立した上座的場所に微動だにしない、凍る冷気を放つ物体がその机の上で固まっているのが見えた。驚きと瞬時に凍った背筋にまたこの世界にはない音を出してしまいそうになるのをなんとか堪えたが、明らかに数センチたりとも近寄るなと、その物体はオーラだけで周囲を威嚇している。僕は何も見えなかった、何もなかった、全てなかったことにして、そっと自分の机に、お弁当箱と水筒を置いてその場を離れ廊下のトイレに向かうことにした。
総務部のエリアと、その向こうの方に見える開発部のエリアを眺めた茶山さんはそう呟いて僕に向き直ると、にっこりと「ようやく初出勤、入社日の始まりね。鳴海さん、ようこそ我が社へ」微笑んだ。つられて僕も笑った。その条件反射的に微笑んでしまった皮膚の裏で僕は思い出していた
入社日。
そうだった。僕の初勤務、初実戦。しがない情報省のヒラ職員、しかもヨリナシであるこの僕が、陛下の密命を帯びた潜入捜査という大役、この任務。
その初日だったじゃないですか。
もう朝から色々ありすぎて、危うく色々大切なことをこぼれおとす……というか、僕自身がこぼれおちそうでした。
長官、僕頑張ります!
僕はお弁当箱の包みをぎゅっとにぎって遠いところにいる長官へ、簡潔な所信表明を捧げてみた。ふんと、鼻息でも出てしまったのだろうか。
「あらあら。すごい気合ね。頑張って」
そう背中をぽんぽんと優しく叩いてくれた茶山さんに「はい!」と返事をした僕は、持ち上がった勢いに乗って大またでずんずん歩きたいところを、女性の歩幅とスカートを考慮した足取りで、あの歩く凶器に指示された梅先氏の席へと向かった。
梅先氏の席に着いてはみたものの、まだ外回りから帰ってきていないのだろうか。どこにもすぐ姿はなく、所属グループのエリアだと言われた場所には梅先氏はおろか誰もいなかった。ただその一番窓側の、唯一他の机とくっついていない独立した上座的場所に微動だにしない、凍る冷気を放つ物体がその机の上で固まっているのが見えた。驚きと瞬時に凍った背筋にまたこの世界にはない音を出してしまいそうになるのをなんとか堪えたが、明らかに数センチたりとも近寄るなと、その物体はオーラだけで周囲を威嚇している。僕は何も見えなかった、何もなかった、全てなかったことにして、そっと自分の机に、お弁当箱と水筒を置いてその場を離れ廊下のトイレに向かうことにした。
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