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その午後の世界(2)
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他の何かが来る前にここを出よう。
トイレってとっても出入りが激しい上に、集いの場所だったりする。それはこの星の人間はもちろんのこと、実はそうじゃない人たちにとっても。
僕は本当はトイレに特に用はない。ただ全くトイレに行かないということを気付かれても厄介なので、家の外にいるときはこうやってタイミングを見計らってトイレに行くことにしているわけだけど……そこで気付いたのが、人間以外にもやってくる人たちがいるということ。ようするにこの辺鄙な世界にやって来ているモノ好きたちの存在。それから人間よりもずっと昔から住んでる人たちもいる。もうトイレが好き過ぎるのはわかるけど、なんでトイレ?
そしてこのトイレは情報の飛び交う宝庫だということもよくわかりました。
なんだろう。落ち着くのかな。ドア一枚隔てただけで、男女と言うたった二つの単純過ぎる区分けによって他方を排除した空間、そしてさらにこの個室に入れば、個が保たれるという隔たれた空間が。誰にも見られていないということに安堵するんだろうか。人間も。そうでない人たちも。ちなみに、住んでいる人たちには見られ放題だけど、見られている方は気付いてないし、見ている方もそんなに興味はないっぽい。と言うか、余程興味がある何かがこない限り見てもいないのかも。ただこのトイレと言う場所にずっといるというだけで。
人間社会に紛れているそうでない人たちは、トイレにやってきて個室に入っては本来の姿に戻っていたり、鏡の前で擬態のほころびを直していたりする。以外によく見かけるのが集団でやってくる場合。複数の人間と思わせていて、実は一体の生命体だったりする種族がいて、そういう人たちはこのトイレにやってきては独立した各身体の一部を統合して情報共有や各部のチェックをしたり、また分裂したりする。正直、同じような顔、同じような姿をして、同じようなことを喋り、同じようなタイミングでトイレに連れ立ってやってくるのだから、とっくに気付かれても良さそうなものなのに、人間たちは無頓着。全然気付かない。人間は基本的に見ない、聞かない、喋らない。そして知らない。あまりに何も知らないでいる。なんて言うか、知らないってすごいなあ……色んな意味で。
トイレってとっても出入りが激しい上に、集いの場所だったりする。それはこの星の人間はもちろんのこと、実はそうじゃない人たちにとっても。
僕は本当はトイレに特に用はない。ただ全くトイレに行かないということを気付かれても厄介なので、家の外にいるときはこうやってタイミングを見計らってトイレに行くことにしているわけだけど……そこで気付いたのが、人間以外にもやってくる人たちがいるということ。ようするにこの辺鄙な世界にやって来ているモノ好きたちの存在。それから人間よりもずっと昔から住んでる人たちもいる。もうトイレが好き過ぎるのはわかるけど、なんでトイレ?
そしてこのトイレは情報の飛び交う宝庫だということもよくわかりました。
なんだろう。落ち着くのかな。ドア一枚隔てただけで、男女と言うたった二つの単純過ぎる区分けによって他方を排除した空間、そしてさらにこの個室に入れば、個が保たれるという隔たれた空間が。誰にも見られていないということに安堵するんだろうか。人間も。そうでない人たちも。ちなみに、住んでいる人たちには見られ放題だけど、見られている方は気付いてないし、見ている方もそんなに興味はないっぽい。と言うか、余程興味がある何かがこない限り見てもいないのかも。ただこのトイレと言う場所にずっといるというだけで。
人間社会に紛れているそうでない人たちは、トイレにやってきて個室に入っては本来の姿に戻っていたり、鏡の前で擬態のほころびを直していたりする。以外によく見かけるのが集団でやってくる場合。複数の人間と思わせていて、実は一体の生命体だったりする種族がいて、そういう人たちはこのトイレにやってきては独立した各身体の一部を統合して情報共有や各部のチェックをしたり、また分裂したりする。正直、同じような顔、同じような姿をして、同じようなことを喋り、同じようなタイミングでトイレに連れ立ってやってくるのだから、とっくに気付かれても良さそうなものなのに、人間たちは無頓着。全然気付かない。人間は基本的に見ない、聞かない、喋らない。そして知らない。あまりに何も知らないでいる。なんて言うか、知らないってすごいなあ……色んな意味で。
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