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3日目の世界(6)
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梅先さんからのLINEは僕が思っていたよりもずっとあっさりとしたものだった。
<お疲れ様。徹夜なら蘇葉さんたちだと思う>
蘇葉さん……まだお会いしたことないかただ。この7階のフロアにはもう一つ部屋がある。そこで作業されているのだろうか。ダッシュのミドリクンとは反対側の廊下の先、給湯室と階段の向こうにあるドアに向かった。ノックをしてみるが反応はない。取っ手を引くがやはりこちらのドアも開かない。
<この時間なら朝食でも食べに行ってるか、買いに行ってるかしてるんじゃないかな>
ああ、なるほど。そういうことでしたか。
<それか、もしかしたら下の物置にいるかも。前にあの部屋の奥で寝てるの見たことがある。静かでよく寝られるんだってさ>
下の物置ってあの倉庫でしょうか。僕はもうもうと埃の舞った数百年は放っておかれている資料室のような小部屋を思い出した。
僕は<有難うございます。わかりました。下の部屋を確認に行ってきます>と返信し、階下へとおりることにした。
<もう少ししたら僕も会社に着くから。心配しなくて大丈夫だよ>
梅先さんは優しい。
<そういえば、古津くんは来てるかな?彼にも新人作業するように八武さんから伝えてもらったんだけど>
デジャヴは戸締りに阻まれ入室できないシーンから先に進んではいない。非常階段とエレベーターホールを見てもしんと静まり返ったフロアに二人が現れる気配もなく、もちろん僕が召喚魔法を発動できたような痕跡は一切なかった。
階下におりると相変わらずぼんやりと薄暗い廊下、その先に目指すドアから光がもれて細く伸びているのが見える。
あ、やっぱりここにいらっしゃるんだ。
この雰囲気、やっぱりいやだなあ。こんなところで寝られる人間てすごい。って言うか、お会いしたことないですけど蘇葉さんはこの世界の人間でしょうか。
コツコツと自分の足音だけが廊下に響く。
あの黒い獣が闊歩している会社だから、もうどこの星の世界の次元のどなたがいらっしゃっても驚かないですけど、どうせ出会うなら友好的なひとがいいなあ。
光のもれるドアの前に立ち、軽くノックをするが反応がない。
寝てらっしゃるのかな?
「おやすみのところすみません。この四月に入社しました鳴海と申します。鍵をお借りしたくて参りました」
突然部屋の中からの激しい音が上がり、そして一瞬にして静けさを取り戻す。
びびびびび、びっくりした。心臓、止まるかと思った。ちがう、止まってる!
荒い息で慌てて胸をたたき、鼓動の再開をうながすナルの前でドアわずかに開き光の帯が長くなる。
あ、開いた。
だが誰かが、なにかが出てくるようすがない。
心臓が拍動を再開したことを確認し、また止まりませんようにと心臓に言い聞かせる。まさか自分のノックと挨拶で、おとなしく寝ていた、首が面倒なことになっている犬やら竜やらを起こしてしまったわけではないよね、大丈夫だよね、とおそるおそるドアを開く。
「し、失礼します……」
一歩なかへと踏み入った瞬間まばゆい光につつまれたかと思うと、目の前には焔が果てしなく広がった。そのさまは劫火に包まれた世界のようで驚きのあまり声を失ったまま目をつぶる。刹那、時空がねじれでもしたか、世界に反変ベクトルが起きたのか、恐るべき光景とは決して相容れない、存在すら有り得ないような柔らかな感触が頬に触れた。
な……な、に!?!?
<お疲れ様。徹夜なら蘇葉さんたちだと思う>
蘇葉さん……まだお会いしたことないかただ。この7階のフロアにはもう一つ部屋がある。そこで作業されているのだろうか。ダッシュのミドリクンとは反対側の廊下の先、給湯室と階段の向こうにあるドアに向かった。ノックをしてみるが反応はない。取っ手を引くがやはりこちらのドアも開かない。
<この時間なら朝食でも食べに行ってるか、買いに行ってるかしてるんじゃないかな>
ああ、なるほど。そういうことでしたか。
<それか、もしかしたら下の物置にいるかも。前にあの部屋の奥で寝てるの見たことがある。静かでよく寝られるんだってさ>
下の物置ってあの倉庫でしょうか。僕はもうもうと埃の舞った数百年は放っておかれている資料室のような小部屋を思い出した。
僕は<有難うございます。わかりました。下の部屋を確認に行ってきます>と返信し、階下へとおりることにした。
<もう少ししたら僕も会社に着くから。心配しなくて大丈夫だよ>
梅先さんは優しい。
<そういえば、古津くんは来てるかな?彼にも新人作業するように八武さんから伝えてもらったんだけど>
デジャヴは戸締りに阻まれ入室できないシーンから先に進んではいない。非常階段とエレベーターホールを見てもしんと静まり返ったフロアに二人が現れる気配もなく、もちろん僕が召喚魔法を発動できたような痕跡は一切なかった。
階下におりると相変わらずぼんやりと薄暗い廊下、その先に目指すドアから光がもれて細く伸びているのが見える。
あ、やっぱりここにいらっしゃるんだ。
この雰囲気、やっぱりいやだなあ。こんなところで寝られる人間てすごい。って言うか、お会いしたことないですけど蘇葉さんはこの世界の人間でしょうか。
コツコツと自分の足音だけが廊下に響く。
あの黒い獣が闊歩している会社だから、もうどこの星の世界の次元のどなたがいらっしゃっても驚かないですけど、どうせ出会うなら友好的なひとがいいなあ。
光のもれるドアの前に立ち、軽くノックをするが反応がない。
寝てらっしゃるのかな?
「おやすみのところすみません。この四月に入社しました鳴海と申します。鍵をお借りしたくて参りました」
突然部屋の中からの激しい音が上がり、そして一瞬にして静けさを取り戻す。
びびびびび、びっくりした。心臓、止まるかと思った。ちがう、止まってる!
荒い息で慌てて胸をたたき、鼓動の再開をうながすナルの前でドアわずかに開き光の帯が長くなる。
あ、開いた。
だが誰かが、なにかが出てくるようすがない。
心臓が拍動を再開したことを確認し、また止まりませんようにと心臓に言い聞かせる。まさか自分のノックと挨拶で、おとなしく寝ていた、首が面倒なことになっている犬やら竜やらを起こしてしまったわけではないよね、大丈夫だよね、とおそるおそるドアを開く。
「し、失礼します……」
一歩なかへと踏み入った瞬間まばゆい光につつまれたかと思うと、目の前には焔が果てしなく広がった。そのさまは劫火に包まれた世界のようで驚きのあまり声を失ったまま目をつぶる。刹那、時空がねじれでもしたか、世界に反変ベクトルが起きたのか、恐るべき光景とは決して相容れない、存在すら有り得ないような柔らかな感触が頬に触れた。
な……な、に!?!?
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