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新しい都市

新鉱石発見で嫌な予感

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 片方のイモリから水色の石が出てきた。
 貴重品というほどでは無いのかな?
 一応使わないでおくか。

「ソロで来てたらヤバかったな」

 剣だけ槍だけだと、耐性持ちに殺されてしまいそう。ヤスデも鼻の良い奴は厳しいみたいだし、ここってかなり面倒な場所なんじゃないか?
 ふと湖の向こうの側が気になり、眺めているとキラリと光るものが見えた。

「どうした?」

「あそこさ。何か光ってない?」

「どれどれ……確かに光ってる。ちょっくら行ってみるか」

 奥へ進んでいくと、光っていた物の正体が見えてくる。
 だけど、こんなに小さかったのか?

「本当にこれか?」

「他に見当たらないしなぁ」

 パッと周辺を見ても他に怪しいところはない。
 目の前にあるのは、見慣れた採掘ポイントに親指の爪ほどの白い石。

「置いてかないでくださいよ」

 声かけるのを忘れてた。
 ついでと言っては申し訳ないが、グスタフさんにも見てもらう。

「んー? これは!」

「何かわかりました?」

「そんなことより掘りますよ!」

 戸惑いつつも全員でツルハシを振り下ろしていると、一打ごとに極小のダメージが反射してくる。

「ダメだ。俺っちじゃ厳しい!」

 まだ採掘を持ってないウーゴだと掘れないレベルみたいだ。
 HPも半分まで減っていたので、休んでいてもらう。
 5分ほど掘り続けているが、なかなか1個目が掘れない。
 さらに5分経ってから、ようやく結果が出た。

【水鉱石-】

「グ、ググ……グスタフさん!」

「こちらも!」

 お互いに採ったものを見せあったが、それぞれ別の素材だった。グスタフさんが採ったのは石英。
 こうもポコポコ新素材が出てくると戸惑う。というか、ドワーフ村でもこういうことあったよな……。

「ウーゴ君。周辺警戒です!」

「うえぇぇ!?」

 あぁ。嫌な音がしてきた。
 2層で最初に聞いた音に似ている。

「ちょっとデカくないか!?」

 あいつまだ大人じゃ無かったのかよ。
 もたげる鎌首は高さ2mまで立ち上がり、こちらを見下ろしている。
 最大サイズのニシキヘビはあるじゃないか。

「こいつは、どうやって戦えば良いんだ!?」

「ちょっと考えます! 時間稼いでください!」

 どうするどうする!?
 とりあえずヘイト取らないといけないよな!

「土弾! こっちは避けメインでやるからね」

「何いってるんだよ! 俺っちでも避けないとマズイだろコラァ!」

 土弾のダメージなんてほとんど無いが、ヘイトだけは取れた。
 というか取っちゃった。

「うっひゃー!」

 若干湿った地面では砂埃じゃなかった。

「地面が弾《はじ》けたぞ」

 呆れてる場合じゃ無い!
 尻尾に注意してたら頭が回り込んでくる。
 ウーゴが斬りつけて無かったら逃げられなかった。

「こいつ、逃げ道塞ごうとしてくるぞ!」

「小ヘビよりは速くない!」

 勇ましいことですな!
 そんなこと言ってるけど、避け方も俺と変わらないじゃないか。

「俺たち、まるでまな板の上の魚だな!」

「ピッチピチ跳ね回ってやるぜー」



 ちょこちょこ攻撃してるけど、HPはミリも減ってなさそうだぞ。

「ハッチ氏は私とスイッチ!」

「了解!」

 グスタフさん待ってたよ!
 大ヘビに接近すると何かを投げつけた。

「ウーゴ君! 当たったところを攻撃です!」

 一体何を当てたんだ?

「ハッチ氏! 廃棄物は持ってますか?」

「え? 置いてきたけど?」

「それなら……装備破壊はセットしていますか?」

「セットしてます。そうか!」

 すっかり忘れてた。ドワーフ村を出る時から付けっぱなしにしてたけど、もっと使えよと自分に言いたい。
 だけど、廃棄物にこんな使い方があるとは思わなかったな。

「うおぉぉぉ! ここめっちゃダメージ入る!」

 調子乗ってヘイト上げすぎだ。
 だけどその気持ちはわかる!

「ヤベー! 助けてくれぇ!」

「困った人です。ハッチ氏は反対側の鱗を剥がしてください」

 よっしゃ。
 装備変更完了だ。

「引きつけてるから、そっちからやってくれ!」

 2人に注意がいっているうちに『装備破壊』を叩き込む。
 破砕《はさい》音が響き渡るとともに、ヘビの鱗が数枚剥がれ落ちた。

「ハッチ氏! あぶない!」

 グスタフさんに声を掛けてもらわなかったら、やられていたかもしれない。
 今のでわかったけど、装備破壊はかなりヘイトが上がるな。

「しばらく……避けに徹するわ!」

「任せろぉ!」

 ウーゴのフォローがとても助かる。
 攻撃直前の鎌首にメイスを当ててキャンセルまでしてくれている。
 ただ、行動が変速で合わせられない。
 今も糸術を使ってヘビによじ登っている。

「ハッチ! 今度は背中の鱗をやってくれよぉ」

「無理!」

 使えないと思ってたけど、糸術使えるじゃないかよぉ。
 ちょっと前の俺に育てておけと言いたい!

「ハッチ氏。ヤマトは使わないんですか?」

 あ。忘れてた!

「ヤマト! 回避優先で攻撃だ!」

 成長したヤマトの体当たりも効いていない。それは期待してなかったけど、総合的に能力は上がってそうだな。
 ちょうどヘイトが剥がれたので、2度目の装備破壊を試したが、失敗してしまった。

「ミスってもヘイト上がるのかよ!?」

 かなり使い所が難しい技だな。

「キュルルー!」

「ん?」

 聞き慣れない声に続いて鈍い衝撃音が響くと、ヘビの頭が崩れ落ちてきた。

「倒したの? ウーゴ? グスタフさん?」

「えぇぇぇ」

「ヤマトです」

 嘘だろ? 全然ダメージ出てなかったじゃないか。

「ヤマトだな」

 マジですか?

「お前、何をやったの?」
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