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「紫雨がすまなかったね」
神村さんの車に乗せてもらい、送ってもらう事になった。
神村さんは申し訳無さそうだ。
「いえ、僕こそ何かごめんなさい」
「山田くんが謝る事じゃない。紫雨とは幼馴染みなんだがどうも幼い妹みたいなところが有ってね。俺も甘やかし過ぎた気がす」
「え?」
「え?」
あれ? 妹?
恋仲じゃないのか?
思わず聞き返してしまい、神村さんも何が『え?』なのかと聞き返してきた。
「すみません、紫雨さんの話を聞いて恋仲なのかと……」
「俺と紫雨が?」
頷くと、神村さんは爆笑である。
こんな風に笑うのかって、ビックリするぐらい笑っている。
「いや、すまない。紫雨は色々立場とか有って、俺しか友達が居ないものだから大袈裟に表現したんだろう」
「そうなんですか……」
なんでだろ。
僕、神村さんと紫雨さんが恋仲では無いとしってホッとしている。
「だから、君は気に病むことは無い。確かに吸血鬼はプライドが高くて自分のお気に入りの餌を他の吸血鬼に味見させて自慢する事は有っても共有する事は無いらしいが、アレも大袈裟に言っているだけで俺以外にも餌が居るだろう」
「それなら良いのですが」
味見させて自慢するなんて、やっぱり吸血鬼は理解出来ないな。
僕も吸血鬼なんだけど。
血が薄いからかな?
「紫雨は少し俺に依存しているところが有ると思っていた。このままでは良く無いと思っていたんだ。良いキッカケになった。山田くんのおかけだよ」
「しかし、絶交は言い過ぎでしたよ」
「うむ……」
だって紫雨さんは本当に泣きうだった。
僕だってコウモリさんや神村さんに絶交なんて言われたらきっと泣いてしまうだろう。
僕もコウモリさんと神村さんに依存してしまっているのだろうか。
駄目な事なんだろうか。
そう、思い悩んでしまう。
「たしかに俺も売り言葉に買い言葉だった。今度謝る」
「今、ごめんねって紫雨さんにメッセージ送ってください。そこの公園にでも車を止めて」
「い、今すぐか?」
「今すぐです。僕も胸が痛いので」
「どうした!? 持病でも有るのか!?」
「そうじゃなくて……」
言い方が悪かった。
神村さんは直ぐに公園のパーキングに車を止めると僕の手首を掴む。
「不整脈では無さそうだが……」
「僕の胸はもう大丈夫です。気の所為でした」
「気の所為とかあるのか?」
「好きな人を見て胸がドキドキするのだって気の所為みたいなもんでしょ。アレでした」
「何故急に恋に落ちたんだ?」
「良いから早く紫雨さんにメッセージ送ってくださいよ!」
神村さんは以外に天然らしい。
会話が迷走している。
この意味の解らない会話を終わらせたい。
「解った」
神村さんは渋々と言う感じに紫雨さんにメッセージを送る。
『言い過ぎた。絶交は困る』
と、送った返事は直ぐに来た。
『悪いと思ってるなら僕の餌だって認めて』
だ。
「無理だ。コイツ、全然反省しない。俺も正直付き合いきれない」
スマホを後ろに放り投げてしまう神村さん。
ああースマホを投げないでぇ。
社員さん。
大事な連絡も来るも知れないのに。
「本当は紫雨と少し距離を置きたいと思っていたんだ。流石にちょと重すぎる」
神村さんは深く溜息を吐いた。
「本当に絶交したかったんですか?」
「そうじゃない。だが、本当の妹でも無いし、可愛く見える歳でもない。俺離れして欲しい。紫雨の為にもだ」
「でも、さっきみたいに売り言葉に買い言葉では良く無いでしょう。ちゃんと話し合って下さい。唐突に突き放すなんて、紫雨さんからしたら悲しすぎますよ」
「話して分かるやつじゃないから困ってるだ」
神村さんは本当に困ってる様子が。
けっこう、追い詰められていたのかもしれない。
僕が踏み込む問題では無かった。
「僕、余計な事しちゃいましたね。ごめんなさい」
またやらかした。
僕は駄目な人間だ。
いや、吸血鬼なのか。
「いや、こんな風にプライベートな悩みを話せる相手も居なかったから、山田くんが聞いてくれて助かるよ」
「紫雨さんにはしないんですか?」
「主にプライベートな悩みは紫雨起源のものだから紫雨に言ってもな。そもそもアイツ本当に会話がままならないんだ。一方的に我がまましか言わない」
もう嫌だぁと、頭をかく神村さん。
これは神村さんの為にも本当に紫雨さんとは距離を置いた方が良さそうである。
「沢山がんばったんですね。よしよし」
思わず頭を撫でてしまう。
やってしまってから、僕は何をしているんだと、顔を真っ赤にさせてしまった。
「ごめんなさい。変な事をしてしまいました!」
「有難う。頭を撫でられた事なんて初めてだよ」
「そうですよね!!」
平社員が社長の頭を撫でるなんて、何やってんだろう僕は。
不敬でクビになる!
「お礼に俺の血でも飲まないか?」
「良いんですか!?」
なんだか今、物凄く飲みたい気分であった。
「どうぞ」
苦笑しつつ、腕をめくる神村さん。
もしかしたら冗談だったかもしれない。
でも飲ませてもらえるなら、飲む。
ガブ!
チューチュー吸いだす。
血を飲むコツを掴めたらしい。
上手に飲めている気がする。
美味しい。
満足するまで飲んで良いのだろうか。
チラリと、神村さんの表情を伺う。
「うっ、ッ、あ、ァ……」
眉間にしわ寄せて何か耐えている様な表情をしている。
慌てて口を離した。
腕を確かめる。
痕は無い。
「ごめんなさい、痛かったですか!?」
「あっ、いや、すまない……」
「神村さんにとっては僕と相性が悪かったんでしょうか?」
コウモリさんは痛くないから大丈夫だと言っていたのに。
神村さんは痛かったのか。
僕が良くても神村さんが痛いんじゃマッチングに成功したとは言えないのでは……
「やっぱりコウモリさんに土下座で頼み込むしかないですね」
僕と上手くマッチング出来たのはコウモリさんだけだったみたいだ。
なんか、残念な気持ちだ。
なんで残念なんだ。
コウモリさんに悪いからか?
「いや、多分、相性がとんでもなく良いのかも知れない」
「痛かったのに?」
「痛くなかった」
「嘘つかないでください」
だって痛そうな顔していた。
「その、気持ちよくなってしまって……」
「気持ちよさそうな顔ではありませんでしたよ!」
「吸血鬼の唾液には媚薬効果が有るのは知っているよな」
「ええ、コウモリさんから聞きました」
「それで、その……」
「でも、そこまで強くは無いはず……」
本当にホンワカ頭にお花畑が咲くみたいな気持ちの良さだと聞いたが。
それも大丈夫なのかな? とは思ったけど。
中毒症状は無いと言っていた。
治癒効果が高いので寧ろ体に良いと。
だから吸血鬼は血を貰えるし、パートナーは体調が良くなってウィンウィンだって聞いたんだが。
「俺もこんな事は初めてでよく解らないんだが、その、勃ってしまって……」
「たっ……」
恥ずかしそ言う神村さんに、思わず視線がソチラへ行ってしまう。
たしかに主張していた。
「み、見ないでくれ…… 恥ずかしい」
神村さんは顔を真っ赤にして、困っている。
なんだかそんな神村さんを見ていると、僕もムラムラしてきてしまった。
神村さん可愛い!
もっと神村さんの血が欲しい。
もっと可愛い顔を見せて欲しい。
なんならフェラしてもしいい!!
「か、帰りましょう!!」
僕は何を考えているんだ!!!!
神村さんは頷いて車を走らせると、僕をアパートの前に降ろし、挨拶もそこそこに走り去って行った。
相性が良いのはよかったが、良すぎるのも問題である。
血を貰うたびに神村さんが勃起させてしまうと思うと。
めっちゃ興奮する!!
じゃなくて、可哀想だ。
やっぱりコウモリさんに土下座するしか無さそうである。
なんか、据え膳を食べられないような虚しい気持ちだ。
僕は思いの外とんでもない変態なのかもしれない。
神村さんの車に乗せてもらい、送ってもらう事になった。
神村さんは申し訳無さそうだ。
「いえ、僕こそ何かごめんなさい」
「山田くんが謝る事じゃない。紫雨とは幼馴染みなんだがどうも幼い妹みたいなところが有ってね。俺も甘やかし過ぎた気がす」
「え?」
「え?」
あれ? 妹?
恋仲じゃないのか?
思わず聞き返してしまい、神村さんも何が『え?』なのかと聞き返してきた。
「すみません、紫雨さんの話を聞いて恋仲なのかと……」
「俺と紫雨が?」
頷くと、神村さんは爆笑である。
こんな風に笑うのかって、ビックリするぐらい笑っている。
「いや、すまない。紫雨は色々立場とか有って、俺しか友達が居ないものだから大袈裟に表現したんだろう」
「そうなんですか……」
なんでだろ。
僕、神村さんと紫雨さんが恋仲では無いとしってホッとしている。
「だから、君は気に病むことは無い。確かに吸血鬼はプライドが高くて自分のお気に入りの餌を他の吸血鬼に味見させて自慢する事は有っても共有する事は無いらしいが、アレも大袈裟に言っているだけで俺以外にも餌が居るだろう」
「それなら良いのですが」
味見させて自慢するなんて、やっぱり吸血鬼は理解出来ないな。
僕も吸血鬼なんだけど。
血が薄いからかな?
「紫雨は少し俺に依存しているところが有ると思っていた。このままでは良く無いと思っていたんだ。良いキッカケになった。山田くんのおかけだよ」
「しかし、絶交は言い過ぎでしたよ」
「うむ……」
だって紫雨さんは本当に泣きうだった。
僕だってコウモリさんや神村さんに絶交なんて言われたらきっと泣いてしまうだろう。
僕もコウモリさんと神村さんに依存してしまっているのだろうか。
駄目な事なんだろうか。
そう、思い悩んでしまう。
「たしかに俺も売り言葉に買い言葉だった。今度謝る」
「今、ごめんねって紫雨さんにメッセージ送ってください。そこの公園にでも車を止めて」
「い、今すぐか?」
「今すぐです。僕も胸が痛いので」
「どうした!? 持病でも有るのか!?」
「そうじゃなくて……」
言い方が悪かった。
神村さんは直ぐに公園のパーキングに車を止めると僕の手首を掴む。
「不整脈では無さそうだが……」
「僕の胸はもう大丈夫です。気の所為でした」
「気の所為とかあるのか?」
「好きな人を見て胸がドキドキするのだって気の所為みたいなもんでしょ。アレでした」
「何故急に恋に落ちたんだ?」
「良いから早く紫雨さんにメッセージ送ってくださいよ!」
神村さんは以外に天然らしい。
会話が迷走している。
この意味の解らない会話を終わらせたい。
「解った」
神村さんは渋々と言う感じに紫雨さんにメッセージを送る。
『言い過ぎた。絶交は困る』
と、送った返事は直ぐに来た。
『悪いと思ってるなら僕の餌だって認めて』
だ。
「無理だ。コイツ、全然反省しない。俺も正直付き合いきれない」
スマホを後ろに放り投げてしまう神村さん。
ああースマホを投げないでぇ。
社員さん。
大事な連絡も来るも知れないのに。
「本当は紫雨と少し距離を置きたいと思っていたんだ。流石にちょと重すぎる」
神村さんは深く溜息を吐いた。
「本当に絶交したかったんですか?」
「そうじゃない。だが、本当の妹でも無いし、可愛く見える歳でもない。俺離れして欲しい。紫雨の為にもだ」
「でも、さっきみたいに売り言葉に買い言葉では良く無いでしょう。ちゃんと話し合って下さい。唐突に突き放すなんて、紫雨さんからしたら悲しすぎますよ」
「話して分かるやつじゃないから困ってるだ」
神村さんは本当に困ってる様子が。
けっこう、追い詰められていたのかもしれない。
僕が踏み込む問題では無かった。
「僕、余計な事しちゃいましたね。ごめんなさい」
またやらかした。
僕は駄目な人間だ。
いや、吸血鬼なのか。
「いや、こんな風にプライベートな悩みを話せる相手も居なかったから、山田くんが聞いてくれて助かるよ」
「紫雨さんにはしないんですか?」
「主にプライベートな悩みは紫雨起源のものだから紫雨に言ってもな。そもそもアイツ本当に会話がままならないんだ。一方的に我がまましか言わない」
もう嫌だぁと、頭をかく神村さん。
これは神村さんの為にも本当に紫雨さんとは距離を置いた方が良さそうである。
「沢山がんばったんですね。よしよし」
思わず頭を撫でてしまう。
やってしまってから、僕は何をしているんだと、顔を真っ赤にさせてしまった。
「ごめんなさい。変な事をしてしまいました!」
「有難う。頭を撫でられた事なんて初めてだよ」
「そうですよね!!」
平社員が社長の頭を撫でるなんて、何やってんだろう僕は。
不敬でクビになる!
「お礼に俺の血でも飲まないか?」
「良いんですか!?」
なんだか今、物凄く飲みたい気分であった。
「どうぞ」
苦笑しつつ、腕をめくる神村さん。
もしかしたら冗談だったかもしれない。
でも飲ませてもらえるなら、飲む。
ガブ!
チューチュー吸いだす。
血を飲むコツを掴めたらしい。
上手に飲めている気がする。
美味しい。
満足するまで飲んで良いのだろうか。
チラリと、神村さんの表情を伺う。
「うっ、ッ、あ、ァ……」
眉間にしわ寄せて何か耐えている様な表情をしている。
慌てて口を離した。
腕を確かめる。
痕は無い。
「ごめんなさい、痛かったですか!?」
「あっ、いや、すまない……」
「神村さんにとっては僕と相性が悪かったんでしょうか?」
コウモリさんは痛くないから大丈夫だと言っていたのに。
神村さんは痛かったのか。
僕が良くても神村さんが痛いんじゃマッチングに成功したとは言えないのでは……
「やっぱりコウモリさんに土下座で頼み込むしかないですね」
僕と上手くマッチング出来たのはコウモリさんだけだったみたいだ。
なんか、残念な気持ちだ。
なんで残念なんだ。
コウモリさんに悪いからか?
「いや、多分、相性がとんでもなく良いのかも知れない」
「痛かったのに?」
「痛くなかった」
「嘘つかないでください」
だって痛そうな顔していた。
「その、気持ちよくなってしまって……」
「気持ちよさそうな顔ではありませんでしたよ!」
「吸血鬼の唾液には媚薬効果が有るのは知っているよな」
「ええ、コウモリさんから聞きました」
「それで、その……」
「でも、そこまで強くは無いはず……」
本当にホンワカ頭にお花畑が咲くみたいな気持ちの良さだと聞いたが。
それも大丈夫なのかな? とは思ったけど。
中毒症状は無いと言っていた。
治癒効果が高いので寧ろ体に良いと。
だから吸血鬼は血を貰えるし、パートナーは体調が良くなってウィンウィンだって聞いたんだが。
「俺もこんな事は初めてでよく解らないんだが、その、勃ってしまって……」
「たっ……」
恥ずかしそ言う神村さんに、思わず視線がソチラへ行ってしまう。
たしかに主張していた。
「み、見ないでくれ…… 恥ずかしい」
神村さんは顔を真っ赤にして、困っている。
なんだかそんな神村さんを見ていると、僕もムラムラしてきてしまった。
神村さん可愛い!
もっと神村さんの血が欲しい。
もっと可愛い顔を見せて欲しい。
なんならフェラしてもしいい!!
「か、帰りましょう!!」
僕は何を考えているんだ!!!!
神村さんは頷いて車を走らせると、僕をアパートの前に降ろし、挨拶もそこそこに走り去って行った。
相性が良いのはよかったが、良すぎるのも問題である。
血を貰うたびに神村さんが勃起させてしまうと思うと。
めっちゃ興奮する!!
じゃなくて、可哀想だ。
やっぱりコウモリさんに土下座するしか無さそうである。
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