ハロウィンの吸血鬼

甘塩ます☆

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 何故な自分でも解らないのだが、神村さんをハロウィンパーティーに誘ってしまった。
 ハロウィンパーティーは仮装が条件である。  
 既に吸血鬼が人間のふりをしていると言う、仮装と言えば仮装なんじゃないか状態であるが、仮装はどうしたら良いだろう。
 学生の時、文化祭でやったお化け屋敷の落ち武者の仮装が何処かに有ると思うけど。
 多分、空気読めなすぎてる仮装だよな。
 変に目立ちたくはない。
 因みに吸血鬼ばかりなので、吸血鬼の仮装は禁止らしい。 
 今から衣装を用意すると言うのも大変なものだ。
 簡単に忍者とかにしちゃうか。
 忍者の衣装なら直ぐに作れる。
 取り敢えず、布を用意しよう。
 明日のお昼休みにでも買えば良い。
 そして夜なべをしよう。

「薫くん、お疲れ様。帰ろう」
「お疲れ様です」

 社長室から帰り支度を済ませた神村さんが出てきた。
 僕も直ぐに帰り支度を済ませる。
 一緒に会社を出た。

 神村さんはどんな仮装をするんだろう。
 用意はあるんだろうか。
 
「ハロウィンパーティーなんだが、薫くんは何の仮装をするのかな?」

 神村さんも気になっていたらしい。
 彼から話を振ってくれた。

「僕は忍者が良いかなぁと、明日の昼休みにでも布を調達して縫います」
「自分でか!?」
「裁縫はと得意な方なんですよ」
「君、出来ない事はないのか?」
「そうですね。人付き合いは苦手ですね」
「そうは思えないんだが」
「神村さんは僕にとって貴重なお話しできる人です」
「そうかな」

 ハハっと苦笑する神村さんだ。

「神村さんは何をする予定なんですか?」
「薫くんも俺を名前で呼んでくれたら教えよう」
「なんですかそれ」

 悪戯っぽく笑う神村さん。
 割とオチャメなところがある。
 こういうとこ可愛いな。

「貴臣さんは何をするんですか?」

 意気込んで名前を呼んでみた。
 緊張で内心ドキドキした。
 名前で呼ぶ人なんて今まで居なかったから僕にとって初めて名前で呼び合う人になった。
 貴臣さんは僕に色々な初めてをくれるな。
 初めて救急車に乗せてくれたり。

「それが、俺はハロウィンなんて今まで気にした事がなくてね、仮装だって学生の時にしたメイド喫茶のメイド服しか無いんだよ」
「え!?」

 貴臣さん、メイド喫茶でメイドしたの!?
 見たすぎる!!

「紫雨は可愛く着こなしてたが、俺はもうギャグにしかならんし、皆怖がるから結局裏方に回ったよ。とんでもない黒歴史が誕生した日だったな」
「写真とかないんですか!?」 
「紫雨がツーショを撮ってたが、残してるどうかは知らん。消していて欲しい」
「えー、ずるいです!!」

 紫雨さんばっかり!!   
 貴臣さんのメイド見たい!!

「何がずるいんだ? 俺は明日はシーツでも被って行こうと思うだがどうだうか」
「それはそれで可愛いとおもいます!」

 何それ、ギャップ可愛いだ。
 それはそれとして、メイド服も見たい。

「でもやっぱり一緒に参加するのだからコンセプトは同じにした方がよくないですか?」
 
 忍者とシーツおばけではあまりにもとっ散らかり過ぎである。 
 周りから見て貴臣さんが僕のパートナーとして見えずにナンパされても困る。

「そうは言っても急な話だからな。用意できるものに限りがある」
「僕と一緒に忍者しましょう。貴臣さんのぶんも作るので今から一緒に家に来てください。サイズを測らないと」
「この短時間で二着も作るのか?」
「忍び装束なんてささっと切ってささっと縫うだけですよ。縫うのはミシンですし一着作るのも二着作るのと同じですから」
「そうかなぁ?」

 やる気満々の僕に、貴臣さんは折れてくれた様子だ。
 一緒に僕のアパートに向かう。
 貴臣さんとペアルックだ。
 そう思うと何だか気分がルンルンする僕だった。
 
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