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バイキングで好きな物を取って食べたりしていたが、貴臣さんも僕も割と声をかけられた。
僕は新しい吸血鬼の仲間として挨拶に来てくれるし、貴臣さんは紫雨さんの幼馴染みと言うことで家に良く来ていたのか「貴臣くんかい、大きくなったね」「紫雨様の事を宜しくね」等、声をかけられている。
あまり、貴臣さんとお話ができない。
それがちょっと寂しかった。
21時頃になると、急に人が帰りだした。
お開きだろうか。
「僕達も帰りましょうか」
「そうだな。送るついでにまた味噌汁を馳走してくれ」
「良いですね」
そんな話をしながら手を繋ぐ。
貴臣さんと自然に手が繋げるようになった気がする。
これだけでもパーティーって最高だ。
「年寄りに帰って貰ったんだよ。君達はまだ此処に居なさい」
帰ろうと会場を出ようとしたが、紫雨さんに止められる。
「いや、もう食事も楽しんだし、俺たちも帰ろうかと思うだが」
貴臣さんは帰りたそうだ。
「パーティーはこれからだよ」
紫雨さんが僕達を引き止めている間にお年寄りさん達は全員出ていったらしく、会場の扉は閉められてしまった。
「さぁ、宴の時間だね。皆好きにやってくれ」
そう、紫雨さんが声を上げると歓喜の声が上がる。
もう十分、好きに食事も楽しんだんだが……
そうな風に思っていると、皆、公然で突然キスしたり、ソファーに押し倒したり服を脱がせたりしながら吸血行動をしたり、しまいにはアンアンなんてヤラシイ声まで聞こえてきた。
こ、これは!?
困惑して固まる僕。
「君たちも混ざろう。パーティーでは他の人のパートナーと遊んでも構わないからね。貴臣は私と遊ぼうか」
スッと貴臣さんの手を引こうとする紫雨さん。
嫌だと思ったが、貴臣さんが良いなら仕方ない。
そう思って貴臣さんを見た。
貴臣さんは紫雨さんの手を振り払い。
ドアを開けようと試みている。
「開かん」
チッと舌打ちし、貴臣さんは紫雨さんを睨む。
顔が赤い。
怒ってるだけでは無い気がする。
もしかして、欲情している?
「吸血鬼族にだけ効かない媚薬を焚いているんだ。貴臣には別に狼に効きやすい媚薬も使ったけどね」
「梅昆布茶か……」
「貴臣は少し素直過ぎるよね」
貴臣さんは体に力が入らない様子で僕に倒れこんでしまう。
「何故こんな事をするんです!?」
大事な幼馴染みだろうに。
貴臣さんだって、紫雨さんを信頼していたから差し出された飲み物を疑わずに飲みほしたのだろう。
なぜその信頼を裏切る様な形でこんな事をするのか、僕には理解出来ない。
「貴臣は力が強すぎてね。鍵をかけていても壊して飛び出された事が有った」
「以前も同じ事をしたんですね」
貴臣さんはその時も嫌がって逃げたと言うことだ。
僕は紫雨さんを睨む。
怒りで興奮しているのか、気づけば僕はの息も上がっていた。
いや……
僕も欲情している?
何故?
吸血鬼には効かない媚薬では?
「ついでに君にも媚薬を盛ったよ山田薫くん。君には吸血鬼に抜群に効くやつだ。君は可愛い顔をしているね。沢山遊んで貰うと良い」
そう言われて気づく、側にボディーガードらしい屈強な男達が集まっている事に。
みんな媚薬の影響か、ハァハァ言っている。
その時に気づいた。
紫雨さんは良い人では無いと。
貴臣さんが可愛い妹の様な存在で可愛がっていると言うから僕はも彼を信じた。
だが、そうでは無い。
この人は何処か狂ってる。
そう感じた。
もしかしたら貴臣さんと溝が出来た事で狂ってしまったのかも知れないが、今はそんな事を深く考えている余裕がない。
僕はもそれなりに心得はある。
有段者だ。
襲われても抵抗は出来るだろが、いつまで抵抗しつづけられるか。
そもそも貴臣さんは力が抜けて動けない。
貴臣さんを庇いながらではどうにも……
僕は貴臣さんを抱きしめ、紫雨さんを睨むしか出来なかった。
紫雨さんは勝ち誇った様に笑っている。
クソぶん殴りてぇ。
「薫さん! 貴臣さん!」
ガチャと、勢いよくドアが開いて思わず倒れ混んでしまった。
上から見下ろしている顔には見覚えがある。
「コウモリさん……」
「早く逃げて下さい!」
どうやらコウモリさんが鍵を開けてくれたらしい。
「コウモリ、お前!」
紫雨さんが驚いた様にコウモリさんを見ている。
「コウモリさんも」
貴臣さんを抱き上げて走る力は有る。
僕はコウモリさんも一緒にと、言うがコウモリさんは追手を引き受けるつもりでいる様子だ。
コウモリさんは紫雨さんの使用人、裏切ったとなれば酷い目に合わされるかも知れない。
「コウモリさん!」
「私は飛んで逃げられますので、お先に!」
コウモリさんに言われ、申し訳ないが貴んと二人で逃げた。
コウモリさん、上手に逃げ出してくれ!
僕は新しい吸血鬼の仲間として挨拶に来てくれるし、貴臣さんは紫雨さんの幼馴染みと言うことで家に良く来ていたのか「貴臣くんかい、大きくなったね」「紫雨様の事を宜しくね」等、声をかけられている。
あまり、貴臣さんとお話ができない。
それがちょっと寂しかった。
21時頃になると、急に人が帰りだした。
お開きだろうか。
「僕達も帰りましょうか」
「そうだな。送るついでにまた味噌汁を馳走してくれ」
「良いですね」
そんな話をしながら手を繋ぐ。
貴臣さんと自然に手が繋げるようになった気がする。
これだけでもパーティーって最高だ。
「年寄りに帰って貰ったんだよ。君達はまだ此処に居なさい」
帰ろうと会場を出ようとしたが、紫雨さんに止められる。
「いや、もう食事も楽しんだし、俺たちも帰ろうかと思うだが」
貴臣さんは帰りたそうだ。
「パーティーはこれからだよ」
紫雨さんが僕達を引き止めている間にお年寄りさん達は全員出ていったらしく、会場の扉は閉められてしまった。
「さぁ、宴の時間だね。皆好きにやってくれ」
そう、紫雨さんが声を上げると歓喜の声が上がる。
もう十分、好きに食事も楽しんだんだが……
そうな風に思っていると、皆、公然で突然キスしたり、ソファーに押し倒したり服を脱がせたりしながら吸血行動をしたり、しまいにはアンアンなんてヤラシイ声まで聞こえてきた。
こ、これは!?
困惑して固まる僕。
「君たちも混ざろう。パーティーでは他の人のパートナーと遊んでも構わないからね。貴臣は私と遊ぼうか」
スッと貴臣さんの手を引こうとする紫雨さん。
嫌だと思ったが、貴臣さんが良いなら仕方ない。
そう思って貴臣さんを見た。
貴臣さんは紫雨さんの手を振り払い。
ドアを開けようと試みている。
「開かん」
チッと舌打ちし、貴臣さんは紫雨さんを睨む。
顔が赤い。
怒ってるだけでは無い気がする。
もしかして、欲情している?
「吸血鬼族にだけ効かない媚薬を焚いているんだ。貴臣には別に狼に効きやすい媚薬も使ったけどね」
「梅昆布茶か……」
「貴臣は少し素直過ぎるよね」
貴臣さんは体に力が入らない様子で僕に倒れこんでしまう。
「何故こんな事をするんです!?」
大事な幼馴染みだろうに。
貴臣さんだって、紫雨さんを信頼していたから差し出された飲み物を疑わずに飲みほしたのだろう。
なぜその信頼を裏切る様な形でこんな事をするのか、僕には理解出来ない。
「貴臣は力が強すぎてね。鍵をかけていても壊して飛び出された事が有った」
「以前も同じ事をしたんですね」
貴臣さんはその時も嫌がって逃げたと言うことだ。
僕は紫雨さんを睨む。
怒りで興奮しているのか、気づけば僕はの息も上がっていた。
いや……
僕も欲情している?
何故?
吸血鬼には効かない媚薬では?
「ついでに君にも媚薬を盛ったよ山田薫くん。君には吸血鬼に抜群に効くやつだ。君は可愛い顔をしているね。沢山遊んで貰うと良い」
そう言われて気づく、側にボディーガードらしい屈強な男達が集まっている事に。
みんな媚薬の影響か、ハァハァ言っている。
その時に気づいた。
紫雨さんは良い人では無いと。
貴臣さんが可愛い妹の様な存在で可愛がっていると言うから僕はも彼を信じた。
だが、そうでは無い。
この人は何処か狂ってる。
そう感じた。
もしかしたら貴臣さんと溝が出来た事で狂ってしまったのかも知れないが、今はそんな事を深く考えている余裕がない。
僕はもそれなりに心得はある。
有段者だ。
襲われても抵抗は出来るだろが、いつまで抵抗しつづけられるか。
そもそも貴臣さんは力が抜けて動けない。
貴臣さんを庇いながらではどうにも……
僕は貴臣さんを抱きしめ、紫雨さんを睨むしか出来なかった。
紫雨さんは勝ち誇った様に笑っている。
クソぶん殴りてぇ。
「薫さん! 貴臣さん!」
ガチャと、勢いよくドアが開いて思わず倒れ混んでしまった。
上から見下ろしている顔には見覚えがある。
「コウモリさん……」
「早く逃げて下さい!」
どうやらコウモリさんが鍵を開けてくれたらしい。
「コウモリ、お前!」
紫雨さんが驚いた様にコウモリさんを見ている。
「コウモリさんも」
貴臣さんを抱き上げて走る力は有る。
僕はコウモリさんも一緒にと、言うがコウモリさんは追手を引き受けるつもりでいる様子だ。
コウモリさんは紫雨さんの使用人、裏切ったとなれば酷い目に合わされるかも知れない。
「コウモリさん!」
「私は飛んで逃げられますので、お先に!」
コウモリさんに言われ、申し訳ないが貴んと二人で逃げた。
コウモリさん、上手に逃げ出してくれ!
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