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10話
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キャメリアはちゃんとアンリーヌの言いつけを守っていた。
昼休み、食後にアンリーヌの元を訪れ、テストを受ける。
ちゃんと覚えて来ていて、満点だった。
「やれば出来るじゃない。よく出来たわ」
アンリーヌはキャメリアを褒める。
基本は完璧だわ。
今日から6歳~12歳用のマナー本に切り替えよう。
アンリーヌは、キャメリアに新しい本を渡す。
キャメリアは嬉しそうに微笑むので、頭を撫でてやりたくなったりするのだが、アンリーヌは我慢だ。
「明日は王子の所に行って良くてよ」
「え? 宜しいのですか?」
「ええ、マナーは実際やってみなければ身に付かないわ。少しでもヘマをしたら引き離しますからそのつもりでいてね」
「が、頑張ります」
アンリーヌは、ワザと厳しい事を言って煽った。
キャメリアは頑張ると、拳を握って見せる。
内心、アンリーヌは凄く応援するのだった。
そして翌日
昼休みにジェレーノの姿を見つけたキャメリアはジェレーノの側に寄る。
アンリーヌは気付かれないように近くで様子を確かめていた。
キャメリアは言いつけを守ってジェレーノのが気づくまで側に立って待っていた。
だが、ジェレーノは全くキャメリアを見ようとしない。
キャメリアは困った様にアンリーヌの方を見た。
今にも泣き出しそうだ。
ジェレーノならば側に人が立てば気づくだろう。
完全に無視を決め込んでいる。
全く、女性には優しくしなければいけませんよ王子!
アンリーヌはノートに大きく文字書くと、キャメリアに見せた。
『王子の眼の前で転びなさい』
あざとい方法であるし、あまり褒められた方法ではない。
失礼極まりない行為であるが、眼の前で転べばジェレーノも無視は出来ないだろう。
目があったら頭を下げ、ジェレーノが挨拶を返せば会話が出来る。
セオリーを守れば印象はグッと良くなる筈だ。
キャメリアはアンリーヌの指示に従い、王子の前で転んで見せる。
「キャ!」
悲鳴を上げて転んだフリをするキャメリア。素直な彼女らしく演技が下手くそなのがまた可愛らしかった。
流石に無視出来ないジェレーノもアンリーヌの予想した通りに動いてくれた。
転んだキャメリアに手を差し出したのだ。
「大丈夫?」
そう声をかける王子とキャメリアはしっかり目が合った。
キャメリアはアンリーヌに言われた通りに頭を下げる。
「怪我がなかかったなら良かったね」
ジェレーノはそう言うと、また座って本を読み出してしまった。
どうやら、キャメリアが頭を下げたのを『大丈夫』と言う意思表示の頷きと勘違いしてしまった様だ。
これは予想外だった。
言葉は交わしたが、これは挨拶では無い。
キャメリアはまた困ってアンリーヌを見る。
もう駄目だ。
打つ手が無い。
アンリーヌは手でバツ印を見せると手招きしてキャメリアを呼び戻した。
「駄目だわ。やはり王子の気が向くまで側に立って目が合うまで気長に続けるしか無さそうね」
「はい、あの、でも私、王子とお話し出来なくてもアンリーヌ様とお話し出来て楽しいです」
「私も…… 私は別に楽しくないわ」
可愛い事を言うキャメリアに頷きそうになるアンリーヌだが、自分は悪役令嬢だと思い出し、顔を反らして見せるのだった。
昼休み、食後にアンリーヌの元を訪れ、テストを受ける。
ちゃんと覚えて来ていて、満点だった。
「やれば出来るじゃない。よく出来たわ」
アンリーヌはキャメリアを褒める。
基本は完璧だわ。
今日から6歳~12歳用のマナー本に切り替えよう。
アンリーヌは、キャメリアに新しい本を渡す。
キャメリアは嬉しそうに微笑むので、頭を撫でてやりたくなったりするのだが、アンリーヌは我慢だ。
「明日は王子の所に行って良くてよ」
「え? 宜しいのですか?」
「ええ、マナーは実際やってみなければ身に付かないわ。少しでもヘマをしたら引き離しますからそのつもりでいてね」
「が、頑張ります」
アンリーヌは、ワザと厳しい事を言って煽った。
キャメリアは頑張ると、拳を握って見せる。
内心、アンリーヌは凄く応援するのだった。
そして翌日
昼休みにジェレーノの姿を見つけたキャメリアはジェレーノの側に寄る。
アンリーヌは気付かれないように近くで様子を確かめていた。
キャメリアは言いつけを守ってジェレーノのが気づくまで側に立って待っていた。
だが、ジェレーノは全くキャメリアを見ようとしない。
キャメリアは困った様にアンリーヌの方を見た。
今にも泣き出しそうだ。
ジェレーノならば側に人が立てば気づくだろう。
完全に無視を決め込んでいる。
全く、女性には優しくしなければいけませんよ王子!
アンリーヌはノートに大きく文字書くと、キャメリアに見せた。
『王子の眼の前で転びなさい』
あざとい方法であるし、あまり褒められた方法ではない。
失礼極まりない行為であるが、眼の前で転べばジェレーノも無視は出来ないだろう。
目があったら頭を下げ、ジェレーノが挨拶を返せば会話が出来る。
セオリーを守れば印象はグッと良くなる筈だ。
キャメリアはアンリーヌの指示に従い、王子の前で転んで見せる。
「キャ!」
悲鳴を上げて転んだフリをするキャメリア。素直な彼女らしく演技が下手くそなのがまた可愛らしかった。
流石に無視出来ないジェレーノもアンリーヌの予想した通りに動いてくれた。
転んだキャメリアに手を差し出したのだ。
「大丈夫?」
そう声をかける王子とキャメリアはしっかり目が合った。
キャメリアはアンリーヌに言われた通りに頭を下げる。
「怪我がなかかったなら良かったね」
ジェレーノはそう言うと、また座って本を読み出してしまった。
どうやら、キャメリアが頭を下げたのを『大丈夫』と言う意思表示の頷きと勘違いしてしまった様だ。
これは予想外だった。
言葉は交わしたが、これは挨拶では無い。
キャメリアはまた困ってアンリーヌを見る。
もう駄目だ。
打つ手が無い。
アンリーヌは手でバツ印を見せると手招きしてキャメリアを呼び戻した。
「駄目だわ。やはり王子の気が向くまで側に立って目が合うまで気長に続けるしか無さそうね」
「はい、あの、でも私、王子とお話し出来なくてもアンリーヌ様とお話し出来て楽しいです」
「私も…… 私は別に楽しくないわ」
可愛い事を言うキャメリアに頷きそうになるアンリーヌだが、自分は悪役令嬢だと思い出し、顔を反らして見せるのだった。
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