【完結】βの側近が運命のΩだったので番にした

甘塩ます☆

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「ウギャアアア!!!」

 悲鳴が響き渡る。
 その声はアルフォンスが上げたものでは無かった。
 驚いて目を開くアルフォンス。

「貴様、裏切ったな!!!」

 デールに剣の突き刺すのは、彼と同じ魔物の様であった。

「私を裏切ったのは魔王様です。貴方の運命のΩである私を差し置いて、人間のΩ等と…… 貴方を殺して私も死ぬ!!」

 彼は魔王の運命のΩだった。
 
「貴様に殺られる俺では無いわ!」
「アグッ、グハッ!!」

 血飛沫が舞った。
 己の運命のΩを攻撃するなんて。
 しかも致命傷だ。
 アルフォンスは目を覆った。

「貴様等、もう要らぬ」

 そう冷たく言い放つデール。
 デールの運命のΩはニヤリと笑って見せるのだった。

「先に逝って待っております」

 そう言って。

「フン、一人て逝け」

 デールがそう言い放った刹那。
 強い光にアルフォンスの目は眩んだ。

 この強い光の魔法は……

「なっ! お前は、どうやって!?」

 デールは狼狽えた。

「お前の運命の番が手引してくれた。人の物に手を出さずに居れば、こんな事にはならなかっただろうにな」

 光の向こうで声が聞こえる。

 ああ、我が王。 
 ロナルド様。

「この光に浄化され、消えろ。向こうで彼に宜しく伝えてくれ」 
「止めオオォ!! 消えたくない! 嫌だァァァ!!!」

 絶叫しするデールが光にのまれる。
 そして、光の魔法が消えると同時にデールも運命のΩの亡骸も消えていた。
 その場にはアルフォンスとロナルドだけが残された。
 呆気に取られ、呆然としてしまうアルフォンス。

「ああ、アル。俺のアル。直ぐに助けてやれなくてごめんな」

 ロナルドは呆然とした様子のアルフォンスに駆け寄り、強く抱きしめる。
 服はズタボロで、泣き晴らした瞳。
 間に合わなかった。 
 ロナルドは、直ぐにアルフォンスの首筋を確かめた。
 こそに跡は無い。
 まだ誰の物にもなっていない発情したΩがそこに居た。
 むせ返るほどの甘い香りは、まるで誘う花の様。
 直ぐに抱いてしまいたい。
 噛んで番にしたい。
 アルの中に俺の精子を吐き出して孕ませたい。
 そんな衝動に襲われる。
 だが、アルフォンスはたった今、怖い思いをしたばかりだ。
 そんな事、出来る訳ない。
 
「王、勃起してます」
「あ、ああ、そりゃあするさ」

 目の前に愛しいアルフォンスが居て、それがΩで発情しているんだ。
 正常な俺のペニスは勃起するに決まっている。

「良かった! 障害が治ったんですね!」

 ハッと、表情を明るくするアルフォンス。
 まだ発情中であろうが、それどころでは無い精神状態で少し頭をおかしくなっている様だった。 

「障害では無かったんだ。いや、そんな話をしてる場合では無いだろう。兎に角、城に戻ろう。魔王に孕まされていても困るしな。早く中に出された物を掻き出さないと」
「中に出されてません」
「え? 出されてない!? 本当に!?」
「ええ、大丈夫です」
「良かったぁ~」

 ハァーと胸を撫で下ろすロナルドだった。
 



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