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22話
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薬屋の開店から数日が経ち、森と村の間に新たな繋がりが生まれていた。
モンスターが持ち込む珍しい薬草や、村人が持ってくる日用品。
リラとアルベールは、互いの世界の品々を交換し、穏やかな日々を送っていた。
しかし、その平和な空気は、一人の冒険者の登場によって打ち破られる。
その男は、全身に深い傷を負い、血と泥にまみれて店の扉を叩いた。
顔は恐怖に歪み、その瞳には虚ろな絶望が宿っている。
「た、助けてくれ…!」
リラとアルベールは顔を見合わせ、すぐに男を店の中へ招き入れた。
アルベールが傷の手当てをし、リラが水を飲ませると、男は震える声で語り始めた。
「上級森だ…! 上級森が…地獄になっていた…!」
男は、仲間たちと共により高価な素材や宝石を求め、上級森へと向かったという。
しかし、森の入り口に足を踏み入れた途端、瘴気の濃度がまるで壁のように濃くなり、見たこともないような凶暴なモンスターたちが襲いかかってきたそうだ。
「瘴気のせいで、モンスターも仲間も、見境なく襲いかかってきたんだ…! 俺たちのパーティは…全滅だ…! 俺だけが、かろうじて逃げてこれた…」
男の言葉に、リラとアルベールは息をのんだ。
彼の背負っていたザックの中には、かろうじて回収できたであろう冒険者たちの遺品らしきものが詰まっており、その痛ましい現実にアルベールは拳を握りしめる。
「俺が逃げてきた道にも、他のパーティの死体が転がっていた…。もう、あの森は、生きて帰れる場所じゃねぇ…」
男は、自分の身に起きた恐怖を語り終えると、安堵からか、そのまま気を失ってしまった。
アルベールは、男の言葉を克明に記録しながら、深い絶望を感じていた。
想像以上の速度で瘴気が広がり、上級森全体が危険な領域になっている。
そして、その背後には、魔王の目覚めが迫っているという事実がある。
「アル、どうしよう……」
リラは、男の悲惨な姿を見て、顔を青くしていた。
彼女の心は、火竜を助けられなかった後悔と、仲間を失った冒険者の悲しみに打ちひしがれている。
「リラ、落ち着いてください。大丈夫」
アルベールは、リラの手をそっと握った。
しかし、彼の心にも焦りが募っていた。
このままでは、被害はさらに拡大し、いずれこの森全体が上級森と同じ運命を辿るかもしれない。
リラの浄化能力だけでは、この巨大な瘴気の波を押しとどめることはできないかもしれない。
そう、アルベールは感じていた。
リラが闇雲に動かないようにと、はじめた情報収集であるが、事態は思ったよりも深刻に進んでいる様子だ。
国の管轄としては、この中級森までで、上級森になると危険なモンスターの住処として手入れはしない事になっている。
冒険者や入る人達は自己責任であり、どうなろうと国は知ったことではないスタンスであるが、今回のこの事態は目を瞑る分けにはいかないだろう。
「私は取り急ぎこの事態を国王陛下に伝え、兵士や騎士達を動かせるか相談して来ます」
「まって、国王の所に行くの? また酷い目にあわされない?」
リラはアルベールが心配である。
「大丈夫ですよ。また酷い目にあいそうになったら逃げて来ます」
「わかった、気を付けてね」
「すぐ戻ります」
アルベールの意思の強い瞳を見て、リラは送り出すしか無かった。
外に出たアルベールは直ぐに愛馬に跨って颯爽と走り出す。
リラは念のために小鳥を追わせるのだった。
疲れ切って眠りについた冒険者はベッドに寝かせ、リラは汗を拭いてあげる。
酷く魘されていた。
アルベールは愛馬を駆り、王城へと急いでいた。
上級森の惨状は、無視ではない。
元騎士としての使命感が、彼を突き動かしていた。
たとえ国王に何を言われようと、この情報を伝え、国として対策を取ってもらわなければ。
アルベールを突き動かすのは、いいしれぬ胸騒ぎである。
王城に着いたアルベールは、かつての同僚に協力を仰ぎ、国王への謁見を求めた。
「アルベール卿!? なぜここに…」
同僚の騎士は驚きながらも、アルベールが持つ深刻な雰囲気に、すぐに事態を察した。
話を通して貰うと、国王からも謁見の許可が降りた。
謁見の間で国王と対峙したアルベール。
上級森で起こっていることを一から十まで詳細に語った。
冒険者の証言、死体の山、そして瘴気の異常な広がり。
「上級森は既に壊滅状態です。このままでは、中級森、そして王都にまで瘴気が及ぶのも時間の問題でしょう。どうか、騎士団と兵士を動かし、事態を鎮圧する許可を…!」
アルベールは頭を下げ、国王に懇願した。
しかし、国王の反応は、アルベールの予想とは全く異なるものだった。
国王は、アルベールの報告を冷めた目で聞き、ふっと嘲笑を漏らした。
「馬鹿なことを言うな、アルベール。上級森は元々、危険な場所だ。冒険者たちが勝手に踏み入って死んだところで、国に何の関係がある?」
「陛下! これは単なる事故ではありません! 瘴気の異常な拡大は、魔王の目覚めの兆候なのです!」
「魔王だと? そんな御伽噺を信じるほど、お前は愚かになったのか? それとも、あの娘に誑かされたか?」
国王の言葉に、アルベールは怒りを覚えた。
リラの名を出され、彼女を侮辱されたと感じた。
「陛下、私はこの目で、瘴気が強まっているのを見てきました! 姫の力なしでは、この事態は収まりません!」
そう、強く反発する。
「…やはりな」
国王の瞳が、狂気と憎悪に満ちた光を帯びた。
「あの娘は、お前を誑かしただけでなく、お前の力まで奪おうとしている。お前は俺の騎士だ。俺が育てた、最強の剣だ。それを……」
国王は立ち上がり、アルベールの首を掴んだ。
その力は、以前の鞭打ちの時よりも遥かに強かった。
「お前が俺の元を離れたのは、全てあの娘のせいだ。…ならば、あの娘を始末すれば、お前はまた俺の元に戻るだろう」
その言葉に、アルベールの背筋に冷たいものが走った。
国王の真意は、瘴気の拡大でも、国の安泰でもない。
ただ、リラを奪い、アルベールを再び自分のものにすることだった。
「…っ、失礼します、陛下!」
アルベールは、国王の腕を力ずくで振り払い、謁見の間を飛び出した。
彼の脳裏には、リラが心配そうに見送ってくれた顔が焼き付いている。
(リラが危ない…!)
アルベールは、再び馬に跨り、来た時よりも遥かに速い速度で、森へと向かった。
モンスターが持ち込む珍しい薬草や、村人が持ってくる日用品。
リラとアルベールは、互いの世界の品々を交換し、穏やかな日々を送っていた。
しかし、その平和な空気は、一人の冒険者の登場によって打ち破られる。
その男は、全身に深い傷を負い、血と泥にまみれて店の扉を叩いた。
顔は恐怖に歪み、その瞳には虚ろな絶望が宿っている。
「た、助けてくれ…!」
リラとアルベールは顔を見合わせ、すぐに男を店の中へ招き入れた。
アルベールが傷の手当てをし、リラが水を飲ませると、男は震える声で語り始めた。
「上級森だ…! 上級森が…地獄になっていた…!」
男は、仲間たちと共により高価な素材や宝石を求め、上級森へと向かったという。
しかし、森の入り口に足を踏み入れた途端、瘴気の濃度がまるで壁のように濃くなり、見たこともないような凶暴なモンスターたちが襲いかかってきたそうだ。
「瘴気のせいで、モンスターも仲間も、見境なく襲いかかってきたんだ…! 俺たちのパーティは…全滅だ…! 俺だけが、かろうじて逃げてこれた…」
男の言葉に、リラとアルベールは息をのんだ。
彼の背負っていたザックの中には、かろうじて回収できたであろう冒険者たちの遺品らしきものが詰まっており、その痛ましい現実にアルベールは拳を握りしめる。
「俺が逃げてきた道にも、他のパーティの死体が転がっていた…。もう、あの森は、生きて帰れる場所じゃねぇ…」
男は、自分の身に起きた恐怖を語り終えると、安堵からか、そのまま気を失ってしまった。
アルベールは、男の言葉を克明に記録しながら、深い絶望を感じていた。
想像以上の速度で瘴気が広がり、上級森全体が危険な領域になっている。
そして、その背後には、魔王の目覚めが迫っているという事実がある。
「アル、どうしよう……」
リラは、男の悲惨な姿を見て、顔を青くしていた。
彼女の心は、火竜を助けられなかった後悔と、仲間を失った冒険者の悲しみに打ちひしがれている。
「リラ、落ち着いてください。大丈夫」
アルベールは、リラの手をそっと握った。
しかし、彼の心にも焦りが募っていた。
このままでは、被害はさらに拡大し、いずれこの森全体が上級森と同じ運命を辿るかもしれない。
リラの浄化能力だけでは、この巨大な瘴気の波を押しとどめることはできないかもしれない。
そう、アルベールは感じていた。
リラが闇雲に動かないようにと、はじめた情報収集であるが、事態は思ったよりも深刻に進んでいる様子だ。
国の管轄としては、この中級森までで、上級森になると危険なモンスターの住処として手入れはしない事になっている。
冒険者や入る人達は自己責任であり、どうなろうと国は知ったことではないスタンスであるが、今回のこの事態は目を瞑る分けにはいかないだろう。
「私は取り急ぎこの事態を国王陛下に伝え、兵士や騎士達を動かせるか相談して来ます」
「まって、国王の所に行くの? また酷い目にあわされない?」
リラはアルベールが心配である。
「大丈夫ですよ。また酷い目にあいそうになったら逃げて来ます」
「わかった、気を付けてね」
「すぐ戻ります」
アルベールの意思の強い瞳を見て、リラは送り出すしか無かった。
外に出たアルベールは直ぐに愛馬に跨って颯爽と走り出す。
リラは念のために小鳥を追わせるのだった。
疲れ切って眠りについた冒険者はベッドに寝かせ、リラは汗を拭いてあげる。
酷く魘されていた。
アルベールは愛馬を駆り、王城へと急いでいた。
上級森の惨状は、無視ではない。
元騎士としての使命感が、彼を突き動かしていた。
たとえ国王に何を言われようと、この情報を伝え、国として対策を取ってもらわなければ。
アルベールを突き動かすのは、いいしれぬ胸騒ぎである。
王城に着いたアルベールは、かつての同僚に協力を仰ぎ、国王への謁見を求めた。
「アルベール卿!? なぜここに…」
同僚の騎士は驚きながらも、アルベールが持つ深刻な雰囲気に、すぐに事態を察した。
話を通して貰うと、国王からも謁見の許可が降りた。
謁見の間で国王と対峙したアルベール。
上級森で起こっていることを一から十まで詳細に語った。
冒険者の証言、死体の山、そして瘴気の異常な広がり。
「上級森は既に壊滅状態です。このままでは、中級森、そして王都にまで瘴気が及ぶのも時間の問題でしょう。どうか、騎士団と兵士を動かし、事態を鎮圧する許可を…!」
アルベールは頭を下げ、国王に懇願した。
しかし、国王の反応は、アルベールの予想とは全く異なるものだった。
国王は、アルベールの報告を冷めた目で聞き、ふっと嘲笑を漏らした。
「馬鹿なことを言うな、アルベール。上級森は元々、危険な場所だ。冒険者たちが勝手に踏み入って死んだところで、国に何の関係がある?」
「陛下! これは単なる事故ではありません! 瘴気の異常な拡大は、魔王の目覚めの兆候なのです!」
「魔王だと? そんな御伽噺を信じるほど、お前は愚かになったのか? それとも、あの娘に誑かされたか?」
国王の言葉に、アルベールは怒りを覚えた。
リラの名を出され、彼女を侮辱されたと感じた。
「陛下、私はこの目で、瘴気が強まっているのを見てきました! 姫の力なしでは、この事態は収まりません!」
そう、強く反発する。
「…やはりな」
国王の瞳が、狂気と憎悪に満ちた光を帯びた。
「あの娘は、お前を誑かしただけでなく、お前の力まで奪おうとしている。お前は俺の騎士だ。俺が育てた、最強の剣だ。それを……」
国王は立ち上がり、アルベールの首を掴んだ。
その力は、以前の鞭打ちの時よりも遥かに強かった。
「お前が俺の元を離れたのは、全てあの娘のせいだ。…ならば、あの娘を始末すれば、お前はまた俺の元に戻るだろう」
その言葉に、アルベールの背筋に冷たいものが走った。
国王の真意は、瘴気の拡大でも、国の安泰でもない。
ただ、リラを奪い、アルベールを再び自分のものにすることだった。
「…っ、失礼します、陛下!」
アルベールは、国王の腕を力ずくで振り払い、謁見の間を飛び出した。
彼の脳裏には、リラが心配そうに見送ってくれた顔が焼き付いている。
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