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10話
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倉庫には普段使わない物が色々押し込まれていた。
誰かが置いていった私物の着物等も、雑巾等に使えると思い、取り敢えず倉庫に入れてあるのだ。
節約は大事である。
「これなんか使えそうですね」
そんな雑巾用の汚れた着物を引っ張り出す春岳。
「せっかく湯浴みしたのに……」
「何か言いましたか?」
「いえ……」
帰って来たらまた湯浴みさせれば良いか。
もう、春岳のペースに任せる伊吹だ。
言っても聞いてくださらないと、この数時間で学習した。
お古の着物を纏った春岳は、何やら小道具を取り出す。
「それは何ですか?」
何だか粉の様な物と、筆だ。
何に使うのだろう?
「村人に変装するのに着物だけ汚れていても仕方ありませから顔を汚すんですよ」
「えええーー!?」
「ほら、伊吹も」
春岳が出したのは変装する時に使う化粧アイテムである。
肌を黒ずんで見せたり、顔にそばかすがある様に見せる化粧をパパとし、伊吹の顔にも同じ化粧を施した。
「すごいですね。本当に別人の様です」
「まあな。私は変装も得意です」
鏡をみてホーと、関心している伊吹に、春岳は鼻高々に言う。
と、言うか、春岳には苦手な物など無い。
「さぁ、早く行きましょう。薬草を集めて解毒剤を作らなければ」
春岳は伊吹の手を掴むと、外に連れ出す。
春岳は走った方が早いので、馬は伊吹の分だけである。
「なるべく急いで付いてこいよ」
春岳は、伊吹にそう伝えたかと思うと、足早に去ってしまう。
「あーー! 殿ーー!!」
慌てて馬に跨がり追いかける伊吹であるが、既にもう見えないのだった。
これでは付き添いの意味が全く無いのだが。
何だか自分が情けなくなる伊吹だ。
「殿ーーお待ち下さいーー 殿ーー!」
見えなくなってしまった春岳を呼ぶが、聞こえてないだろう。
兎に角、愛馬を必死に走らせる伊吹だった。
誰かが置いていった私物の着物等も、雑巾等に使えると思い、取り敢えず倉庫に入れてあるのだ。
節約は大事である。
「これなんか使えそうですね」
そんな雑巾用の汚れた着物を引っ張り出す春岳。
「せっかく湯浴みしたのに……」
「何か言いましたか?」
「いえ……」
帰って来たらまた湯浴みさせれば良いか。
もう、春岳のペースに任せる伊吹だ。
言っても聞いてくださらないと、この数時間で学習した。
お古の着物を纏った春岳は、何やら小道具を取り出す。
「それは何ですか?」
何だか粉の様な物と、筆だ。
何に使うのだろう?
「村人に変装するのに着物だけ汚れていても仕方ありませから顔を汚すんですよ」
「えええーー!?」
「ほら、伊吹も」
春岳が出したのは変装する時に使う化粧アイテムである。
肌を黒ずんで見せたり、顔にそばかすがある様に見せる化粧をパパとし、伊吹の顔にも同じ化粧を施した。
「すごいですね。本当に別人の様です」
「まあな。私は変装も得意です」
鏡をみてホーと、関心している伊吹に、春岳は鼻高々に言う。
と、言うか、春岳には苦手な物など無い。
「さぁ、早く行きましょう。薬草を集めて解毒剤を作らなければ」
春岳は伊吹の手を掴むと、外に連れ出す。
春岳は走った方が早いので、馬は伊吹の分だけである。
「なるべく急いで付いてこいよ」
春岳は、伊吹にそう伝えたかと思うと、足早に去ってしまう。
「あーー! 殿ーー!!」
慌てて馬に跨がり追いかける伊吹であるが、既にもう見えないのだった。
これでは付き添いの意味が全く無いのだが。
何だか自分が情けなくなる伊吹だ。
「殿ーーお待ち下さいーー 殿ーー!」
見えなくなってしまった春岳を呼ぶが、聞こえてないだろう。
兎に角、愛馬を必死に走らせる伊吹だった。
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