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13.お昼休みは王子と一緒に
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お昼休みもまた、アイリスはユリアを探していた。
いつもは食堂で王子と食事を共にするのだが、今日はサンドイッチを作って貰い、それを持って外にでる。
確か、ヒロインは雨の日はあずま屋で雨を凌ぎながら、晴の日は噴水の側でお弁当を食べていたはず。
代わる代わるに攻略対象の王子が来るのだ。
あそこは王子達が御用達の温室が近いので見つけやすいのだろう。
勿論、私も使っているが、噴水やあずま屋は木の陰になっているので、そちらの方へ行かなければ見る事も無い。
私が探している中、王子と木陰に隠れながら逢瀬を楽しむヒロインというシチュエーションが可愛かったのよね。
アイリスはゲームの内容を思い出し、フフっと微笑む。
て、事は、今も木陰に隠れて誰かと私の様子を伺って居るんじゃない!?
見つけない方が良いのから。
アイリスは考える。
しかし、気になるので、居ても気づかれなければ良いのよと、そっそり裏に周り、木陰にかくれつつ、噴水のベンチを確かめた。
あら、騎士団長候補の公子だけだわ。
「おや、アイリス様。今日はお弁当ですか?」
「え、ええ……」
何でか隠れてるのに気づかれるのかしら。
「宜しければご一緒しませんか?」
「えっと…… そうね……」
お弁当は食べなければいけないし、このまま探していたら時間が無くなってしまう。
アイリスは公子の隣に腰掛けた。
「サンドイッチですか、美味しそうですね」
「良かったら貴方もどうぞ」
「いえ、私もサンドイッチなんです」
お揃いですねと、フフと微笑む公子。
こうやってみると穏やかな方だから騎士団長候補には見えないのよね。
なんて思ってしまうアイリス。
「アイリス!!」
名前を呼ばれて顔を上げた。
王子だ。
騎士団長候補は王子に跪いて挨拶した。
「ご機嫌麗しく我が主」
「麗しく見えるのか?」
珍しくめちゃくちゃ怒っている。
「僕に内緒で何をしてるの?」
「天気が良かったのでたまには外で食べようよかと思いまして……」
内緒だなんて、ちゃんと手紙を書いて王子の側近に渡した筈だが。
「朝も僕の目を盗んで西と東の王子と仲良くしていたって?」
「人聞きの悪い言い方はやめてください」
「アイリスは僕が相手では不満なの?」
「話が噛みってないですね」
悲しそうな表情をして見せるレオン王子。
「仲の良い友人達と一緒にお勉強したりお弁当を食べたりしてはいけませんか? 西も東の王子も公子も、王子だってご友人じゃありませんか」
「確かに僕の友人だけどライバルでもあるよ」
「好敵手と言う事ですね。良いご関係だと思います」
「僕は好敵手だとは思ってないよ。兎に角、アイリスは僕の婚約者なんだからね!」
「はい。そうですよ?」
念を押すように言われるが、忘れた事なん無い。
公子がいつまでもに頭を下げているので申し訳なくなってきた。
「王子もサンドイッチ如何ですか?」
休憩時間も無くなりそうなので、サンドイッチをすすめる。
「食べる」
王子はアイリスの隣に腰掛ける。
公子はフフフっと微笑ましそうに笑っていた。
サンドイッチを手渡せば、王子も少しは機嫌を直してくれた様だ。
お腹が空いてイライラしてたのだろうか。
そう思うとアイリスも微笑ましく思いフフフっと微笑む。
それから三人で食事を楽しみ、時間まで腹ごなしに剣術の鍛錬に勤しむ公子を眺めつつ、王子と紅茶等を嗜み、時間を過すのだった。
結局、ユリアは見つけられず、チャンスはもう放課後しかない。
全くユリアさんは一体何処に居るのか。
この噴水は公子のお気に入りの場所の様だが、『いつも一人で食べているのですが、やはり食事は複数人でした方が美味しく感じます』等と言っていたので、やはりヒロインは来てない様子であった。
困りましたわ。
凄くストーリーがしっちゃかめっちゃかですわ。
溜息が漏れてしまうアイリスであった。
いつもは食堂で王子と食事を共にするのだが、今日はサンドイッチを作って貰い、それを持って外にでる。
確か、ヒロインは雨の日はあずま屋で雨を凌ぎながら、晴の日は噴水の側でお弁当を食べていたはず。
代わる代わるに攻略対象の王子が来るのだ。
あそこは王子達が御用達の温室が近いので見つけやすいのだろう。
勿論、私も使っているが、噴水やあずま屋は木の陰になっているので、そちらの方へ行かなければ見る事も無い。
私が探している中、王子と木陰に隠れながら逢瀬を楽しむヒロインというシチュエーションが可愛かったのよね。
アイリスはゲームの内容を思い出し、フフっと微笑む。
て、事は、今も木陰に隠れて誰かと私の様子を伺って居るんじゃない!?
見つけない方が良いのから。
アイリスは考える。
しかし、気になるので、居ても気づかれなければ良いのよと、そっそり裏に周り、木陰にかくれつつ、噴水のベンチを確かめた。
あら、騎士団長候補の公子だけだわ。
「おや、アイリス様。今日はお弁当ですか?」
「え、ええ……」
何でか隠れてるのに気づかれるのかしら。
「宜しければご一緒しませんか?」
「えっと…… そうね……」
お弁当は食べなければいけないし、このまま探していたら時間が無くなってしまう。
アイリスは公子の隣に腰掛けた。
「サンドイッチですか、美味しそうですね」
「良かったら貴方もどうぞ」
「いえ、私もサンドイッチなんです」
お揃いですねと、フフと微笑む公子。
こうやってみると穏やかな方だから騎士団長候補には見えないのよね。
なんて思ってしまうアイリス。
「アイリス!!」
名前を呼ばれて顔を上げた。
王子だ。
騎士団長候補は王子に跪いて挨拶した。
「ご機嫌麗しく我が主」
「麗しく見えるのか?」
珍しくめちゃくちゃ怒っている。
「僕に内緒で何をしてるの?」
「天気が良かったのでたまには外で食べようよかと思いまして……」
内緒だなんて、ちゃんと手紙を書いて王子の側近に渡した筈だが。
「朝も僕の目を盗んで西と東の王子と仲良くしていたって?」
「人聞きの悪い言い方はやめてください」
「アイリスは僕が相手では不満なの?」
「話が噛みってないですね」
悲しそうな表情をして見せるレオン王子。
「仲の良い友人達と一緒にお勉強したりお弁当を食べたりしてはいけませんか? 西も東の王子も公子も、王子だってご友人じゃありませんか」
「確かに僕の友人だけどライバルでもあるよ」
「好敵手と言う事ですね。良いご関係だと思います」
「僕は好敵手だとは思ってないよ。兎に角、アイリスは僕の婚約者なんだからね!」
「はい。そうですよ?」
念を押すように言われるが、忘れた事なん無い。
公子がいつまでもに頭を下げているので申し訳なくなってきた。
「王子もサンドイッチ如何ですか?」
休憩時間も無くなりそうなので、サンドイッチをすすめる。
「食べる」
王子はアイリスの隣に腰掛ける。
公子はフフフっと微笑ましそうに笑っていた。
サンドイッチを手渡せば、王子も少しは機嫌を直してくれた様だ。
お腹が空いてイライラしてたのだろうか。
そう思うとアイリスも微笑ましく思いフフフっと微笑む。
それから三人で食事を楽しみ、時間まで腹ごなしに剣術の鍛錬に勤しむ公子を眺めつつ、王子と紅茶等を嗜み、時間を過すのだった。
結局、ユリアは見つけられず、チャンスはもう放課後しかない。
全くユリアさんは一体何処に居るのか。
この噴水は公子のお気に入りの場所の様だが、『いつも一人で食べているのですが、やはり食事は複数人でした方が美味しく感じます』等と言っていたので、やはりヒロインは来てない様子であった。
困りましたわ。
凄くストーリーがしっちゃかめっちゃかですわ。
溜息が漏れてしまうアイリスであった。
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