【完結】皇子に迫られて困っています。悪役令嬢ポジとか言われても、私は田舎で暮らしたいので

甘塩ます☆

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21話

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 リリー達生徒会はマリナの今後を話し合い、結局停学にさせる事に決まった。
 リリーは何とかして学園に通わせてあげたかったが、このままだとより悪くなりそうでどうしようも無かった。
 いくら何でも皇子が自分に恋する事は決まっている事だなどと言う妄言を口した事が広まればマリナはただでは済まされないだろう。それこそ命にかかわる事である。
 マリナの為にも一時的に停学にし、家でマナーや作法、貴族の決まり事などを勉強してもらい、貴族として一般的な常識だけでも身に付けてから学園に戻る様に、彼女の家には手紙を書いた。
 これが一番ベストな選択であろう。
 自分が彼女を庇うような事をしたせいでより拗れさせてしまったのかと思うと、リリーは申し訳ない気持ちになる。
 早くこうしておけば良かったのだ。

 そしてマリナは夏休み開けから学園に登校出来なくなった。
 マリナが来なくなった学園は平和である。

「マリナさんが居ないと皇子も安心でしょうね。本当に良かったです」
「めったな事を言わないでください、彼女から学ぶ権利を奪ってしまいました」

 清々しい様子のカロリーナであるが、リリーは胸を痛めていた。

「学ぶも何も、基本がなっていませんもの学べませんわ。彼女の場合足し算も解らないと言うの掛け算を教えようとしてもどうしようとありませんわ」
「例えが曲端過ぎではありませんか」

 カロリーナなの例えに苦笑ってしまうリリー。

「次は冬のパーティーですわね。夏のパーティーはマリナさんのせいで散々でしたが、冬は成功させましょう」
「気が早すぎます」

 夏休み明けにもう冬休みの前のパーティーの話をするのはどうかと思う。

「ちゃんと夏休みの宿題は終わらせましたか?」
「勿論ですわ。私は勉強をサボったりしません」
「流石カロリーナさんです。お願いします。朝顔の観察日記を見せて下さいませんか?」
「リリー様がおサボりなされたんですか!?」

 まさかリリーがそんな不真面目な事をするとはと驚くカロリーナ。

「朝顔を育てたと思ったんですがホウセンカだった様で、全然違う花の観察日記になってしまったんですが、良いんでしょうか……」
「リリー様は時々そそっかしいですわね。ホウセンカの観察日記でも良いと思いますよ。朝顔ではなく観察日記と言う事に意味があるんでしょうから」
「はい、そうですね。ホウセンカも綺麗ですし」
「そうですわね」
 
 そんな話をしながらカロリーナとリリーは夏休み明けの授業に向かうのであった。
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