音路町ライオット〜音路町ストーリー2〜

回転焼き。

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音路町ライオット

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 中からは悲鳴や怒号が耳を劈くように聞こえる。微かに変な匂いもする。

「何の匂いなんだこれ?」
「ふふふ、オレ針生天峰特製のイカスミ爆弾だよ」
「なっ、何でイカスミ?」
「呪いの言葉だよ。間違いなく心理的にテンパった奴等は言うよな。【わっ!イカスミじゃねぇか!】って」
「あ……」
「これでこの教団は終わりだ」
「しょうもなっ!」

 俺達は教祖の部屋に流れ込む。中はまさに地獄のような光景だ。イカスミで真っ黒に汚れ、匂いも酷い。幹部から教祖から全員が破裂した御神体から発されたイカスミで塗れている。

「警察だ!なんだこれは!」
「いっ、イカスミだ!」
「教祖様!呪いの言葉を……!」
「なもんはもうどうでもいい!」
「全員大人しくしろ!逮捕する!」

 俺達は教祖の部屋の本棚に隠された隠し扉から中に入った。中には数人の男女が所狭しと牢屋に幽閉されていた。

「天峰、鍵を……」

 神業のようなピッキングで牢屋を開くと、天峰は全員を解放した。
 それにしても、一日イカスミの生臭い匂いが取れなさそうだ。



 それからのこと。【円笑教】は拉致監禁罪に、テロを起こそうとした罪で逮捕された。最早監禁された教団員もすっかり洗脳が解けている。
 我相においてはまた活動再開のツイートから、【ワーイ】として作曲活動をはじめたらしい。

「もえむは、どうするんだ?」
「あたしは、また帰ります」
「え~、また遠距離?」
「でも、学校を卒業したらまたこの町に来ますよ。素敵な町ですもん」
「お、言うてくれるやないかい?」
「だから、あたしの事待っててくださいね?」

 音路町駅に【捜し屋】の一同が集結した。荷物を持って改札に来たもえむの目にはうっすら涙が浮かんでいる。

「裕太郎くん。よかったよ」
「心配かけてごめんね」
「うぅん。楽しかったよ、でも」
「僕は大変だったけどね……」

 もえむはポケットから電子マネーを取り出すと、小さく手を振った。

「またね」
「あぁ、待ってるよ」
「皆さんも、お元気で!」

 改札から向こう側に行くもえむの背中が見えなくなるまで、俺達はその姿をずっと見つめていた。振り向けばまた同じ日常。俺は今川焼きを売るいち今川焼き屋に戻るわけだ。

「さて、またお客さんが待ってるぞ。行こう」
「あ、お兄ちゃん待って!」 

 空はオレンジジュースみたいな色の夕焼けで染まっている。帰り道、美音のヘッドホンからは【ワーイ】の人気曲【密室】が流れていた。

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