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音路町グラフィティ
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†
俺は河川敷を探るために向かう。昨晩天峰が描きかけたグラフィティが生々しく残っている。【捜し屋】の一団に御夕覚を加え、何かがあると踏んでからのことである。
さすがに事件現場になった場所には人気はないようだ。逆に捜しやすいが……
「何かあるのは間違いないんだろうがな……」
がさがさと草むらを掻き分けながら周囲を捜索する。果たして襲撃犯が隠したかった物の手懸かりが見つかるかは判らないが……
空は鉛色、何か不吉な予感さえ感じさせる。俺は鵲に今川焼きの3色アソートを与え、また能力を使うよう促した。
「ちょっと…やってみます」
今川焼きを銜えたまま、鵲は河川敷をチラ見する。頭に流れ込む空間の記憶。
「犯人っぽい奴が、あの橋の下に……」
俺達は橋の下に何かがあると察すると、そこを重点的に調査する。
「なぁ、アマさん」
「なんだ?」
「ひょっとしたら、この橋に何かあるんじゃないんですかね。例えば……」
「考えがあるのか?天峰」
「おっと、そこまで」
俺は振り返った。少しだけ離れた位置にすっと立っている男が一人。今まで一緒に捜査をしていた御夕覚だ。
「何を言ってるんだ?」
「そうですよ、なんか様子おかしないですか?」
「ほう、これを見ても、何も思わないと?」
御夕覚は鉄パイプを手にしている。
「おい、冗談だろ?」
「だろ?マイケル・ジョーダンのまぁいける冗談より笑えるだろ?」
「笑えへんわ!」
「噓だよな?御夕覚…どうしてこんな……」
「んなもん決まってるだろ?街をあんなチンピラに汚されたくないからだよ」
御夕覚は鉄パイプを肩に担いでひたひたと近付いてきた。
「俺様は警察だ、状況証拠なんていくらでもでっち上げられる。邪魔な奴等には消えてもらわねぇとな」
「御夕覚……」
「おい、何か言い残すことはねぇか?」
御夕覚がじりじりと距離を詰めてくる。確かに御夕覚は昔から腕っ節は強かった。しかし……
「目を覚ませよ御夕覚!」
「俺様は既に素面みたいなもんだぜ?」
「ちっ……」
俺はそれとなく持ってきた棒をそっと彩羽に渡そうとしたその時だ。
「うわぁぁぁっ!」
何かが近付いてきた。不意に御夕覚にぶつかったと思うと、御夕覚は動きをピタリと止めた。何かの正体は……
「啓斗!」
「お前のせいで、お前のせいで京は!」
「あぁっ……」
腹を押さえた御夕覚の指から血が流れ出す。ナイフが突き刺さっている。
「はぁ……はぁ……」
前傾のまま御夕覚はばたりと倒れ込んだ。草むらに音もなく落ちる錆びた鉄パイプ。
「もういい、終わったんだ啓斗!」
「京は死んでへんやないか!」
「それでも……それでもあいつを傷付ける奴は許さない!」
「なるほど、そいつが犯人だったのか……」
ひたひたと歩いて近付いてきたのは、東雲株式会社の社長秘書、中内だ。拍手をしながらゆっくりと歩いてきた。
「御苦労だったな。犯人は死んだらしい。こちらで処理を施す。お前らはもう終わりだぞ。帰れ」
何だか悔しい気分。まさか御夕覚が襲撃犯だったなんて未だに信じられない。啓斗はがたがた震えながら言った。
「警官を刺しちゃいました。もう自首します。皆さん、有難う御座います」
「……」
色んなことがありすぎて頭の中が綯い交ぜになっている。泥濘んだ足下に崩れるように跪く。何も言わずに充が俺を立ち上がらせてくれたのは、そこから程なくしてからだった。
俺は河川敷を探るために向かう。昨晩天峰が描きかけたグラフィティが生々しく残っている。【捜し屋】の一団に御夕覚を加え、何かがあると踏んでからのことである。
さすがに事件現場になった場所には人気はないようだ。逆に捜しやすいが……
「何かあるのは間違いないんだろうがな……」
がさがさと草むらを掻き分けながら周囲を捜索する。果たして襲撃犯が隠したかった物の手懸かりが見つかるかは判らないが……
空は鉛色、何か不吉な予感さえ感じさせる。俺は鵲に今川焼きの3色アソートを与え、また能力を使うよう促した。
「ちょっと…やってみます」
今川焼きを銜えたまま、鵲は河川敷をチラ見する。頭に流れ込む空間の記憶。
「犯人っぽい奴が、あの橋の下に……」
俺達は橋の下に何かがあると察すると、そこを重点的に調査する。
「なぁ、アマさん」
「なんだ?」
「ひょっとしたら、この橋に何かあるんじゃないんですかね。例えば……」
「考えがあるのか?天峰」
「おっと、そこまで」
俺は振り返った。少しだけ離れた位置にすっと立っている男が一人。今まで一緒に捜査をしていた御夕覚だ。
「何を言ってるんだ?」
「そうですよ、なんか様子おかしないですか?」
「ほう、これを見ても、何も思わないと?」
御夕覚は鉄パイプを手にしている。
「おい、冗談だろ?」
「だろ?マイケル・ジョーダンのまぁいける冗談より笑えるだろ?」
「笑えへんわ!」
「噓だよな?御夕覚…どうしてこんな……」
「んなもん決まってるだろ?街をあんなチンピラに汚されたくないからだよ」
御夕覚は鉄パイプを肩に担いでひたひたと近付いてきた。
「俺様は警察だ、状況証拠なんていくらでもでっち上げられる。邪魔な奴等には消えてもらわねぇとな」
「御夕覚……」
「おい、何か言い残すことはねぇか?」
御夕覚がじりじりと距離を詰めてくる。確かに御夕覚は昔から腕っ節は強かった。しかし……
「目を覚ませよ御夕覚!」
「俺様は既に素面みたいなもんだぜ?」
「ちっ……」
俺はそれとなく持ってきた棒をそっと彩羽に渡そうとしたその時だ。
「うわぁぁぁっ!」
何かが近付いてきた。不意に御夕覚にぶつかったと思うと、御夕覚は動きをピタリと止めた。何かの正体は……
「啓斗!」
「お前のせいで、お前のせいで京は!」
「あぁっ……」
腹を押さえた御夕覚の指から血が流れ出す。ナイフが突き刺さっている。
「はぁ……はぁ……」
前傾のまま御夕覚はばたりと倒れ込んだ。草むらに音もなく落ちる錆びた鉄パイプ。
「もういい、終わったんだ啓斗!」
「京は死んでへんやないか!」
「それでも……それでもあいつを傷付ける奴は許さない!」
「なるほど、そいつが犯人だったのか……」
ひたひたと歩いて近付いてきたのは、東雲株式会社の社長秘書、中内だ。拍手をしながらゆっくりと歩いてきた。
「御苦労だったな。犯人は死んだらしい。こちらで処理を施す。お前らはもう終わりだぞ。帰れ」
何だか悔しい気分。まさか御夕覚が襲撃犯だったなんて未だに信じられない。啓斗はがたがた震えながら言った。
「警官を刺しちゃいました。もう自首します。皆さん、有難う御座います」
「……」
色んなことがありすぎて頭の中が綯い交ぜになっている。泥濘んだ足下に崩れるように跪く。何も言わずに充が俺を立ち上がらせてくれたのは、そこから程なくしてからだった。
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